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相続税を抑える7つの控除【外国税額控除】の計算式と申告方法

2021年11月10日

日本国内と海外にある財産の相続を取得する場合の相続税に悩んでいる方に向け、外国税額控除について解説する記事です。

相続税は相続を受けた財産の金額が大きければ、課税額も大きくなるので相続を受ける相続税の負担とが大きくなります。
税の制度は国によって違いますので、国外にある財産を受け継いだ場合は、財産のある現地の国と日本国内の両方で税金を課せられることもあります。そのため、被相続人が海外に財産を持っている場合は要注意です。
二重で税金を納付しなければならなくなると金銭的負担も2倍となるいわゆる二重課税となります。しかし、外国で税金を納付した後に控除を受けられる制度を適用させれば負担は大幅に軽減されます。

今回の記事では、外国の財産の遺贈を受けて、税金を納付した後に控除を受けるための条件や、控除額の計算方法について解説します。
記事の内容を読んでいただければ、外国で税金を納付した後に控除を受けられる制度の金額をご自身で計算していただけるようになるはずです。

相続税の外国税額控除とは

外国税額控除とは、外国にある財産を受け継いだ場合の相続税を軽減させる制度のこと。
外国に相続財産がある場合、財産がある国で税金が課せられることがあり、二重課税になってしまうことから基礎控除とは別に控除が適用されます。

アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどが、相続税に相当する税金が課せられる可能性がある国です。
もし外国で税を課せられた場合は、控除の受けるための対応を知って日本での課税を軽減させましょう。

相続税の外国税額控除の申告方法

外国で税金を納付した後に控除を受けられる制度の適用を受けるには、相続税申告の際に申告書へ必要事項を記入して外国税証明書とともに提出します。

必要となる申告書は第8表です。

外国で課せられた税の金額や控除額の金額を計算したら、申告書第8表に記入しましょう。

そして、外国で納付した税の金額を証明できる書類とともに申告を行えば完了です。

 

相続税の外国税額控除が適用される条件

それでは、外国で税金を納付した後に控除を受けられる制度が適用される条件について見ていきましょう。

【適用されるための条件】

  • 外国にある遺産を受け継いだこと
  • 外国で相続税に相当する課税があったこと

外国で税金を納付した後に控除を受けるには、上記2つの条件を満たす必要があります。
国外財産を相続して国外で税金を納付した方なら、必ず外国で税金を納付した後に控除を受けられる制度の適用を受ける権利があると考えてよいでしょう。

ただし、2つの条件を満たしていたとしても、「制限納税義務者」であれば外国の相続財産を受け継いだ場合に相続税は非課税となりますのでこの規定は受けられません。

つまり、制限納税義務者は、日本の相続税自体が非課税ですので、外国税額控除の適用は受けられない仕組みです。

外国税額控除が適用できるか否かを確認するために、まずは被相続人の財産を一覧にするとよいでしょう。一覧にした上で、資金や住宅用の土地や建物などの現物資産が海外にないか、資産の状況を確認するようにしましょう。

また、生前にできる対策としては遺言書を作成しておくなど、子や孫への財産分けを明確にしておくことも重要です。海外に資産がある場合は、手続きも複雑のですので、しっかりと準備をしておく必要があるでしょう。

相続税の外国税控除額の計算方法

外国で税金を納付した後に控除を受けるには、相続人が手続きをする必要がありますので、計算方法も知っておく必要があります。

計算方法は次のとおりです。

外国税控除額=日本国内の相続税金額   ×(海外にある財産の価額÷国内財産の合計金額)

上記の計算式で算出できた金額と外国で実際に支払った相続に関する税に相当する税金の額を比較し、少ない方が実際の控除額となります。
計算式は易しいですが、国内外にある財産を評価し、価格を算出しなければならないことに注意しながら計算しましょう。

国外の財産を相続したら相続税の外国税額控除をお忘れなく

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで相続税の外国税額控除についてご理解いただけたと思います。相続税を軽減するためには、年間110万円までの贈与や教育資金の一括贈与、小規模宅地の特例など、一般によく知られている制度以外にもさまざまな制度や特例があります。

相続税を軽減する控除額の計算は財産の金額を算出しなければならず複雑です。誤った額を申告した場合、税務調査などで、追徴課税される可能性もありますので、正確に申告を行うためにも専門の税理士に相談しましょう。

相続税の知識があるか否かで実際に支払う金額が大きく変わることもあります。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい