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前妻の子の居場所が分からない場合どうしたらいい?

2025年02月02日

相続が発生すると法定相続人全員で話し合いを行い、相続財産の配分を決める必要があります。しかし、前妻の子供など疎遠となっており、連絡先が分からない場合、遺産分割の協議ができず、遺産相続の手続きを進めることができません。

当記事では前妻の子どもと連絡が取れない場合の進め方の注意点や対処法についてポイントをおさえて解説します。

前妻の子の相続分

離婚した前妻との間に生まれた子と再婚した後妻の子は戸籍の関係上は同じ親子関係であり、相続人として親から財産を引き継ぐ法律上の権利は全く同じです。そのため、被相続人の子として、財産を受け取ることが認められている権利があり、本人が相続放棄をしない限り、相続権をもつ者として遺産分割協議に参加してもらう必要があります。

実際に遺言書がない場合、法定相続分通りとなり同じ割合で遺産を分割することを基準に話し合いを行うことになりますが、前妻の子と後妻の子は別に暮らした兄弟姉妹であり主張やそれぞれの家族の考え方があわず、双方が納得できず協力を得られずにトラブルになり進められない事例も多いです。特に人数が多い場合や生前贈与や生命保険により遺産以外に取得した特別受益がある場合は要注意です。

また、遺留分もあるため、遺言書に遺産を遺さないと記載されていても遺留分を侵害された分を請求すれば、財産を受け取ることができます。

トラブルを避けるための事前の対策

前の妻の子と後妻の子がいる場合、遺産を巡ってトラブルになるリスクが高いため、自身の財産の分け方について生前に対策を打っておくことが重要です。最も有効な手段は遺言を作成しておくことでしょう。前妻の子には最低限の財産を取得する制度である遺留分の権利がありますので、全く財産を遺さないということはできませんが、不動産を遺す人を明確にしておくなど財産の内容と配分の方針を示しておくことで、問題が解決できる可能性が高いです。遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言は気軽に書くことができますが、相続発生後に家庭裁判所での検認が必要となり、形式不備などで無効になる場合があります。公正証書遺言は費用はかかりますが、公証役場で作成したことが証明されることで法律上有効な遺言となりますので、考えたことを実現するために公正証書遺言を利用することをおすすめします。

また、相続人が長い間連絡を取れず、それが理由で手続きが進まないケースが多いので、前妻に連絡をとり、連絡先を確認しておくほうがよいでしょう。

また、遺言には執行者を指定しておくとよいでしょう。執行者とは遺言書通りに遺産を配分する手続きをする人のことで執行者は司法書士や税理士に依頼することも可能です。財産が多く相続税がかかりそうな場合は税理士に執行と申告を依頼することでかなりスムーズに手続きを進めることができます。

前妻の子を調査する方法

相続が発生し、前妻の子の居場所がわからない場合、相続手続きに必要な亡くなった父親の戸籍を辿って調べることで前妻の子の戸籍謄本と戸籍の附票を取得することが可能です。

戸籍謄本には本籍地しか記載されていませんが、戸籍の附票には住民票に記載されている現在の住所が書かれていますので、現時点の居場所を確認し、手紙を書くことは可能です。どうしても現住所に手紙を送っても連絡がとれず、手続きを進めることができない場合はまずは連絡先を記載し手紙を送り、反応がない場合は弁護士に相談し、手続きに必要な書類などを送るようにしましょう。もちろん自分で交渉することも可能ですが、本人同士が話し合いをすることで理解を得られずかえってトラブルに発展することも多いため、第三者から伝えることも重要です。

相続のお困りごとは専門家に相談を

相続に関するお悩みは多種多様で、あらゆる知識と経験と最新の情報が必要になります。自分で手続きをすることが不安な場合は費用はかかりますが、専門家にサポートを依頼した方が良いでしょう。

また、相続発生時点の預貯金や土地・建物などの財産をまとめて一覧にし、評価額の合計を計算した結果、基礎控除以下であれば相続税の心配は必要ありませんが、基礎控除を超える場合は必ず相続税の申告が必要となります。

相続税の申告期限は被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内と短く、複雑な事情があり時間がかかる場合など期間内に自分で手続きを進めることは簡単ではありません。短い期間で完了させるために早めに準備し、専門家に依頼することが重要です。

知り合いに紹介してもらうことが難しい場合は、ホームページで検索し、相続手続きを中心に行っている税理士や司法書士などに連絡をとってみるとよいでしょう。

広島相続税相談テラスでは実績豊富な税理士がサポートいたします。相続手続きや相続税、名義変更の手続き等でお困りごとがある場合はぜひ広島相続税相談テラスにご相談ください。初回の相談は無料で対応しておりますので、まずは電話やメールなどでお気軽にご連絡ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい