相続税には期限があり、期限内に申告を完了しないとペナルティが課されることもあります。
相続税はいつ払うのか【結論から解説】
相続税は、被相続人が亡くなった日(相続開始日)から10か月以内に、
申告と納付の両方を完了させる必要があります。
「遺産分割が終わってから」「お金の準備ができてから」ではありません。
期限は法律で決まっており、延ばすことは原則できません。
相続税の支払期限は「相続開始から10か月以内」
相続税の申告・納付期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
ほとんどの場合、「亡くなった日=相続開始日」となります。
例
-
相続開始日:4月15日
-
申告・納付期限:翌年2月15日
この期限までに、税務署へ申告書を提出し、相続税を支払う必要があります。
申告と納付は同じ期限までに行う必要がある
相続税では、
は同一です。
「とりあえず申告だけして、支払いは後で」ということは原則できません。
期限までに税額を確定し、実際に納付まで終えている状態が求められます。
「10か月」の起算日はいつから数える?
10か月の起算日は、原則として
**被相続人が亡くなった日(相続開始日)**です。
ただし、次のような例外もあります。
-
死亡を知った日が遅れた場合
-
行方不明者の失踪宣告があった場合
このようなケースでは起算日が変わることがあり、
判断を誤ると期限超過になるため、早めの確認が重要です。
相続税の支払いまでの全体スケジュール
相続税は、突然「10か月後に払ってください」と言われるわけではありません。
相続開始後から段階的に準備を進める必要があります。
相続発生から相続税納付までの流れ
一般的な流れは次のとおりです。
-
被相続人の死亡(相続開始)
-
相続人の確定(戸籍収集)
-
相続財産の調査・評価
-
遺産分割協議
-
相続税の計算
-
相続税申告書の提出
-
相続税の納付
この一連の流れを10か月以内に行う必要があります。
相続開始から10か月間にやるべきこと一覧
目安として、次のように進めると無理がありません。
-
1〜3か月目
相続人の確定、財産調査の開始
-
4〜6か月目
財産評価、遺産分割の検討
-
7〜9か月目
相続税の計算、申告書作成
-
10か月目
申告・納付を完了
後半に作業を集中させると、期限に間に合わなくなるリスクが高くなります。
申告期限直前に慌てないためのポイント
-
財産の全体像を早めに把握する
-
不動産や非上場株式は評価に時間がかかる
-
遺産分割がまとまらないケースも多い
「まだ時間がある」と思っていると、
期限直前に手続きが間に合わないという事態になりがちです。
相続税を支払う具体的なタイミングと方法
相続税は、申告期限までに実際にお金を支払う必要があります。
相続税は原則「一括で現金納付」
相続税の納付は、原則として一括・現金納付です。
分割払いが自動的に認められるわけではありません。
そのため、相続税がかかりそうな場合は、
納税資金をどう準備するかを早めに考える必要があります。
どこで・どのように支払うのか
相続税は、以下の方法で納付できます。
-
金融機関の窓口
-
税務署の窓口
-
コンビニ納付(30万円以下の場合のみ)
-
クレジットカード納付
-
インターネットバンキング
納付先は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
納付書はいつ届く?自分で用意する?
相続税の納付書は、自動的には送られてきません。
必要に応じて、
-
税務署で受け取る
-
国税庁サイトから様式を利用する
-
税理士に依頼して作成してもらう
といった対応が必要です。
「納付書が届かないから払えなかった」は理由にならないため注意が必要です。
相続税を期限までに払えない場合はどうなる?
期限を過ぎると発生する延滞税・加算税
相続税の期限を過ぎると、
延滞税や加算税といったペナルティが発生します。
税務署からの通知や督促の流れ
期限後すぐに強制執行されるわけではありません。まず、督促状が届きます。督促状を無視した場合、税務署からの通知があり、財産調査や差し押さえが行われます。
放置するとどうなる?最悪のケース
放置を続けると、
-
預金口座の差押え
-
不動産の差押え
-
社会的信用の低下
といった深刻な事態になる可能性があります。
「払えないから放置する」のが、最も避けるべき対応です。
相続税を期限内に払えないときの対処法
相続税は原則として期限内に一括納付が必要ですが、
どうしても期限内に払えない事情がある場合には、法律で認められた救済制度があります。
重要なのは、「払えないから放置する」のではなく、期限前に行動することです。
延納(分割払い)が認められるケース
延納とは、相続税を一定期間に分けて支払う制度です。
次のような要件を満たす場合に認められます。
-
納付すべき相続税額が10万円を超えている
-
一括での金銭納付が困難である
-
申告期限までに申請を行う
-
原則として担保を提供できる
延納は自動的に認められるものではなく、
申請し、税務署の許可を受ける必要があります。
物納が認められるケースと注意点
物納とは、現金の代わりに
不動産や有価証券などで相続税を納める制度です。
ただし、物納は以下の点でハードルが高い制度です。
-
延納でも支払いが困難であること
-
物納できる財産の種類・優先順位が厳格
-
管理処分不適格財産は認められない
「不動産があるから物納すればいい」と安易に考えると、
申請が通らず期限超過になるリスクがあります。
相続税を払うためにやってはいけない行動
相続税が払えないときに、次の行動は避けるべきです。
-
何もしないまま期限を過ぎる
-
税務署に連絡せず放置する
-
名義だけを動かして対応しようとする
これらは状況を悪化させるだけで、
延滞税・加算税・差押えにつながる可能性があります。
相続税の支払時期でよくある勘違い
相続税については、誤解が非常に多く見られます。
相続税は「遺産分割が終わってから払う」は誤解
遺産分割が終わっていなくても、
相続税の申告・納付期限は延びません。
分割が未確定の場合でも、
-
法定相続分で仮計算して申告
-
後日、修正申告や更正の請求
といった対応が必要になります。
相続税がかからなくても申告が必要な場合がある
相続税がゼロでも、
申告が必要なケースがあります。
代表的なのは、配偶者の税額軽減を使う場合、小規模宅地等の特例を使う場合
これらは「申告が前提」の特例のため、特例を利用することで相続税が0になる場合は、申告する義務があります。
相続放棄をしても注意が必要なケース
相続放棄をすれば相続税はかかりませんが、放棄の手続き前に財産を処分していた場合など、相続放棄ができず、相続税の問題が残る可能性があります。
また、相続放棄をしてもみなし相続財産である生命保険の受取人になっていた場合は相続税がかかる場合があります。
相続税の支払いで失敗しないためのポイント
相続税トラブルの多くは、
「知らなかった」「準備が遅れた」ことが原因です。
早めに財産を把握する重要性
相続税の計算は、
財産の把握がすべての出発点です。
これらを早めに洗い出すことで、
納税額や資金不足の有無が見えてきます。
相続税の資金準備はいつから考えるべき?
理想は、相続発生直後です。
-
相続税がかかりそうか
-
現金で払えるか
-
延納・物納が必要か
これらを早めに検討することで、
無理のない選択ができます。
専門家に相談すべきタイミング
次のような場合は、早めの相談をおすすめします。
-
相続税がかかりそう
-
不動産が多い
-
納税資金に不安がある
-
相続人同士の調整が難しい
期限ギリギリでは、選択肢が狭まります。
相続税はいつ払う?よくある質問(FAQ)
相続税はいつまでに払えば間に合いますか?
原則として、
相続開始を知った日の翌日から10か月以内に
申告・納付を完了する必要があります。
相続税の支払いを待ってもらうことはできますか?
原則として待ってもらうことはできませんが、
条件を満たせば延納や物納が認められる場合があります。
相続税が払えない場合、まず何をすべきですか?
まずは、
-
納税額を正確に把握する
-
期限を確認する
-
税務署または専門家に相談する
「放置しないこと」が最も重要です。
まとめ|相続税の支払時期を正しく理解して早めに準備を
相続税は、
相続開始から10か月以内に申告・納付という明確なルールがあります。
-
払えない場合の制度はある
-
ただし、期限前の対応が必須
-
早めの準備と相談がトラブル防止につながる
不安がある場合は、
早い段階で専門家に相談することが、結果的に最も安心な選択です。
広島相続税相談テラスでは、初回の相談無料で相続に関するあらゆるお悩みに対応しております。相続についてお困りのことがある場合は、お気軽にご相談ください。