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遺産分割協議の完了後相続人が死亡した場合の対応方法とは

2024年12月29日

相続が発生すると相続人全員で遺産分割について協議する必要があります。遺産分割の協議が確定した後に財産を配分する前に相続人のうち1人が亡くなってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

当記事では遺産分割協議完了後に相続人が死亡した場合の対応方法や注意点についてポイントをおさえて解説します。

基本的に再度の遺産分割協議は不要

遺産分割協議自体が有効であれば、協議のあとに相続人が亡くなったとしても相続発生時点の相続人で行った遺産分割協議について全員で合意できており成立しているのであれば無効となることはありません。

そのため、基本的には再度財産の分割について話し合いを行う必要はありません。また、相続人が亡くなったとしても基礎控除の人数には変更はありませんので、再度申告の手続きを行う必要はありません。

分割協議をやり直す必要があるケース

稀ではありますが、相続人が亡くなった後に遺産分割協議の内容を変更しやり直す必要が生じるケースがあります。どのようなケースか具体的に確認しておきましょう。

遺産分割協議が完了した後に遺言書が見つかった場合

被相続人が遺言書を作成したにもかかわらず、相続が発生した時に遺言の存在に気が付かずに財産の配分を決めてしまっているケースが多くあります。遺言書に書かれている分割方法と実際に行った分割方法が異なり、相続人全員で合意するのであれば、再度遺産分割協議を行って財産を配分することが可能です。なお、遺言の書き方が誤っており、法的には無効となる可能性がありますので、前提として遺言書が有効であることは確認しておきましょう。

特に遺言により認知され、相続人となった非嫡出子がいる場合は、遺留分を主張される可能性がありますのでその人が相続放棄をしない限り、必ずその人も参加した状態で遺産分割協議が必要となります。ほかにも遺言により、相続人以外の人に遺贈する内容が記載されている場合などは再度配分について検討し、遺産分割協議をやり直さざるを得ないでしょう。

新たな財産が見つかった場合

相続財産の分割後に新たに財産が見つかる事例があります。新たな財産については、再度遺産分割協議によって誰が遺産を取得するか話し合いを行う必要があります。遺産相続のための分割協議を行ったあとに財産が見つかると財産の配分の話し合いや税金の計算もやり直す必要があるため、時間がかかることが多く負担は軽くありません。また、東京などアクセスのよい場所に不動産を所有していた場合など価値の大きな不動産があると単独で相続すると配分が偏ってしまい、一部の変更では済まない場合も多くあります。場合によっては売却し金銭で配分するとしても時間がかかることもあるでしょう。

後で財産が見つかることで他の相続人とトラブルになるケースもあります。一度トラブルになり関係が悪化すると弁護士を交えて交渉が必要となったり、家庭裁判所での調停・審判を経て配分することになったりしますので、相続発生時にはしっかりと調査を行って、取引のある金融機関を探しておき、財産の一覧を作成してから遺産分割協議を行うようにしましょう。

遺産分割協議自体に問題がある場合

死亡した相続人ではなく、遺産分割協議自体に問題がある際も再度遺産分割協議が必要となるケースがあります。遺産分割協議自体に問題があるケースとは脅迫や詐欺、錯誤などにより相続人のうち一人でも正常な判断をもってそれぞれの権利を主張することができなかったと認められるケースや相続人の中に認知症などの理由で意思能力がなかった場合等です。

一人でも正常な判断ができない状況で行われた遺産分割協議であれば、署名・押印をしていたとしても意思表示を取消した上で、再度遺産分割協議を行うことができます。

多額の生前贈与をされていることを知らなかった場合

節税目的などで特定の相続人に多額の生前贈与がされていたことを他の相続人に説明していなかった場合、特別受益があるとして他の相続人が再度、遺産分割協議を求める可能性があります。多額の生前贈与をされていることが、知らされていなかった場合、法定相続分と異なる配分となってしまう可能性があり、その後に財産の配分について異議を唱えられることもあるでしょう。

このようなケースでは再度遺産分割協議が行われ、特別受益も含めた財産配分を検討する必要が生じる場合があります。

相続のお悩みは税理士に相談を

基礎控除以下であれば、相続税の心配は必要ありませんが、相続財産が基礎控除を超える場合は相続発生から10カ月以内に申告と納税を行う義務があります。亡くなってからのしばらくの期間は年金や不動産の登記、金融機関の名義変更などのさまざまな手続きを行う必要があり、あっという間に時間が過ぎてしまいます。相続手続きを完了させるためには経験と知識が必要となります。

相続手続きや相続税の計算に不安がある場合は専門家である税理士にサポートを依頼し、期限内に手続きができるようにしましょう。税理士に依頼することで費用はかかりますが、特例や各種控除などを漏れなく適用することで税額を軽減することが出来る場合もあります。費用については財産の額や内容によって決まることが多いので、事前に確認してから依頼することをおすすめします。

相続の相談をする場合は相続財産の評価や相続税・贈与税の申告の実績が豊富な税理士法人・税理士事務所に依頼することが重要です。費用はかかりますが申告実績が豊富な税理士に依頼することで土地の評価等もスムーズに行うことができるというメリットがあり安心して進めることができます。知り合いから紹介してもらうことが難しい場合はホームページなどで探してみるとよいでしょう。

広島相続税相談テラスでは、実績豊富な税理士がお悩みの解決に全力を尽くします。初回の相談はサービスで無料で対応しておりますので相続関連でお悩みの場合は電話やメールなどでお気軽に広島相続税相談テラスにご連絡ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい