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納骨堂に相続税はかかる?生前購入による相続税対策や注意点を解説

2026年09月27日

納骨堂や墓地は一定の区画を購入しているため、不動産のように相続税がかかるのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、一般的な納骨堂は土地や建物そのものを購入するのではなく、遺骨を収蔵するスペースの使用権を取得するものです。
墓地や墓石などと同じように祭祀に関する財産として扱われるものは、原則として相続税がかかりません。

また、生前に納骨堂を購入して費用の支払いを済ませることで、相続税対策になる場合もあります。
ただし、被相続人が亡くなった後に納骨堂を購入しても、その購入費用を葬式費用として遺産から控除することはできません。

この記事では、納骨堂と相続税の関係や生前に購入するメリット、納骨堂の購入費用と納骨費用の違い、注意点などを解説します。

納骨堂は原則として相続税がかからない

納骨堂とは、遺骨を収蔵するための施設です。
一般的な墓とは形態が異なりますが、祭祀のために使用される納骨堂の使用権などは、原則として相続税の非課税財産として扱われます。
そのため、被相続人が購入したり管理していたりした納骨堂を承継したからといって、通常の不動産や預貯金などと同じように相続税がかかるわけではありません。

納骨堂とはお墓と同じく遺骨を収蔵するための施設

納骨堂は、遺骨を建物内などに収蔵する施設です。
墓地に墓石を設置して遺骨を埋蔵する一般的な墓とは異なり、ロッカー型や仏壇型、自動搬送型などさまざまな種類があります。

特に都市部では、マンションのような建物内に多数の収蔵スペースを設けた納骨堂も多く、利用者が増加傾向です。
ただし、利用者がマンションの一室のように土地や建物の所有権を購入するわけではありません。
一般的には、契約に基づいて一定のスペースを使用する権利を取得します。
したがって、一般的な不動産とは契約が異なります。

納骨堂の使用権は祭祀に関する財産として扱われる

相続が発生すると、預貯金や不動産、有価証券など被相続人が所有していた財産は、原則として相続財産になります。
ただし、祖先を祭るための墓などは通常の相続財産とは異なる扱いを受けます。
納骨堂も、遺骨を収蔵して祭祀や供養を行う目的で利用するものです。
そのため、納骨堂の使用権などは、墓地や墓石、仏壇、仏具などと同様に祭祀に関する財産として扱われ、相続税がかかりません。

ただし、祭祀に関係するものなら何でも非課税になるわけではありません。
骨とう的価値があるものなど、投資の対象として所有している財産や商品として保有しているものと判断されれば相続税がかかります。

納骨堂を生前に購入すると相続税対策になる場合がある

納骨堂を生前に購入すると、相続税の負担を軽減できる場合があります。
例えば、被相続人が現金を所有したまま亡くなれば、その現金は原則として相続税の対象です。
一方、生前にその現金を使って納骨堂などの非課税財産を購入し、支払いまで済ませておけば、死亡時に所有する課税対象の財産を減らせます。

生前購入した納骨堂には原則として相続税がかからない

例えば、300万円の現金を所有している人が亡くなった場合、その300万円は相続財産に含まれます。
一方、生前に300万円を納骨堂などの祭祀に関する財産の購入に充てていれば、その分の現金は相続時には残っていません。
承継する納骨堂が非課税財産に該当すれば、その価額を相続税の課税価格に含める必要もありません。

そのため、将来必要になる納骨堂や墓などを生前に用意しておくことが、相続税対策につながるケースもあります。
例えば、現金を残して納骨堂を買ってもらうより、事前に納骨堂を購入したほうが相続税がかからない分お得です。

ただし、相続税を減らすことだけを目的に購入するのではなく、本人や家族が実際に利用するものを選ぶことが大切です。

永代使用料や永代供養料・管理料も確認する

納骨堂を利用する際には、施設によって永代使用料や永代供養料、管理料などがかかる場合があります。
名称や料金体系は施設によって異なるため、「購入価格」だけで判断しないようにしましょう。
最初にまとまった費用を支払うプランのほか、毎年管理料を負担するものもあります。

また、永代供養とは、寺院や霊園などが遺族に代わって遺骨を管理・供養する仕組みです。
納骨堂を利用すれば必ず永代供養になるわけではないため、契約内容を確認する必要があります。

納骨堂の購入費用と納骨費用は相続税の扱いが異なる

「納骨堂の費用」と「納骨にかかった費用」は同じものではありません。
納骨堂は遺骨を収蔵する施設であり、納骨は遺骨を墓や納骨堂などへ納める祭祀の一種です。
相続税を計算するときも両者の扱いは異なるため、混同しないようにしましょう。

死後に納骨堂を購入した費用は控除できない

被相続人が亡くなった後、相続人が納骨堂を購入したからといって、その購入費用を葬式費用として相続財産から控除できるわけではありません。
墓石や墓地の購入費用、墓地を借りるためにかかった費用なども、相続税の計算上、葬式費用には含まれません。
つまり、相続発生後に遺産から300万円を支出して納骨堂などを購入しても、単純に「遺産が300万円減ったから、その分だけ相続税の対象も減る」と考えることはできません。
相続税対策として納骨堂の購入を検討するのであれば、生前から準備しておくことが重要です。

納骨にかかった費用は控除できる場合がある

納骨堂そのものの購入費用とは異なり、葬送に伴って遺骨を納めるためにかかった一定の納骨費用は、葬式費用として遺産総額から控除できます。
火葬や埋葬にかかった費用、遺体や遺骨の運搬費、通常の葬儀に必要な費用、お寺などへ支払った読経料なども対象になる場合があります。
相続税を計算するときは、実際に何のために支出した費用なのかをチェックして、総額を計算しておくことが大切です。
領収書など、支払いの内容や金額がわかる資料も用意しておきましょう。

法要や香典返しなど控除できない費用もある

葬儀や納骨に関連して支払った費用が、すべて相続税の計算で控除できるわけではありません。
例えば、香典返しにかかった費用や、初七日などの法要にかかった費用は葬式費用に含まれません。
四十九日や一周忌など、死亡後の供養に必要な支出であっても、葬式費用として控除できるかどうかは別に判断されます。
不明な点がある場合は、早めに税理士など専門家に相談しましょう。

納骨堂を相続税対策として利用するときの注意点

納骨堂を生前に購入する方法は相続税対策になる場合がありますが、金額や契約内容などを十分に確認する必要があります。
また、納骨堂は将来にわたって家族が利用する可能性があるため、税金だけを理由に決めないことも重要です。

投資や換金を目的とするものは注意する

墓地や墓石、仏壇、仏具などが非課税となるのは、日常礼拝など祭祀のために利用されることが前提です。
しかし、骨とう的な価値があるなど投資対象となるものや、商品として所有しているものは相続税の対象になります。
そのため、「祭祀に使用するものを購入すれば、どれだけ高額でも相続税がかからない」と考えるのは避けましょう。
実際の利用目的や社会通念なども踏まえて検討する必要があります。

生前に費用の支払いまで済ませておく

納骨堂を生前に契約した場合でも、死亡時に購入代金などが未払いになっている場合には注意が必要です。
被相続人が生前に購入した墓など、非課税財産に関する未払代金は、相続税を計算するときに債務として遺産総額から差し引くことができません。
相続税対策として生前購入を行うのであれば、契約だけでなく支払いの状況まで確認しておきましょう。

家族と納骨堂の承継について相談しておく

納骨堂は預貯金などのように金額だけで分けられる財産ではありません。
誰が納骨堂を承継するのか、将来の管理料を誰が負担するのか、どのような方法で供養を行うのかなどを家族で相談しておくことが大切です。
また、納骨堂によっては承継できる人の範囲や必要な手続きなどが定められている場合があります。
生前に契約内容を確認しておき、相続発生後の問題を減らしておくことが大切です。

納骨堂と相続税についてよくある質問

納骨堂と相続税について、よくある疑問を紹介します。

Q. 納骨堂を相続したら相続税の申告は必要?

A.祭祀のために利用される納骨堂が非課税財産に該当する場合、その納骨堂自体には原則として相続税はかかりません。
ただし、相続人が取得した預貯金や不動産など、その他の相続財産まで非課税になるわけではありません。
正味の遺産額が相続税の基礎控除額を超える場合などには、相続税の申告・納税が必要です。納骨堂以外の財産も含めて判断しましょう。

Q.永代供養付きの納骨堂も相続税はかからない?

永代供養付きの納骨堂についても、祭祀のために利用する通常の納骨堂であれば、原則として同様に考えます。
ただし、永代供養の内容や費用、利用期間、承継の有無などは施設によって異なります。
「永代供養」という名称だけで税金の扱いを判断せず、実際の契約内容を確認しましょう。

Q.納骨堂と墓では相続税の扱いが違う?

納骨堂と一般的な墓では、遺骨を納める方法や形態が異なります。
しかし、墓地や墓石など日常礼拝に使用する財産も原則として相続税がかからないため、祭祀のために利用するという点では共通しています。
納骨堂だから不動産として相続税がかかる、墓だから必ず非課税になる、というように形だけで判断するのではなく、財産の性質や利用目的を確認することが重要です。

納骨堂の相続税対策は生前から検討しよう

納骨堂は建物内のスペースを利用するものもありますが、一般的にはマンションなどの不動産を購入するのとは異なります。
遺骨を収蔵するための使用権などを取得し、祭祀に関する財産として承継されるものは、原則として相続税がかかりません。
また、生前に納骨堂を購入して費用の支払いを済ませれば、現金などの課税対象となる相続財産を減らせるため、相続税対策になる場合があります。
一方、相続が発生した後に納骨堂を購入しても、その購入費用を葬式費用として遺産総額から控除することはできません。
納骨堂の購入費用と、実際に遺骨を納めるための納骨費用は区別して考えましょう。
納骨堂を選ぶ際は相続税だけでなく、永代供養や管理料、承継方法なども確認し、家族と相談しながら生前から準備しておくことが大切です。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい