遺産分割協議書とは?作成方法や注意点を税理士が解説!

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遺産分割協議書とは?作成方法や注意点を税理士が解説!

相続や遺産整理についてはほとんどの人が経験も知識も少なく、インターネットなどで検索して情報を得ても言葉の意味がよくわからないという方も多いでしょう。今回は遺産分割協議書について解説します。

相続が発生すると相続人全員で被相続人の財産を分割する話し合いをする必要があります。当記事では遺産分割をする際に必要となる遺産分割協議書について解説します。

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは相続人で話し合った結果を書類にまとめて、明確にすることです。相続の内容や割合を相続人全員で相談し、記載していきます。

遺産分割協議書には相続人全員が署名と実印を押印し、各1通ずつ保管することになります。遺産分割協議書を用いることで被相続人の名義の銀行の定期預金等の預貯金や証券会社の株式や投資信託などの各種、有価証券について金融機関で名義変更の手続きや法務局に提出して、土地や建物などの不動産の登記の手続きを行うことができます。手続きの際は印鑑証明書が必要となる可能性がありますのであわせて用意しておきましょう。

被相続人が生前に、将来の相続対策の一環で遺言を作成していた場合は、遺言に基づいて財産を配分するため、基本的に遺産分割協議書を作成する必要はありませんが、遺言書とは異なる配分をする場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合は話し合いとい遺産分割協議書の作成を行う必要があります。

遺産分割協議書の作成方法

遺産分割協議書を作成するためのポイントや作成までの流れ、注意点について以下に解説します。

相続人を確定する

まずはじめにすることが遺産相続をする相続人を確定することです。ほとんどのケースで相続人となる人は知っていると思いますが、金融機関や法務局で相続人の氏名を公的に証明するためには戸籍謄本(全部事項証明書)の準備が必要となります。

そのため、被相続人の出生から亡くなるまでの連続する戸籍が必要です。人数が多い場合や認知している子がいる場合などは特定の人とトラブルとなりそうな場合は、その分、対応に時間がかかる場合が多いため、注意が必要です。早めに話し合いを始める必要があるでしょう。最近では相続人が高齢化していることもあり、認知症で手続きに手間がかかることも多く、手続きに備え対策を検討しておく必要があります。

相続放棄をする人がいた場合は、放棄した人は財産を取得することはありませんので、話し合いに参加する必要はありません。

財産を確定する

話し合いをする前に大切となるのが、財産の調査です。被相続人がどのような財産を保有していたか、話し合えの前に確認しておかないと、誰が何を相続するか決めることができません。取引のある口座を調べて、預金や株式などの金融資産の金額、不動産、金等の現物資産、家に残っていた現金などあらゆる資産を一覧にして、パソコンで資料にまとめておくことで話し合いがしやすくなります。預金などプラスの財産だけでなく、借金や債務などマイナスの財産がある場合は特に慎重に確認しておく必要があります。

一般的に財産が確定するまえに、話し合いをする方も多くいますが、分ける方法が決まってから、財産の記載漏れが出てくると、何度も話し合いをすることになり、時間がかかるので、先にしっかりと対象となる財産を確定させた後で話し合いをすることをおすすめします。

相続財産を確定することで、相続税も事前にシミュレーションすることができますので、それぞれがどれくらいの負担となるかも確認することができます。また、相続税の申告が必要であれば、被相続人が死亡してから10ヶ月の期限内に配分の決定と税務署で申告の手続きを行う必要がありますので、逆算してスケジュールを立てるようにしましょう。相続税の申告が必要かどうか、判断が難しい場合は税理士にアドバイスを受けるようにしましょう。

財産の配分を決定する

相続人と財産を確定することができたら、次に相続人全員で誰が何をどのような割合で承継するかを決定します。自宅の不動産などを所有している場合は分割することが難しく、民法で定められた法定相続分のとおりにわけるわけにはいかず、話し合う必要がでるケースが多いでしょう。

相続人が複数いる場合で相続人同士が近くに住んでおらず、集まって話し合うことが難しい場合は電話やリモートで話し合いを行ってもよいでしょう。

それぞれの主張がかみ合わず、当人同士の話し合いでは解決できない場合、家庭裁判所で調停などを行い、最終的な配分を決めることになります。遺産分割は相続人全員で合意する必要がありますので、1人でも納得いかない人がいる場合、遺産分割協議書は作成することができません。

書面に記載する

配分について全員で問題なく合意することができたら、最後に遺産分割協議書という書面にまとめていきます。遺産分割協議書には法律で定められた書式やひな形があるわけではありませんので、手書きでも問題ありません。

後々問題とならないように財産の内容と配分を明確に記載する必要があります。種類が多い場合は時間がかかりますが、あいまいな点が残らないように正確に記載するようにしましょう。

実際に作成する際に書き方が分からず、自分で作成することが難しい場合は税理士や弁護士、司法書士など専門家に書面の作成を依頼すると安心です。

相続で不安なことがある方は税理士に相談を

相続について遺産分割協議書や税金の申告などに不安がある方は税理士に相談して手続きを進めるようにしましょう。相続税の申告が必要なケースは相続開始から10ヶ月以内と短い期間で、宅地の評価や相続税について正確に計算を行う必要があります。また、申告書や生命保険の非課税枠の利用や控除を活用する際に添付する書類の作成も必要となります。

家族が亡くなったあとは、配偶者や子どもなどが法定相続人の代表として金融機関の手続きや登記以外にも様々な手続きを行う必要があります。本やHPなどで情報を収集することもできますが、自身で手続きをすることが難しい場合は相続税・贈与税に強い税理士に依頼し、スムーズに手続きを進めることが重要です。初回の相談はサービスで応じてくれる場合もありますので、相続について悩みがある場合は気軽に税理士に質問するようにしましょう。