土地の評価額が高すぎるので何とか下げたい!

依頼者・関係者

相談者は広島市佐伯区在住のAさん

母が死亡し、相続人はAさんと弟の2人

尚、父は5年前に他界

相続財産の内訳

不動産   8,000万円

その他財産 5,000万円

合計財産  1億3,000万円

相談状況・内容

 Aさんは、当初、お願いしていた税理士さんに計算してもらった相続税が、自分が想像していた以上に高いので驚き、何とか安くならないのかという事で弊所にセカンドオピニオンとして相談に来られました。

 Aさんが納得されていなかった理由は、土地の評価額が、利用状況や実際の売買価格と比較して異常に高い事の様でした。

ご提案・解決方法

(1)現状分析                                  

 まずは、Aさんが思う様に、本当に土地の評価額が高いのか検討する事にしました。

 固定資産税評価額の確認やグ-グルマップなどの机上調査後に現地確認を行いました。

 現地に行くと、今回の対象地は、田畑に囲まれている原野みたいな土地で利用価値が非常に低くそうにもかかわらず役所で確認すると、市街化区域(注1)に指定されていました。

 どうやら、この地域は、市区町村が計画的な街づくりを進めていく地域として市街化地域に定めている様でした。

その結果、この対象地は、市街化地域の為、固定資産税評価額が高く評価されていたのです。

 尚、今回の対象地は、路線価地域ではないので、固定資産税評価額に基づく倍率方式(注2)で評価しなければならない土地でした。

 そうなると、固定資産税評価が高いので、必然的に相続税評価額も高くなります。

 また、近隣の土地で固定資産税評価額よりもかなり低い価額で取引されている実例もありました。

 しかし、最初にお願いした税理士さんは、現地確認も行わず、路線価地域ではないという理由だけで単純に固定資産税評価額に基づいて評価した結果、非常に高額になっていた様です。

(2)提案内容

 弊所では、現況や近隣の売買実例等から検討し、固定資産税評価額を用いるのは妥当ではないと判断しました。

 しかし、近隣の売買事例だけで評価するのは合理性が無い為、不動産鑑定士と相談し不動産鑑定評価額で評価する事を提案しました。

結果

 不動産鑑定評価額は、当初の相続税評価額よりかなり低い金額となりました。

 不動産鑑定評価の為の費用が30万円かかりましたが、Aさんは、相続税が安くなり大変喜ばれていました。

 具体的には、当初の相続税評価額(固定資産税評価額を基に評価)は、8,000万円でしたが、不動産鑑定による評価額は3,000万円になりました。

 その結果、相続税も、1,360万円が470万円となり890万円相続税が安くなりました。

 尚、相続税が高いという理由だけで、毎回、不動産鑑定評価は使えるわけではありませんのでご注意下さい。

 不動産鑑定評価が採用できるのは、相続税の財産評価通達(注3)に基づき評価した場合に、明らかに不合理である場合に限られます。

 この判断を行うには、相続税法の専門知識や経験が必要になります。

参考法令他

(注1)市街化区域(都市計画法)

 市街化区域とは、都市計画法で指定される都市計画区域の1つです。市街化区域は、市街化を活性化する地域のことで、住宅街や商業施設などがある市街化された区域、またはこれらを概ね10年以内で市街化を進める区域です。したがって市街化区域であれば住宅などを許可なく建築する事が出来ます。逆に、市街化調整区域は、市街化を抑制する地域で住宅や商業施設などの建築が原則として認められていません。

(注2)土地の評価(財産評価基本通達)

 相続税の土地に評価は、路線価方式と固定資産税評価に基づく倍率方式があります。

どちらの評価を採用するかは、地域ごとに国税庁が定めています。

 ・路線価方式→国税庁が定めた路線価(1㎡の価額)に面積などをかけて算出する方法

 ・倍率方式→固定資産税評価に倍率(国税庁が定めた倍率)をかけて算出する方法

(注3)財産評価基本通達

 相続財産を評価する時に、国税庁が定めている評価の基準。

相続事例の執筆・担当者

広島相続税相談テラス
税理士:藤田 正則(ふじた まさのり)
所属:中国税理士会広島東支部所属 税理士登録番号109481
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