相続税に強い税理士の選び方

依頼者・関係者

 相談者は、呉市在住の50代男性Aさん

 父が亡くなり、相続人は母とAさんの2人

相続財産の内訳

 金融資産   3,000万円

 不動産(自宅)3,000万円

  合計    6,000万円

相談状況・内容

 Aさんは、お父様が亡くなり相続税の申告の相談に来所されました。

 Aさんは、サラリーマンで税理士の知合いがいなかった為、親戚からの紹介とネットからの検索で税理士をお探しになられていました。

 何件か相談される予定で弊所が1件目でした。

 Aさんは、どの税理士に依頼するのが良いのかを迷われていました。

ご提案・解決方法

 まず税理士にも弁護士や医者の様に得意分野や専門分野がある事を説明しました。

税理士の専門分野は大きく下記の3つに分類されます。

(1)会社等の商売を専門にする税理士

(2)医業・福祉や公益法人・NPOなどを専門にする税理士

(3)相続や資産の譲渡などを専門にする税理士

 大多数の税理士は、(1)を専門に行っています。

逆に(3)の相続や譲渡を専門に行っている税理士の数は非常に少ないのが現状です。

 相続税の申告なら(3)の相続税を専門に行っている税理士を選ぶのがいいと提案しました。

弁護士で言うなら「離婚問題」「交通事故」「相続問題」「刑事事件」などの専門分野があり、

医者では言えば「外科」「内科」「眼科」「小児科」など多くの専門分野があります。

骨が折れて「内科」や「眼科」に行く人は居ないと思います!

同じように、相続税の申告は、相続税を専門にしている税理士に依頼するの良いに決まっています。

 そして、次に相続税を専門に行っている税理士の選び方のポイントを説明しました。

(1)相続税の申告や相談実績の数

 一般的な税理士事務所は、上記(1)を専門に行っているので、年間の相続税の申告は1件あるかないかが実情です。

 年間二桁以上の申告件数を行っているのか確認する。

(2)相続税の報酬金額が明瞭になっているか

 相続税の申告報酬の相場は一般的に遺産総額の0.5%~1%と言われています。

相続税を専門に行っている事務所では、独自の料金表を作成し、事前に見積もりを提示します。

料金表があるのか、また、見積書を出しくれるのか確認する。

(3)不動産の現地調査や名義預金調査を行っているか

 相続財産の中で不動産の割合は大きくなるため、不動産の評価を下げることが相続税の減額につながる為、机上評価だけでなく現地調査を行っているのか確認する。

 また、税務調査でもっとも問題になりやすい名義預金(注1)について調査を行っているのかも確認する。

(4)相続税申告以外のフォロ-がちゃんとしているか

 相続が発生した場合には、相続税の申告以外に不動産の登記など様々な手続きがあります。

 それらの手続きごとに別々の専門家の所に行くのは非常に手間と労力がかかります。

 相続税を専門に行っている事務所では、お客様の事を考え、各種専門家と提携し手続きをワンストップで出来る様にしている場合が多いので、その確認をする。

(5)書面添付制度を行っているか

 書面添付制度(注2)とは、申告書を作成した税理士が、税務署が疑問に感じるような部分を、どのような資料に基づき、検討・判断したのかを書面に記載します。

 簡単に言うと申告書に対する保証書みたいなものです。

 これを作成する事により税務調査の選定割合が下がったり、税務調査前に税理士に意見聴取を行い、税理士が事前に説明することにより税務調査が省略されることがあります。

 ただし、作成には、事務負担や作成責任が税理士に問われるので、対応できる税理士事務所が少ないので、書面添付制度を行っているのか確認する。

(6)二次相続も含め節税の提案をしてくれるか

 依頼者の為に、二次相続(注3)や最大限の節税の提案を行ってくれるのか確認する。

(7)相性がいいか

 どんな仕事でもそうですがこれが一番大事かもしれません。

 財産の全てを開示するので信頼出来そうで相性が合わなければ上記(1)~(6)が完璧でも任せる事は出来ないでしょう!

結果

 最初の面談時に上記説明や相続税の試算等で2時間位説明しました。

 その後、弊所以外に2件面談された様ですが弊所と契約して頂きました。

 選んだ利用をお尋ねすると、専門性が高そうな事と、何よりも相性が良さそうで、信頼出来そうと言うのが主な理由の様でした。

参考法令他

(注1)名義預金

 名義預金とは、預金口座の名義人と実際の預金者が異なる預金の事です。

例えば、親が、名義を子供にしているが実際の保管や管理を行っているのは親である様な預金です。

また、お金を移動させているのだから贈与だと主張する方も居ますが、贈与を認めてもらう場合には、

 下記の様な状況が必要です。

・大前提として、財産をあげる人と貰う人の双方が認識している事

・通帳や印鑑などの管理を口座名義人が行う

・贈与契約書の作成

・贈与税の申告、納税をする

(注2)書面添付制度(税理士法第33条の1①、35条)国税庁HP:書面添付制度について

 書面添付制度とは、税理士法(以下「法」という)第33条の2に規定する書面添付制度と法第35条に規定する意見聴取制度を総称したものです。

 平成13年の税理士法改正において事前通知前の意見聴取制度が創設されその存在意義が飛躍的に拡充されました。

 事前通知前の意見聴取制度では、法第30条に規定する税務代理権限証書と法第33条の2に規定する書面を添付した申告書を提出しているという二つの条件を満たしている場合、調査の通知前に、税務代理権限証書を提出している税理士に、添付書面に記載された事項に関する意見を述べる機会を与えなければならないこととされました。

(注3)二次相続

 二次相続とは、最初の相続(一次相続)で配偶者と子どもが相続し、その後残された配偶者が亡くなった時に起こる2度目の相続のことをいいます。

 今回のケ-スでは、一次相続がお父様で、二次相続がお母様です。

相続事例の執筆・担当者

広島相続税相談テラス 代表
税理士:山根 謙二 (やまね けんじ)
所属:中国税理士会広島東支部所属 税理士登録番号92527
住所:広島市中区八丁堀7-2 3F
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