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相続人の配偶者が遺産分割に口出しができる?

2025年04月07日

相続が発生し、遺言が書かれておらず遺産分割の話し合いをする際に、相続人の配偶者等、本来協議に参加する資格のない人が口出しをしてきて問題となるケースがあります。

当記事では相続人以外の人が口出しをするケースを紹介し、対処法や事前の対策について解説します。

相続人の配偶者が口出しをするケース

相続人の配偶者は相続権はなく、直接財産を取得するわけではありませんが、無視するわけにはいかないでしょう。

相続人の配偶者が遺産の配分に口出しをするケースとして最も多いのが、妻が義理の親の介護をしているにもかかわらず、法定相続割合どおりに配分するケースです。長男の配偶者が義理の親を献身的に介護をしており、次男が遠方に住んでおり、ほとんど顔も出していなかった場合、長男の家族としては自分たちが多くもらえると考える人も多くいます。親子の関係に差があるにもかかわらず、法定相続分通りにわけると同じ配分となることは納得がいかないと考える人も多いでしょう。

自宅での長期間の献身的な介護した者など特別な貢献をしていた場合は寄与分として多く遺産引き継ぐ権利が認められることもありますが、多くの場合、寄与分は認められません。

他にも生前贈与で子や孫など特定の親族が多額の贈与を受けている場合、相続について多くもらいすぎているということで口を出す人がいます。生前贈与の分は特別受益として遺留分や法定相続割合の計算に算入することになります。

相続人以外の人が口出しをしてきた場合の対処法

法律のうえでは権利の無い相続人以外の人が口出しをしてきて手続きが進まない場合、どのように解決をしたら良いのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

相続人同士での話し合いを依頼する

相続人以外の人が口出しをして、困っている場合でもまずは相続人同士で考えを説明する場を設けましょう。しっかりとお互いの考えを説明することで、理解し、譲歩できる部分も見つかる可能性があります。

相続人以外の人と話すとかえってトラブルになる事例も多いので、まずは当事者同士で協議を行うことが重要です。

弁護士に間に入ってもらう

当人同士の話し合いでも解決できない可能性が高い場合は法律事務所や弁護士にサポートを依頼し、間に入ってもらうとよいでしょう。兄弟姉妹で話し合いをする場合、それぞれの主張があり、感情的になってしまい全員で合意できないこともあります。

第三者が間に入ることで、それぞれが考えていた理由もわかるため、冷静になって話し合いができるというメリットがあり、お互いの主張を理解できることもあります。

法的手段で解決する

相続人同士で話し合いを行い、弁護士に介入してもらい、アドバイスを受けて交渉をしても結果的に争いが続き解決できない状況が続く場合は、最終的に家庭裁判所での調停や審判に発展することになります。遺産相続の時に関係が悪化すると、一生解決しないことも多く、出来るだけ法的手段で解決する前に話し合いで手続きを進められるようにしましょう。

遺言を作成しておくことでスムーズに配分できる

遺言を作成し、誰に何を相続させるかを事前にプランを決めておくことで、法定相続人で話し合いをする必要がありませんので、トラブルを避けることができ、スムーズに配分することができます。また、介護などで寄与した分があると思うのであれば、遺言で相続人以外の人に財産を遺すように指定することもできます。

ただし、特定の相続人を0にするような極端な配分にすると、相続放棄をせずに遺留分を請求されると遺言通りに配分することができないため、遺留分を侵害しない範囲で財産を遺す必要があります。

また、認知症になってしまうと長年看護していても遺言を作成することができず民法で定められた法定相続割合通りに配分するしかない事例も多くあります。実際に体調を崩して遺言を作成できなくなる人も多いので、早めに準備するようにしましょう。

お困りごとがある場合は専門家に相談を

相続発生後の手続きや相続人間のトラブル、相続税の申告、遺言の作成などでお困りごとがある場合は対応を自分たちで抱え込まずに、弁護士や司法書士、税理士等、専門家に相談することで安心して進めることができます。

相続人間でトラブルとなって解決することが難しい場合は当人同士で話し合いをするよりも第三者を介して相談した方が良いケースもあります。相続発生後は相続財産の話し合いだけでなく、不動産の登記や預金がある金融機関の名義変更等、やるべきことはたくさんあります。

また、相続税の申告は相続発生から10ヶ月以内に税務署に受付してもらう必要があり、相続が発生するとすぐに準備にとりかからないと間に合わない例もあります。財産の評価額や納税する額の計算は複雑で、知識が無い人にとっては簡単ではありません。自分で行うことが難しい場合は、税理士に対応を依頼するようにしましょう。

広島相続税相談テラスでは初回の相談は無料で受け付けております。相続に関して不安な点がある場合はお気軽にお電話やメールでご連絡ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい