離婚して実家に戻って来た娘達の将来の生活を安定させる方法

依頼者・関係者

 相談者は、広島市在住のAさん73歳

 家族構成は、妻、長女、次女

相続財産の内訳

 現預金     3,000万円

 不動産(自宅) 3,000万円

 不動産(更地) 6,000万円

  合計     1.2億円

相談状況・内容

 Aさんの相談内容は次の3つでした。

① 将来、自分が死んだ後に離婚して実家に戻って来た次女と孫が生活に困らない様にしてやりたい。

② 相続税の節税をしたい。

➂ 自分が死んだ後の遺産分割で揉めない様にしたい。

ご提案・解決方法

 まずは、次女の収入を確保してあげる為に、現在、更地になっている土地にアパ-トなどの賃収物件を建築する事を提案しました。

これにより、将来、次女の収入の確保が出来るのと同時に相続税の節税にもなるからです。

 尚、キャッシュが無いので銀行借入により建築してもらう事も提案しました。

 次に、上記➂の問題ですが、長女とは仲が悪くないようでしたが、念の為に遺言書を作成してもらう事を提案しました。

結果

 その後、何度か家族会議を行い、上記の提案通りに進める事になりました。

 その結果、

 上記①の問題については、アパ-トの家賃収入により、次女の将来の生活が確保出来るようになりました。

 次に②の問題については、1億2,000万円のアパートを建築する事により相続税がかからなくなり節税する事が出来ました。

 アパ-トの建築によって相続税の節税になる仕組みは下記の通りです。

  〇 土地の評価額が借地借家権等により15%下がる。

  〇 建物の評価額は建築価格ではなく固定資産税評価額で評価される。

  固定資産税評価額は一般的に建築価格の50~60%になる。

  更に、評価額は、固定資産税評価額が借地借家権等により30%下がる。

 これにり、借入金との差額が生じて相続財産の評価額が圧縮されるのです。

 言葉だけでは分かりにくいと思いますので、アパ-ト建築後の相続税の評価額を数値で確認してみて下さい。

 現預金     3,000万円

 不動産(自宅) 3,000万円

 不動産(アパ-ト建築後) 5,100万円 = 6,000万円 ✕ 85%

 建物  4,200万円 = 1.2億円 ✕ 50 %  ✕ 70 %

 借入金 ▲1億2,000万円

  合計  3,300万円

 以上から相続税の基礎控除額(注3)4,800万円以下となる為、相続税はかからなくなるのです。

 最後に➂の問題ですが、遺言書の内容を、自宅を妻にし、長女に現預金2,000万円、残りを次女に相続させるという内容にしました。

 ここで問題なのが、長女の遺留分(注2)でした。

 長女の遺留分は財産の1/8あります。

 相続税の財産評価額で計算すると遺留分は400万円位です。

 しかし、争いが生じた場合には、財産の評価を売買取引価格などの実勢価格で評価すると遺留分の金額が高くなる可能性があるからです。

 ただ、この時点で遺留分の金額を算定する事は困難なので、長女には2,000万円で納得して頂く事で収まりました。

 以上によりAさんの相談内容の全てを解決する事が出来て非常に満足されたご様子でした。

参考法令他

(注1)不動産の評価方法(相続税法第22条、財産評価通達)

 不動産の評価方法は、相続税法22条に時価による規定されていますが、時価の算定が実務上は難しいので、財産評価通達に基づき、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で算定するのが一般的です。

 尚、路線価は公示価格の80%、固定資産税評価額は公示価格の70%と言われています。

(注2)遺留分(新民法第1042条)

 遺留分とは、民法によって兄弟姉妹(甥・姪)以外の法定相続人に保障された相続財産の最低限度の割合のことをいいます。

(注3)相続税の基礎控除額(相続税法第15条)

 相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額から、3,000万円と600万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額を控除する。

相続事例の執筆担当者

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)

   行政書士(行政書士登録番号18342346号)

   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい

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