貸宅地とは?複雑な評価方法もわかりやすく解説!

  • HOME
  • 貸宅地とは?複雑な評価方法もわかりやすく解説!

貸宅地とは?複雑な評価方法もわかりやすく解説!

相続税評価をするうえで、土地の評価は非常に複雑な計算が必要となります。利用状況によって自用地、貸家建付地、貸宅地等さまざまな土地の評価方法がありますが、何が違うのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

当記事では貸宅地の概要や評価方法について解説します。

貸宅地とは

貸宅地とは自分が所有している土地に第三者が借地権を有し、建物を建てて利用している底地のことです。自分で利用している土地を自用地、敷地に自分でアパートなどの建物を建てて貸家として建物を他人に貸している土地を貸家建付地と呼びますが、貸宅地は建物の所有者の権利が保護されるため、自用地とは異なり3つの類型の中でももっとも利用が制限されるという理由で、自用地や貸家建付地と比べて評価も低くなります。

貸宅地の評価方法

次に貸宅地の評価方法について解説していきます。貸宅地の計算式は以下の通りです。

自用地評価額×(1-借地権割合)

自用地評価額は路線価がある地域の場合は路線価×面積、路線価が設定されていない土地の場合は倍率×固定資産税評価額で計算を行います。

借地権割合は地域ごとに定められています。路線価、倍率、借地権割合すべて国税庁のホームページの掲載されている路線価図で確認することが可能です(リンク)。

上記の算式で評価額を算出していただくと、自用地評価よりもかなり安くなることがお分かりいただけると思います。土地を保有している方はご自身が所有している土地の路線価と借地権割合を確認しておくとよいでしょう。

貸宅地の注意点

貸宅地を所有する際はどのような点に注意をすればよいのでしょうか。注意するべきポイントをおさえておきましょう。

建物がない場合は自用地評価となる

人に貸していても、建物がない場合は自用地評価となります。例えば、青空駐車場として人に貸している場合や資材置き場などにしている事例です。土地の上に建物が建っていないと貸宅地となりませんので、自用地評価となってしまいます。

相続税対策で節税するために貸宅地評価としたい場合は第三者に利用してもらうだけでなく、建物を建築してもらう必要がありますので建物を建てることを目的としている人に貸すようにしましょう。

無償で貸していた場合は貸宅地とならない

土地の上に建物が建っていたとしても、親戚などに無償で貸していた場合は使用貸借となり、貸宅地として認められません。また、あまりにも低い金額で貸していた場合も無償で貸していたものと同等とみなされる可能性があります。

親しい関係の人に貸すとしてもしっかりと契約書を交わし、金額も設定しておくようにしましょう。

土地を返してもらうことは難しい

借地権を設定し第三者が建物を建てている場合、借主には借地借家法で非常に強い法的な保護があり、返還を求めても簡単に更地にして返してもらうことはできません。周辺不動産の賃料があがっても、地主から依頼して地代を値上げをすることも交渉がうまくいかず、収益性の低い土地となっているケースも多いです。

また、借地権は相続の対象ですので、将来貸していた人が死亡しても相続人に引き継がれていきます。借地権者が遺言を作成していない場合、誰に引き継がれたのかよくわからなくなってしまうケースもあります。このようなケースでは代表者に地代を請求することになりますが、親族の連絡先がわからず、地代の回収することが難しくなることもあります。

貸宅地にすることで、相続税評価を下げることはできますが、再度自分で利用することは難しいことは理解しておく必要があります。

貸宅地として家屋が建っており、貸している土地は売却することも難しいため地域の慣行や土地の状況、借主の情報を詳しく確認してから貸すようにしましょう。

相続税の評価方法が分からない場合は税理士に相談を

相続税の制度は非常に複雑で、評価も時価とも大きく異なるため、相続税の評価方法が分からないという方も多いでしょう。

相続税の申告は10ヶ月という短い期間に完了させる必要がありますので、相続税の申告や資料の作成に不安がある方は税理士に相談することをおすすめします。不動産の評価は特に複雑で、誤って計算をしてしまう人も多くいます。税理士に相談する際は財産を一覧の表にまとめて事務所に持参するとよいでしょう。初回はサービスで無料で相談してくれるケースが多いので見積もりをもらいましょう。

実際に申告を依頼する場合の費用は各種財産の額や内容や種類によって決まるケースが多いです。配分の方法によっても計算が変わってきますので、現在の状況を伝えて見積もりをもらってから実際に依頼するか検討するようにしましょう。期限ぎりぎりになると間に合わなくなる可能性があるので、早めに依頼することが重要です。

税理士に依頼する際は相続税と関連の強い贈与税の申告実績が豊富な税理士に依頼することをおすすめします。税理士にも専門分野があり、特例や控除を漏れなく適用するために相続を専門として扱っている税理士に依頼するようにしましょう。