親などの親族が亡くなったら、配偶者や子など遺された相続人は被相続人が保有していた遺産を分割するための話し合いを行います。遺産分割は民法で定められた法定相続人で行うことになりますが、相続人の配偶者など、相続人以外の者が口出しをすることによりトラブルになることも少なくありません。
当記事では相続人以外の人が口出しをすることでトラブルになった時の対処方法についてポイントをおさえて解説します。
相続人以外の人は遺産分割協議には参加できない
そもそも、相続人以外の人は法的に遺産分割協議に参加する権利はありません。しかし、実際には法定相続人の夫や妻が遺産の取り分について意見を言うことは多くあります。養子縁組をして法律上の親子となっていない限り、法定相続人の配偶者に意見を言う権利はありません。
特に遺留分を侵害しているケースや、法定相続分よりも少ない配分となるケース、配偶者が認知症などを患っていた被相続人の介護や看護をしていたケース、寄与分や他の相続人に生前贈与などの特別受益がある場合は権利をもっと主張するべきだと配偶者が口を出し、結果として争いになり合意ができなくなるケースが多いです。本来は法定相続人ではないといっても夫婦の間では説明はせざるを得ないでしょう。
遺産分割協議には参加できない者でも相続人に自身の意見を主張することで間接的に遺産分割協議に影響を及ぼすことがあります。
遺産分割協議は相続放棄をした人を除く、相続人全員が相続財産の配分について納得し、成立させたうえで遺産分割協議書を作成する必要があります。1人でも納得がいかず、自分の意見を主張する人がいる状況になるとその後の不動産の登記や金融機関の名義変更など相続財産の分割の手続きを進めることができません。
遺産相続が長引くとその間、預金などを出金することができないため、相続人には負担がかかります。
相続人以外の人が口出しをしてきた場合の対処法
相続人以外の人が口出しをしてきた場合、どのような対処法が考えられるのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。
遺言を作成しておく
相続人以外の人が口出しをしてくる可能性が高い場合は、生前に遺言書を書いておくことをおすすめします。遺言書を書いておくことで預貯金や株式、不動産など自分が亡くなった時の財産配分を明確にすることができ、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
遺言書を書く場合は公正証書遺言と自筆証書遺言があります。自筆証書遺言は自宅で簡単に作成することができますが、法律上無効となる場合があります。公正証書遺言であれば作成時に法律上有効であることが定められていますので、できれば公正証書遺言を作成しておいた方がよいでしょう。公正証書遺言は作成時は面倒ですが、死亡した後の親族の負担を大きく軽減することができます。
ただし、事前の対策として遺言書を書いていても遺留分を侵害することはできませんので、遺留分を確認することが大切です。遺留分を侵害された人は遺留分を請求することが可能ですので、遺留分には注意して割合を決めるようにしましょう。
特別受益・寄与分を明確にしておく
法定相続人以外の人間が主張してくるケースの多くが、他の相続人が贈与を受けており特別受益があるケースや自分が介護をしており、寄与分があることを理由に主張するケースです。
寄与分は少しお世話をしていた程度の後見では認められることはありません。特別な寄与が認められる場合はどの程度の額とするのかも先に話し合いをしておかないと話し合いが前に進まないケースが多いです。
弁護士に相談する
親族同士で話し合いをすることが難しい場合は、弁護士事務所などに相談をし、第三者を介して交渉することも一つの選択肢です。当人同士では解決できない場合でも、弁護士を介することで解決できる事例も多くあります。
弁護士を介しても解決できない場合は家庭裁判所での調停や審判へと進みます。裁判となると時間もかかり、相続人の負担も大きいためなるべく話し合いで解決できるようにしましょう。
相続の相談は専門家に相談を
今回は相続人以外の人が口出ししてきた例の対処法について解説しましたが、相続は各家庭の個別性が高く、親族だけで解決することが難しい問題が生じるケースも多いです。そのような場合は専門家にサポートを依頼し慎重に進めることが重要です。兄弟姉妹などで遺産の分け方で関係がこじれるとなかなか前に進めることが難しいケースもあります。このようなケースでは費用はかかりますが法律の専門家である弁護士にアドバイスを受けて進めるとよいでしょう。
また、被相続人の財産が多く基礎控除を超える場合、財産を取得した人は、原則相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告が必要となります。相続税の申告は非常に複雑で、不動産もアクセスなどによって相続発生時点の評価を行う必要があります。まずは事前に財産を一覧の表にまとめて相続税がかかりそうかどうかを確認しましょう。
相続税の申告について、費用はかかりますが、税理士に依頼することで確実に期限内に完了できるというメリットは大きいです。万が一誤った申告をした場合やお金を隠していた場合、税務署の調査で指摘される可能性もあります。
知識が無く不安がある場合は、税務の専門家である税理士に申告を依頼することで安心して進めることができます。
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