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一次相続と二次相続とは?

2025年11月15日

終活がブームとなり今後、自分が亡くなった後の財産配分について検討する人が増えています。

夫婦で相談している人も多いのではないでしょうか。夫婦で相続について検討する時は一次相続と2次相続をふまえて検討する必要があります。

当記事では一次相続と二次相続とそれぞれの注意点についてポイントおさえて解説します。

一次相続・二次相続とは

一次相続とは夫婦のうちどちらか一方が先に亡くなる時の相続のことを指します。例えば夫が先に死亡した場合、夫が亡くなった時点の相続が一次相続、妻が死亡した時の相続が二次相続です。

遺産の分割方法について検討する際は最初から一次相続と二次相続の両方を考えて検討する必要があります。

一次相続と二次相続の注意点

一次相続と二次相続をトータルで考える場合、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。相続税の観点と遺産分割の観点に分けて解説していきます。

相続税の観点

基礎控除を超える財産を相続した者は相続税の申告を行う必要があります。

相続税の基礎控除の式は3,000万円+法定相続人の人数×600万円です。被相続人の財産が基礎控除以下の場合は相続税の申告は必要ありません。

一次相続と二次相続トータルで考える場合は夫婦の財産を合計で考える必要があります。
例えば、法定相続人が配偶者と子が2人で法定相続人が3人の場合、基礎控除は4,800万円となります。夫婦がそれぞれ4,000万円の財産を保有している場合、一次相続では相続税がかかりませんが、配偶者が多くの財産を引き継いでいると二次相続で大きな額の相続税がかかります。

基礎控除を超える場合でも同居している自宅の不動産など、配偶者が多く財産を取得することで、二次相続の税率が高くなってしまいかえってトータルで納税する税額が高くなってしまう可能性があります。また、配偶者控除は法定相続分もしくは最大で1億6,000万円までは配偶者が取得した分について相続税をゼロに抑えることができる、節税効果の大きい特例ですが、配偶者控除を使うために多く財産を引き継ぐと、その後に遺された配偶者が亡くなった時に相続税がかかるということになります。

また、二次相続では相続人の数も1人減るため、控除も一人分減っていますし、生命保険の死亡保険金で利用できる非課税枠(法定相続人×500万円)の活用できる分も1人分少なくなっているため、父親、母親から相続した時の子どもたち各人の税負担が大きくなることが多くあります。

相続税について考える際は、預貯金、株式、土地・建物、金など夫婦が保有する財産の課税価格を相続が発生する前に調査し、それぞれ一覧の表にまとめて、一次相続と二次相続をトータルでのシミュレーションを実施して、分け方を検証する必要があります。

遺産分割の観点

遺産分割について検討する際も一次相続と二次相続はトータルで検討する必要があります。

一次相続で分割した内容も踏まえて二次相続での分割を検討しないとトータルで不公平になる場合があります。総合的に考えておかないと家族でトラブルにケースもあります。

そのため、遺言書の作成を検討する際も、夫婦で内容について話し合いを行い、平仄を合わせておくとことがトラブルを防ぐために大切です。

また所有する財産を生前贈与をする際もあわせて検討する必要があります。暦年贈与では110万円までの金額であれば非課税で贈与をすることができますので、一次相続での割合に不公平が生じた場合は生前に贈与で調整するという方法もあります。子や孫などに贈与をすることで、節税ができるため、相続人の負担を軽減することもできます。年間110万円まえの贈与でも10年間続ければ、高い節税効果が得られますので、税負担を抑えることや、場合によっては相続税がかからないというケースもあるでしょう。

相続のお悩みは専門家に相談を

将来の夫婦の相続を検討する際は一次・二次相続をトータルで検討することが重要です。

相続税や遺産の分け方、遺言書の書き方などでお悩みがある場合は弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談し、サポートを受けるようにしましょう。

特に課税の対象となる相続財産の評価額の合計が基礎控除を超える場合、相続開始の翌日から10ヶ月の短い期限で税務署に相続税の申告を完了することが必要となります。

相続税の課税制度は複雑で、小規模宅地の特例などの適用の要件も複雑ですので、遺産相続の知識や経験がない一般の人にとっては納税額を算出することも相当な負担になります。

相続発生後は何かと忙しく、自身で税額の算出や書類の作成など対応できない状況の場合は早めに税金の専門家である税理士に相談することで安心して進めることができます。税理士などに申告や手続きを依頼する場合は、費用がかかります。資産の額や内容に応じて決まることが多いので、事前に総額でどれくらいの費用になるかは確認しておくことをおすすめします。

広島相続税相談テラスでは税務の専門家である税理士が多数在籍しており、相続に関するあらゆるお悩みを解決しております。初回の相談無料で対応しておりますので、お電話やメール等でお気軽にご連絡ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい