相続税の延納とは?申請方法やデメリットについて税理士が解説!

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相続税の延納とは?申請方法やデメリットについて税理士が解説!

相続税は原則、相続発生から10ヶ月以内に現金にて一括で納税する必要があります。しかし、遺産分割で預貯金は相続せず、不動産のみ相続する者がいる場合など、様々な理由があり、納税できない場合もあります。どうしても手元の資金が足りず現金で納めることができない場合は相続税の申告期限を延長し分納できる延納という制度があります。

当記事では相続税の延納の概要や延納をする際のデメリットについて解説します。

相続税の延納が認められるケース

相続税の延納が認められるためには以下3つの要件があり、すべて満たすことが必須条件となっています。

①税額が10万円を超えていること

納付する金額が10万円未満の場合には納付が困難であったとしても延納が認められることはありません。

②金銭で一括納付することが困難であること

相続で取得する財産だけでなく、相続人が元々保有していた金銭をもってしても相続税の一括納付が困難である場合のみ、延納が認められます。アクセスの良い宅地など評価額が高い不動産を多数保有している場合、不動産の価値が高く、金銭で相続税を支払うことが難しいケースなどが考えられます。また、延納が認められるのは、一括納付が困難な範囲の金額です。支払うべき税金がすべて延納できるわけではありませんので注意しましょう。

③担保を提供すること

延納をする際は、特定の財産を担保として設定する必要があります。具体的に対象となる資産は国債や地方債、社債、株式等の有価証券や土地・建物等の不動産が該当します。また、税務署長が認める場合は第三者を保証人として立てることで、担保に換えることができます。

担保として提供せずに、物納することも可能ですので、あわせて検討してみてもよいでしょう。

延納の申請方法

延納の申請をするためには相続税の申告期限内に延納の申請書と担保提供に関する詳細がわかる資料を添付して提出する必要があります。申請後すると一定期間経過後、税務署から通知が来ます。

ただし、延納を申請して税務署に受付してもらったとしても必ず延納が許可されるという保証はありません。税務署に金銭一括納付が困難であると判定され、延納が認められない場合は、延納が認められず、金銭一括での納付を求められることがあります。

事業などで資金が必要な場合は、申請をしても安心はせず金融機関で融資の審査を依頼するなど、延納を却下された場合でも状況に応じて対応できるようにしましょう。金融機関との関係や担保の設定状況によっては、延納よりも安い金利で借りられる可能性があります。どちらが条件がよいか、考慮して選択するようにしましょう。

延納のデメリット

期限内に支払えず延納を選択し、分割払いをする場合は相続税を延滞する最大のデメリットは利子税がかかることです。

利子税は不動産等の割合によって異なりますが、銀行預金に適用される金利と比べても決して安いものではありません。延納する金額が大きいと負担も大きくなりますので、早期に支払う必要があります。延納をする際の利子税は下表の通りです。

不動産を保有し延納する場合でも不動産から得られる収入よりも請求される利子税の方が確実に高くなるケースもありますので、不動産から得られる実質的な収入と利子税の金額を比較して延納するかどうか判断する必要があります。

場合によっては保有する資産を売却して納付の手続きを行った方が良い場合もあるでしょう。不動産や立木など各財産の内容や種類、延納する年数に応じる形で条件が異なります。

【利子税(国税庁HPより抜粋)】

延納の元本が大きい場合、上記の利子税も含めて返済をする必要がありますので、大きな負担となります。最長で借りられる年数は5年~20年が限度となりますが、お金に余裕ができた分については早めに支払いを済ませて、利子の負担を少なくするようにしましょう。

相続税については税理士に相談を

相続税は各種、相続財産の評価を行い、複雑な計算方法で算出する必要がありますので、専門的な知識が必要となります。また、特例の制度などを利用することで、節税できる場合もあります。ホームページや書籍などで学ぶこともできますが、相続税法は税制改正も頻繁にありますので、最新の情報を得ておく必要があります。相続発生後は短い期間で不動産の登記や金融機関の手続きなども必要で相当忙しい中、相続税の申告手続きを行うことが難しい場合もあるでしょう。

相続税の計算が難しい場合は財産の一覧をもって税務の専門家である税理士に相談し、サポートを受けるとよいでしょう。相続税の計算や納付が困難な場合の延納についてや税務調査の対応についても相談することができます。また、生前に相談し、シミュレーションをすることで各種控除の適用や贈与を活用した節税、承継の方針についても相談することが可能です。

書類の作成や申告手続きを依頼する場合は税理士に費用を支払う必要がありますが、初回の相談はサービスで無料で対応してくれる税理士も多くいます。まずはお気軽に相談してみるとよいでしょう。

税理士に依頼する際は相続税の申告について業務として実績が豊富な税理士事務所・税理士法人に依頼すると安心です。