相続が発生し、預貯金や土地・建物などの相続財産の合計額が基礎控除を超える場合は相続税の申告が必要となります。相続税の申告を行うためにはさまざまな財産の評価が必要となります。
では為替変動によって刻々と日本円換算の価格が変動する米ドルなど外貨預金など外貨建て商品はどのように評価を行えばよいのでしょうか。当記事では外貨預金の評価方法について解説します。
外貨預金の評価方法
外貨預金は以下のように3つの取引相場があります。
TTM:金融機関が顧客と外国為替取引を行う時の基準相場。TTBとTTSの仲値。
TTB:金融機関が外貨を購入(顧客が外貨を売る)するときの相場。手数料分が差し引かれた金額となる。
TTS:金融移管が外貨を売る(顧客が外貨を買う)ときの相場。手数料分が上乗せされた金額となる。
各金融機関は3つの取引相場について情報を更新しており、相続税の計算は相続開始日における最終のTTBレートで計算を行います。被相続人が死亡した日が祝日などにより相続発生日の為替レートがない場合は前日の為替相場を使います。
外貨預金がある場合の注意点
外貨預金がある時にはどのように注意をすればよいのでしょうか。外貨預金を相続により取得する際の注意点について解説します。
海外の金融機関に預けているものも対象
海外の金融機関に預けている外貨預金も日本の相続税の課税対象財産となります。一時的に海外に勤務している場合やリタイア後に海外に移住しているケース等で海外の銀行に預けている場合、実際に申告漏れとなる事例が多いので注意しましょう。
TTBは取引き金融機関によって異なる
相続税の計算で利用するTTBは取り扱い金融機関によって価格が異なります。そのため、複数の金融機関で外貨預金を預けていた場合、各金融機関に相続発生時点のTTBを確認する必要があります。
相続税の申告は税理士に相談を
相続税の申告を行うために預貯金、株式、不動産、などあらゆる資産の評価額を確認する必要があります。相続が発生するとまずは財産の一覧を作ることが重要です。
相続税評価額は時価とは必ずしも一致しないことも多く、税務の知識がないとなかなか難しいものです。
また、相続税の申告期限は被相続人が亡くなってから10ヶ月と短く、10ヶ月以内に実際に支払う税金を計算し、税務署に提出する添付書類も準備する必要があります。しかし、相続は何度も経験するものではありませんので、慣れていないのは当然で、自分で行うことは難しいケースも多いでしょう。相続税の申告だけでなく、不動産の登記や年金の手続きなど各種手続きがありますので自分で手続きをすることが難しい場合は、税務の専門家である税理士に依頼することをおすすめします。
相続についてはいつ起こるかわからないので事前の準備も重要です。事前に準備をしておくことで、節税対策や分け方のプランもじっくりと検討し遺言を作成することも可能ですので家族の負担も減らすことができます。
広島相続税相談テラスでは相続発生後の申告手続きや、相続発生前のシミュレーションを行うことが可能です。初回の相談は無料で対応しておりますので、お悩みや疑問点がある方はお気軽に電話やメール等でご連絡ください。