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親の家をリフォ-ムした場合に贈与税を回避する方法

2020年10月20日

依頼者・関係者

 相談依頼者は、広島市在住の40歳代の男性Aさん

 Aさんは長男で70歳代の父母と父所有の自宅に同居している。

財産の内訳

 父所有の自宅建物 100万円(時価)

 Aさんの支払うリフォーム費用 900万円

  合計1,000万円

相談状況・内容

 Aさんは高齢となった両親とお住まいになっている実家をバリアフリー化するため、Aさんが費用を負担しリフォームすることとしました。

 しかしリフォーム会社から、自宅建物は父所有であるため、Aさんが代金を支払うと、自分が住む家でもリフォーム費用を贈与したこととなり、税務署から指摘され父に贈与税がかかる場合があると言われ、リフォームやリノベーションをする際に贈与税がかからないようにするためにはどうすればよいのか、ご相談を受けました。

ご提案・解決方法

 父名義の建物をリフォームする場合、リフォーム部分と現在暮らしている既存建物とを切り離すことはできずリフォームやリノベーション、耐震強化の工事をした部分も建物所有者の持ち物とされます。このため、父がAさんに対価を支払わない場合、リフォーム費用相当額の利益を受けたものとして贈与税が課税されることを解説しました。今回のケースでは、年間110万円(注2)までの生前贈与の非課税枠を利用することで贈与税がかからないので、建物を贈与してリフォームを行うことを提案しました。耐用年数を超えた建物の評価はあまり高くありません。土地は年数に応じて評価が低くなることはありませんが、土地は贈与する必要がありません。建物がいくらくらいの評価になっているかしっかり確認しましょう。

親子や夫婦、祖父母から孫など家族間で財産を移転する場合、贈与税がかからないと考えている方も多いですが、実際には110万円を超える高額の贈与の場合、贈与税がかかりますので、注意しましょう。リフォームだけでなく、居住用の土地・建物やマンションを取得するためのお金を渡すケースもあるでしょう。親や祖父母から子への居住用の財産の購入費用であれば、特例によれば省エネ住宅の場合、1,000万円、省エネ以外の住宅の場合500万円まで一括贈与でも控除の対象となります。相続・贈与の課税制度は複雑ですので、特例を活用する場合は税の専門家である税理士に相談すれば安心です。

結果

 建物の時価評価額(固定資産税評価額)は100万円であることが確認できたため、贈与税が課税されずに建物所有者をAさんに変更することができました。

 これにより、建物所有者とリフォームや増改築を行う人が一致して、リフォーム業者が指摘した贈与税の負担を回避することができました。

上記の質問は、不動産業者からよく受ける相談です。今回の記事のように非課税となる110万円以内であれば、贈与することができますが、評価が高額の場合は子が親から購入することやまとめて贈与するのではなく、非課税になる分だけ持分を移転し、名義変更すること検討してみても良いでしょう。

親族間の売買でも不動産仲介業者で契約書を作成してもらえば、ローンを借りることもできます。条件を満たせば住宅ローン控除も利用することができます。ただし、相場とはかけ離れる価格で売買した場合、贈与税の課税対象となる可能性がありますので注意しましょう。また、取得時より高い価格で売買した場合、譲渡所得税もかかってきますので確定申告が必要です。

ただし、不動産の名義や権利を移転する場合、登記をする際に登録免許税や不動産取得税などのコストがかかるうえ、不動産仲介業者に手続きを依頼した場合、仲介手数料がかかるなどデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットも理解して選択するようにしましょう。

 解決方法にはこの他にもいくつかありますが物件の状況や資産背景によっておすすめの方法は異なります。

 高齢になった親のために、子どもが古いトイレやキッチンの改良をしたり、バリアフリーの工事を行いたいと考えるケースは多いでしょう。リフォームローンを借りることや、プランを作る際に110万円に抑えるなどさまざまな制度や方法があります。しかし、暮らすために必要な性能が得られなければ意味がありませんので、家庭の事情に照らして判断する必要があります。

参考法令他

(注1)国税庁HP:NO.4557 親名義の建物に子供が増築したとき

(注2)贈与税(暦年贈与)の基礎控除額(相続税法第21条5)

 贈与税の基礎控除とは、贈与でもらたた財産から差し引くことができる一定の額のことです。贈与税の課税方式には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、それぞれ非課税金額が異なります。

 暦年贈与課税方式では、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)

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相続事例の執筆担当者

氏名:税理士:藤本 美絵(ふじもと みえ)

資格:税理士(税理士登録番号139465号)

専門分野:相続税、所得税

出身:広島県広島市

趣味:外食、買い物

お客様に一言:お一人お一人のニーズに合った税務サービスの提供を心掛けています

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