お役立ちコラム一覧

孫に財産を遺したい場合の相続対策

2026年05月05日

財産を多く持っている人はかわいい孫に直接財産を遺したいと考えている人も多いでしょう。孫は子が無くなっており、代襲相続が発生していない限り民法で定められている相続人ではありませんが、様々な方法で孫に財産を遺すことが可能です。

特に基礎控除(3,000万円+法定相続人×600万円)を超える財産を保有している場合は、少しでも多く財産を遺すために、節税をしたいと考えている人も多いでしょう。当記事では孫に財産を遺す際の節税方法や注意点についてポイントをおさえて解説します。

孫に財産を遺す方法

孫は子どもが亡くなっており、代襲相続が発生していない限り、法定相続人ではありませんので、遺産分割協議に参加することはできません。

遺産を直接遺すためには生前の用意が必要となります。 孫に財産を遺す際の具体的に行っておくべき方法と節税面でのメリット、注意点について解説します。

生前贈与

生前贈与とは存命の間に、資金を贈与することです。贈与を行うことで、生前に孫に財産を移転することができますので、遺産分割協議に参加せずに財産を受け取ることができます。

贈与税の暦年課税制度では1月1日から12月31日までの間で年間110万円の非課税枠があり非課税枠の範囲内であれば非課税で毎年、資産を移転することが可能です。110万円以下の贈与であれば、結果的に相続発生時に被相続人の課税対象の財産が減っているため相続税が低くなり、節税につながります。

課税の対象となる財産の評価額が合計110万円を超える金額の贈与をする場合は、贈与により財産を受け取った者が税金の申告をする必要があります。贈与税は贈与の額に応じて税率が高くなりますので、多額の贈与には注意しましょう。

また、贈与税には特例があり、祖父母や父母など直系尊属から住宅取得資金のサポートする目的で贈与をするために資金を渡す場合、住宅の性能などにより一般の住宅の場合500万円まで、省エネ等住宅の場合は最大1,000万円まで非課税となります。特例を活用することでより大きな額の贈与を受けることができます。

住宅取得資金贈与の特例を利用する場合も期限内に税務署への申告が必要となります。適用の条件等は事前に確認するようにしましょう。他にも結婚・子育て資金の贈与であれば1,000万円まで非課税での贈与が認められています。

なお、教育資金の一括贈与の特例は廃止されており、今後利用することはできません。

生前贈与をする際は名義預金とみなされないようにする必要があります。名義預金とは実質的に贈与がされていないにも関わらず、財産を名義上移転しているようなケースです。

例えば、祖父母の口座からから孫の口座にお金を移して、孫名義の預金になっていても、祖父母自身が通帳と印鑑を管理しているケースでは孫がお金を使うことができないため、名義預金とみなされ、税務調査で指摘される可能性があります。できれば、実際に贈与をしたということを証明する贈与契約書等の書類を作成しておくと良いでしょう。将来調査が入ったとしても、説明できる状態にしておくことが大切です。

遺言書を作成する

遺言書を作成し、財産受け取る人を指定することで、自分が死亡した際に法定相続人以外の人に遺産を遺すことが可能です。孫に遺贈する内容で遺言を作成しておけば、直接孫に遺産を遺すことが可能です。 孫に直接遺贈することで財産が多く、親から子ども、孫に2回相続税がかかるよりも代飛ばしで孫が相続財産を受けることで相続税の節税になる例があります。ただし、兄弟姉妹や孫に遺産を遺す場合、通常の相続税の二割加算になりますので注意が必要です。税額を実際に計算しておき、シミュレーションを行いどちらが有利か確認する必要があるでしょう。

また、特定の孫に多く遺すことで、家族同士でトラブルになり大きな負担となることを回避するために注意が必要です。配偶者など他の親族とも相談して、問題が発生しないように分割の方針や、記載する詳細を決めた方が良いでしょう。

もちろん、遺言は後で何度でも書き換えることが可能です。そのため、今の考えが作成していたとしても、状況が変わった際に、再度検討して配分を変更したい場合は再度作成することも可能です。

養子縁組をする

孫を養子に入れて、法律上の子どもにすることで実子でなくても子どもとして遺産分割協議に参加して財産を受け取ることができます。

一方で養子縁組をして法律上の子供と同じ権利を持ち、遺留分も持つことになりますので、少しだけ財産を遺したいというケースでは上記の生前贈与や遺言を作成するという選択肢を選んだ方が良いでしょう。養子縁組っがきっかけで、親族同士の関係が悪化する可能性もあります。

また、養子縁組をした場合も相続税の2割加算となる点は注意が必要です。

孫に財産を遺したい場合は専門家に相談を

孫に預金や不動産などの財産を遺す方法はさまざまな選択肢がありますが、どれもメリットとデメリットがあり、自分にあった方法を選択することが重要です。 自分に合った方法を選択するために、仕組みを理解し、正しく判断する必要があります。

相続や贈与の制度は複雑で税制改正により、頻繁に変更がありますので、常に最新の情報を確認しておく必要があります。

知識がなく、制度の理解に不安がある場合や節税効果や、注意点について実務に詳しい弁護士や司法書士、税理士など実績のある税務や法務の専門家に相談することをおすすめします。専門家に手続きを依頼することで費用を支払うことにはなりますが、安心して正確に手続きを進めることができます。

また、財産の総額が基礎控除を超える場合、相続発生後は原則10か月以内と短い期限で預貯金や株式、不動産、生命保険など財産の一覧の表にまとめて、相続税の申告を行い、税金を納める必要があります。

当事務所では、相続に関するあらゆるお悩みに対応して解決しております。初回のご相談はサービスで無料で対応しておりますので、是非お気軽にご相談ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい