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美術品や骨董品の相続税評価はどうなる?

2023年02月04日

基礎控除を超える財産を保有する人の相続が発生し財産を承継すると、相続税を支払うための準備をする必要があリます。当記事では美術品や骨董品を保有している場合の相続税評価の方法について解説します。

美術品や骨董品は時価で評価する

あらゆる相続財産に対応して評価方法が定められていますが、あくまで時価で評価することが原則になります。

ただし、美術品や骨董品は株式のように画一的に価値を測ることができません。美術品や骨董品を評価する方法は大きく分けてて二つあります。

一つ目は美術品や骨董品を業者として販売している場合です。このケースでは、棚卸資産として帳簿価格で評価を行います。

二つ目は被相続人が鑑賞用として自宅で保管しているケースです。自宅で保管しているケースでは、類似品の売買価格や専門家による鑑定評価によって出された価格、購入時の価格等を参考に評価額を算定します。

鑑定評価には費用がかかりますが、素人が判断するのは危険です。税務的な問題がでないように、しっかりと所有している資産の価値について専門家の意見を確認するようにしましょう。

一つの価値が5万円以下の場合、家財道具一式と評価していいという制度になっていますが、多数の美術品を保有していた場合、かなりの金額になる可能性があるため悪質な資産隠しとして税務署から指摘される可能性がありますので注意しましょう。

美術品や骨董品を保有している場合の相続対策

絵画などの美術品や骨董品など芸術的な価値が高い資産を保有している場合、様々な問題が発生することがあります。相続対策の方法やポイントについて解説します。

相続税の納税資金を確保する

高価な美術品や骨董品を保有している場合、納税するための現金が相続財産から確保することができない可能性があります。

納税資金不足が発生すると相続する者が自らの資産で税金を払うことになり、遺贈を受ける側が大きな負担となります。納税資金不足を避けるためには事前に価格を調査し、きちんと相続税を支払うことができるか計算しておくようにしましょう。

納税資金が不足しそうな場合は、状況に応じて先に美術館などに寄付したり、買い取りを依頼することを検討してもよいでしょう。

財産の配分を検討しておく

相続人が複数いる場合、美術品や骨董品を誰が相続するかを家族で話し合いを行っておくなど事前に財産配分について検討しておく方がよいでしょう。

数多く美術品や骨董品などの資産を保有している場合は、遺産分割にも時間がかかることが多いです。美術品や骨董品は現金のように分けることができませんし、不動産のように自分で利用でしたり、土地を活用して収益をあげられるわけではないことが多いでしょう。そのため、重要文化財に指定されているような高額の美術品や骨董品が数多くある場合、相続税の負担を考えると相続を受けたくないと考える相続人もいます。代々引き継いできた美術品や骨董品の存在がきっかけで、相続人同士の争いになることもあるのです。

遺言書を作成するなど、相続人同士で配分の争いが起こらないように対策しておくことで遺される相続人も安心です。ただし、生前に渡すと贈与税の課税対象となりますので注意しましょう。

評価が難しい財産がある場合は税理士に相談を

相続税の計算をする際にまずは、金融資産、生命保険、不動産等の財産を一覧にし、適切に評価する必要があります。美術品や骨董品、評価が難しい不動産がある場合は、相続税の計算が複雑になります。そのため、税理士に相談し、アドバイスをもらうようにしましょう。税理士に相談する際は相続や贈与を専門で行う税理士や税理士事務所に相談することをおすすめします。

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注1]参照:国税庁:No.4158 配偶者の税額の軽減
[注2]参照:国税庁:No.4205 相続税の申告と納税
[注3]参照:国税庁:財産を相続したとき

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい