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相続税には連帯納付義務がある?税理士が解説します!

2024年06月30日

相続が発生し、相続税を納める必要がある場合、各相続人が、取得した財産に応じて納付する義務があります。

しかし、相続税を納めることができない相続人がいる場合、税務署はどのような対応をするのでしょうか。当記事では相続税を支払うことができない相続人がいる場合の連帯納付義務の概要や実際に起こりやすい事例についてポイントをおさえて解説します。

連帯納付義務とは

連帯納付義務とは相続人のうち、相続人や遺言により財産を取得することになった相続人が連帯して相続税を納付する義務のことをいいます。相続税はまず総額を求め、各相続人に按分する形で財産を配分します。

相続税は相続発生後、原則10ヶ月以内に申告及び相続税の現金一括納付を完了させる納税義務があります。相続税を支払わない者がいる場合は税務署は本人に督促を行いますが、それでも本人が支払わない場合は連帯納付義務に基づいて他の人に通知を行い、請求がいくことになります。

連帯納付義務が生じやすいケース

連帯納付義務が生じるケースはどのような事例があるのでしょうか。具体的に確認していきましょう。

不動産を多く引き継いだケース

特定の相続人が納税資金不足に陥るケースで最も多いのが不動産を引き継いだケースです。土地・建物等の不動産を引き継いだ場合、財産として相続税の計算には含まれるものの、現金を受け取っているわけではありませんので、現金で税金を払えず、未納となるケースがあります。

東京、名古屋、大阪など都心にあるアクセスの良い不動産であれば、すぐに売却することも可能ですが道路付けが悪かったり、駅から遠かったりするとすぐに売却して資金化することができず、金融機関から土地を担保にお金を借りることが困難なケースもあります。

遺産分割が完了しないまま、納税期限が到来した場合

相続税は、相続税の総額を求め、各相続人の取得割合に応じて按分で負担しますが、遺産分割でトラブルが発生して協議が難航したた場合、各相続人の負担するべき税額が確定しません。被相続人が遺言を遺しておらず、相続人同士で揉めた場合、弁護士を通じた話し合いとなるケースも多く、解決まで相続発生から時間がかかるケースも多くあります。

財産が未分割であっても、相続税については期限内に支払う必要がありますので、法定相続割合で分けたものと仮定して相続税を納める必要があります。しかし、実際にはまだ遺産を受けていないことや小規模宅地の特例や配偶者控除などの各種特例を利用して、納税額を軽減できない状態で相続税を納税することになりますので、負担も大きくなります。

財産が未分割の場合は延滞するケースが多く、他の相続人に連帯納付義務が生じるケースが多くあります。

相続税のお悩みは税理士に相談を

相続税について不明な点やお悩みがある場合は、税の専門家である税理士に相談するようにしましょう。相続税の計算をする際は、まずは財産を一覧にし、各財産の評価を行います。

相続税は人生で何度も経験するものではありませんので、知識がないことも当然で、流れがわからず、何から対応していいかわからないという方も多いでしょう。自分で申告を行って、万が一誤った申告をすると税務調査で指摘を受け、加算税を請求される可能性もあります。

税理士に申告を依頼すると費用がかかりますが、初回の相談はサービスで無料で応じてくれるケースが多いので、まずは電話やメールで気軽に相談し、見積もりを依頼するとよいでしょう。

相続税の申告を依頼する場合は、相続税や相続税と関係の深い贈与税の申告を専門に扱っており、実績がある税理士事務所・税理士法人にサポートを依頼することで安心して手続きを進めることができます。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい