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共同相続人がいる場合に早めに解消をすることをお勧めする理由

2021年12月08日

相続は、何かとトラブルになりやすい問題でもあります。遺産を受け取る人が一人であれば揉めることはありませんが、複数人いる場合は注意しなければならないことが多いです。

中でもトラブルに発展しやすいのが「共同相続」の状態です。

ここでは「遺産相続に関する分割でもめたくない」と考えている方のため、注意点をご紹介します。共同相続や共同相続人に関する詳細や、なぜ共同相続だとトラブルになりやすいかなどを確認しておきましょう。

遺産相続や分割に関するポイント、注意点を理解しておくことにより、できる限りトラブルを避けられるようになります。共同相続の民法上のルールやデメリットについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

共同相続人(共同相続)とは?

共同相続とは、その名の通り被相続人の遺産が分割されておらず、複数の相続人が共同で相続している状態のことです。通常、相続が発生したら、遺言が書かれていればそれに従い、ない場合は誰がどれをどの程度相続するか話し合いで決めることになりますが、これが行われていない状態を指します。共同相続の対象となっている人が共同相続人です。

なぜ共同相続になってしまうのか?

共同相続になってしまう大きな理由は、遺産の分割がうまく進まないことにあります。

具体的な分割の割合などについては、法定相続分を基準に共同相続人で話し合いをして決めなければなりません。しかし、お互いの予定が合わない、時間がない、分割の内容に同意できないなどの理由で話が進まないケースがあります。すると、共同相続になってしまうのです。

共同相続はトラブルの元になる

共同相続は何かとトラブルにつながりやすい状態です。以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

トラブル1  何をするにしても自分1人で決められない

相続した遺産を売却・処分しようと考えた際、共同相続になっている場合は、相続人全員の許可をもらわなければなりません。他にも、相続した不動産の入居者を募集するなど、契約に関する行為は持分の過半数以上にあたる許可が必要です。

特に、大きな資産である不動産を共同相続するケースがあります。しかし、相続したばかりの時期は親族で仲が良かったものの、途中で関係性が悪化し、衝突してしまう可能性もゼロではありません。そのような状態になった際、協議で話をまとめるのは非常に難しくなります。とり急ぎ、共有で相続するケースでも結局登記されている名義人全員の許可を得なければ売却などの手続きを行うことができません。他にも現物の金なども共同相続となってしまうことで、合意が無ければ売却することができず、扱いに困るケースが多いです。

被相続人が亡くなったあとに、単独所有に名義変更がされなければ、それぞれの主張がかみ合わず、何もできないという状態になりやすく、負の財産となる可能性が高くなります。

トラブル2 持分が細分化される

共同相続の状態で共同相続人がなくなった場合、それを相続する際に持分が細分化されてしまいます。誰がどの範囲までの持分になっているのかがわからないと、管理や売却・処分などに関する意思の確認や一致が困難になります。

トラブル3 預金の払戻に時間がかかる

相続が発生した場合、被相続人の預金口座は遺産分割終了まで凍結されることになります。そのため、共同相続の形となり、なかなか遺産分割について話が進まないとそれだけ凍結の解除が遠くなってしまうのです。

共同相続人全員の署名や印鑑証明を用意して申請すれば、共同相続の段階でも払戻が可能ですが、時間と手間がかかります。

共同相続を避ける方法

上記のように問題の多い共同相続を避けるために最も有効な方法はお元気な間に遺言を書いておくことです。土地・建物、預貯金、株式など保有財産の一覧を作成し、各相続人の取得割合を明確に示した遺言書を作成しておくことで、相続人間で話し合いをする必要なくなりますので、多くの場合トラブルを避けることができます。また、方針が変われば遺言書の内容は何度でも変更できますので、現時点での考えを形にしておくことが重要です。

ただし、配偶者と子には遺留分がありますので、注意しましょう。遺留分を侵害してしまうと、遺留分侵害額の請求があった場合、結果的に遺言通りにはならず、話し合いをする必要が出るリスクがあります。遺留分を侵害する遺言をあることで、かえってトラブルが生じる場合もあります。

遺言書を作成する際は、公正証書で作成する方が良いでしょう。費用はかかりますが、公正証書で作成することで、確実に法律上有効な遺言を遺せる制度となっています。法律の知識がない方でも公証人がアドバイスをしてくれますので安心してください。

遺産が基礎控除を超える場合は相続税の申告義務があります。

相続税の申告期限は相続発生から10ヶ月と短いですが、遺言書を作成しておくことで、財産の調査と配分の協議を省略することができますので、早く手続きを進めることが可能です。遺言書があった場合には、遺された家族の負担は大きく減るため、作成しておくメリットは大きいです。

作成方法が分からない場合は、弁護士や税理士、司法書士などの第三者に作成を依頼してもよいでしょう。

できる限り早めに共同相続解消するのがおすすめ

いかがでしたか?
今回は、遺産の相続や分割でトラブルになりやすい共同相続についてご紹介しました。
遺産相続に関するトラブルを避けるには何に注意すれば良いかがご理解いただけたかと思います。ただ、ケースによってはなかなか共同相続の状態を解消できないことも多いです。

特に不動産など、分割できない相続財産は、できるだけ、単独で相続するようにしましょう。他の相続人に相続放棄をしてもらうことが難しい場合は、現金で代償するなど検討してみてもよいでしょう。

早く円満な遺産分割をするためには専門家の力が必要なこともあります。共同相続解消がうまくいかないでいるのであれば、税理士を頼ってみてはいかがでしょうか。初回の相談はサービスで行ってくれる税理士も多くいますので、気軽に相談してみるとよいでしょう。

税理士も専門分野がありますので、税理士に依頼する場合は、法人税などを専門にしている税理士ではなく、相続税や贈与税に強い税理士に依頼するようにしましょう。税理士法人のサイトなどで、代表者の経歴や申告の実績などで確認すると良いでしょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい