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再婚をした場合の相続は?トラブルを避ける方法を解説!

2025年03月29日

人が亡くなった場合、その人の財産は法定相続人に法定相続分を基準に話し合って分けることになります。

法定相続人相続人同士の関係が複雑な場合、遺産分割で合意できずトラブルになるケースが多くあります。特に前妻と離婚した後に再度別の人と結婚し、前妻と後妻それぞれに子どもがいる場合、財産を巡って話し合いがうまくいかない例が多く注意が必要です。

当記事では再婚をした場合に資産を相続する際の注意点や対処方法についてポイントをおさえて解説します。

再婚をした場合の相続権

自分が亡くなった時の誰が相続人となるかは理解しておく必要があります。再婚をした場合の相続権がある親族の範囲について説明します。まず、配偶者については離婚した場合は関係を解消することになりますので、前妻は相続人とはなりません。配偶者は婚姻関係が続いている限り、今の夫・妻は婚姻期間などに限らず自分が亡くなった時の相続人となります。

子どもについては民法上の親子関係ですので、前妻の子であっても親が亡くなった時は第一順位の相続人となります。前妻の子と後妻の子は半血の兄弟姉妹ということになりますが、法定相続割合は同じですので放棄をしない限り財産を相続することになります。

また、後妻の連れ子については本来の子供ではありませんが、養子縁組をすることで法律上は父となりますので相続人となります。実子と養子は同じ権利となります。

前妻の子と後妻の子がいる場合、お互いに存在を知らないケースや会ったことがないケースも少なくありません。いきなり兄弟だと言われても受け入れられないこともあるでしょう。

相続人同士でそれぞれの希望を主張した結果、金銭の配分などで双方が納得いかずトラブルになりやすく遺産分割協議が成立しないこともあります。

相続人間で揉めた場合は裁判所での調停や審判に発展するケースが多くあります。自分たちで相手側と交渉し解決することが難しい状況となった場合は法的な対応を行って解決する必要がありますので法律事務所にアドバイスをもらうようにしましょう。

相続人関係が複雑な場合の対処方法

家族の関係が複雑な場合、あらかじめ対処法を考える必要があります。

遺産の配分で協議する必要がないように生前にしっかりとした内容の遺言書を作成することをおすすめします。遺言書を事前に作成し、預貯金や株式、土地・建物等、財産の一覧を添付することで、財産を調査し、遺産の配分について話し合う必要がないため、トラブルを防ぐことができますし、相続人の負担を大きく減らすことができるというメリットがあります。法律上有効な遺言書を作成することで、相続人以外の人に遺贈をすることも可能です。養子縁組をしていない連れ子の子供にも遺言を作成することで財産を遺すことができます。

また、遺言書には執行者を指定することができます。執行者とは相続が発生した時に遺言書通りに金融機関の名義変更の手続きや法務局での不動産の登記など財産を配分する手続きを行う役割の人です。執行者は相続人を指定することもできますが、弁護士や司法書士、税理士など第三者を指定することで短い期間で手続きを進めることも可能です。トラブルになる可能性があり相続発生後に相続人同士で書類のやりとりなどの接触をできるだけ避けたい場合は第三者にサポートを依頼しておくとよいでしょう。

配偶者や子供には相続権だけでなく遺留分という権利があります。遺留分とは最低限の取り分を確保するための制度です。その人自身が相続放棄をしない限り、遺留分を侵害する遺言を作成しても遺留分を請求されると遺言通りに分けることができません。そのため、遺留分は侵害しないように相続財産を配分できるよう遺言を作成することをおすすめします。東京や大阪などアクセスの良い場所に不動産を保有している場合、不動産を一人で相続するだけで遺留分を侵害するケースも多くあります。2人以上で共有で取得すると売却する際も相続人同士で話し合いが必要となりますので、事前に売却し、現金化することを検討してもよいでしょう。

遺留分については生前贈与をいた財産も特別受益として遺留分の算定額に含まれますので、生前贈与した金額も含めて計算する必要があります。また、生命保険の死亡保険金についても本来は相続人固有の財産として遺留分の算定対象外と定められていますが、多額の生命保険をかけており財産の大半が保険金であった事例は遺留分の算定対象とするという判例が出た事例もありますので、注意が必要です。

遺言の作成方法には公証役場で作成する公正証書遺言と自筆で作成する自筆証書遺言があります。自筆証書遺言は気軽に作成できますが、相続発生後に家庭裁判所で検認し、その後遺言通りに手続きする流れとなります。開封して確認した際に、形式に問題があり無効となるケースがあります。

法的な効力がないと意味がありませんので、費用はかかりますが相続が発生した後にスムーズに遺産相続の手続きができるように確実に有効となる公正証書遺言で作成しておいた方がよいでしょう。

複雑な相続は専門家に相談を

親族・相続人関係が複雑な場合、誰が何を相続するか話し合いに時間がかかります。基礎控除を超える財産を保有していた場合は相続税の申告も必要となります。

相続税の申告は被相続人が死亡してから原則10ヶ月以内に行う必要があり、知識や経験が無い人にとっては自身で税金の計算や節税をするための特例の利用の検討をすることも難しい場合も多いでしょう。財産の評価や書き方が分からない人にとって10ヶ月の期限は短く、期限に間に合わないケースも多くあります。

亡くなる前に対策を行っておくことが重要ですが相続が発生した時点で遺言が準備されていなかった場合は、相続人で解決する必要があります。

広島相続税相談テラスでは相続に関するあらゆる問題を解決します。相続手続きや相続税の申告にお悩みの方は電話やメールなどでお気軽にご相談ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい