相続が発生すると法定相続人はあらゆる権利と義務を引き継ぎます。 相続するものは預貯金や株式、不動産などの財産だけでなく借金などの債務も含まれます。 では、電車の飛び込み自殺など損害賠償が問われるような事故と同時に亡くなった場合、相続人は賠償義務を負うのでしょうか。 当記事では、被相続人が電車の飛び込みなどで亡くなった場合の対処方法について解説します。
賠償金の相続放棄は可能?
列車への飛び込みなど、人身事故により亡くなった人自体が故意や過失により賠償責任を問われた場合、損害賠償の債務を法定相続人である配偶者や子どもなどが引き継ぐことになります。
損害賠償の内容は事故の対応にかかる費用で具体的に、振替輸送費や電車や線路などの修理費用、関連する人件費などがあげられます。
賠償金を支払えない場合は相続放棄をすることが可能です。相続放棄は相続発生の翌日から3ヶ月以内に家庭裁判所に書類を提出する必要があります。
相続放棄をする際の注意点
損害賠償債務を免れるために、相続放棄をする際にどのような点に注意をすればよいのでしょうか。ポイントを抑えて解説します。
相続人自体に責任がある場合は放棄できない
事故を起こした人が精神的な病気や重度の認知症などの無能力者で、一般的に介護や見守っておく立場であるにも関わらず、それを怠った場合、損害賠償責任を問われる可能性があります。根拠として民法第714条があげられます。
子どもなど相続人自体が責任能力がない人の監督の義務を怠った場合、その人自身に損害賠償責任が問われますので、当然放棄をすることはできません。過去に認知症の人が踏切の中に立ち入ってしまった事故で、監督するべき立場である人に損害賠償責任が問われた裁判の例があります。
他の遺産も受け取ることはできない
相続放棄は一部の相続財産や債務についてのみ行うことはできません。そのため、相続放棄をするということは、自宅不動産や預貯金や株式などの金融資産などプラスの財産も一切受け取ることはできなくなります。一方で生命保険は相続人固有の財産として受け取ることが可能です。
そのため、相続放棄をする前に、鉄道会社から請求される車両の修理費などの賠償金の金額と被相続人が保有していた財産をしっかりと把握して、状況を確認してから相続放棄をする必要があります。
想像よりも遺族に対する損害賠償の金額が少なく、相続した財産で十分に支払い可能な事例もあります。マイナスの財産を引き継ぐデメリットより、遺産を受け取るメリットの方が大きいということに後から気づいても一度相続放棄をすると放棄を取り消すことはできません。そのため、慎重な判断が必要となります。
他の相続人に連絡をする
相続放棄は単独で行うことができます。しかし、相続放棄をすると、他の相続人の負担が大きくなる可能性があります。被相続人の死亡の翌日から3ヶ月と期限も短く、他の相続人が放棄を知った時には間に合わない可能性がありますので、他の相続人に連絡しておかないと後々、問題となる可能性があります。
相続手続きは専門家に相談を
電車の飛び込みなどで亡くなった場合、相続放棄の判断を迅速に行う必要があります。 放棄をすることができる期間を過ぎると損害賠償を背負うことになりますので、時間的な猶予はありません。
また、財産を引き継ぐ場合でも法定相続人は遺産分割協議や金融機関の手続きなど同時進行でさまざまな手続きを進める必要があります。 広島相続税相談テラスでは、弁護士や司法書士などさまざまな専門家と連携し、みなさまのお悩みの解決をサポートします。 初回のご相談は無料で対応しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。