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相続税申告、税理士に頼むべきタイミングと判断基準まとめ

2025年12月31日

目次

相続税で税理士に頼むべき人・不要な人

相続税申告では、遺産分割の内容がそのまま相続税の計算や納税額に直結します。
遺産分割協議書をどのように作成し、誰がどの財産を取得するかによって、各相続人が負担する相続税の金額は大きく変わります。

特に、不動産や多額の預貯金が含まれる場合、
「とりあえず均等に分ける」「話し合いだけで遺産分割を行う」といった判断をすると、
結果として納税資金が不足し、スムーズな納税ができなくなるケースも少なくありません。

このような場合は、遺産分割と相続税申告を一体で考えられる税理士の関与が重要になります。

税理士に頼んだ方がよい人の特徴

次のような方は、税理士に依頼するメリットが大きいと言えます。

  • 相続財産に不動産が含まれている

  • 遺産総額が基礎控除を超えそう

  • 相続人が複数いて、関係性が複雑

  • 生前贈与・名義預金・名義保険がある

  • 税務調査のリスクをできるだけ避けたい

相続税は「自己判断による申告ミス」が後から問題になりやすい税金です。
少しでも不安要素がある場合は、税理士に任せた方が安心です。

税理士に頼まなくても対応できる人の特徴

一方で、次のようなケースでは自分で申告できる可能性もあります。

  • 相続財産が現金・預金のみ

  • 財産総額が明らかに基礎控除以下

  • 相続人が1人または関係が単純

  • 生前贈与や名義の問題が一切ない

ただし、これらに当てはまっていても「本当に大丈夫か」を一度確認する意味で、初回相談だけ利用する方も少なくありません。

「迷ったら相談すべき」境界ラインとは

判断に迷う場合の一つの目安は、

「自分で説明できない論点が1つでもあるかどうか」

です。

  • この財産は相続税の対象になるのか

  • 評価額はどうやって計算するのか

  • 特例は使えるのか

こうした疑問が出た時点で、税理士に相談する価値は十分あります。

相続税申告で税理士に頼む主なタイミング

遺産の全体像が見えた段階では、
単に相続税がかかるかどうかだけでなく、

  • どのような遺産分割を行えばよいか

  • 各相続人の納税額はいくらになるのか

  • 預貯金だけで納税できるか、それとも不動産の活用が必要か

といった点まで確認することが大切です。

この段階で税理士に相談すれば、
遺産分割の方向性と相続税額を同時に整理でき、
申告から納税までをスムーズに進めることができます。

被相続人が亡くなった直後に相談すべきケース

次のような場合は、早期相談が有効です。

  • 不動産が複数ある

  • 相続人同士で意見が割れている

  • 生前対策の内容が把握できていない

早い段階で全体像を整理することで、無駄なトラブルを防げます。

遺産の全体像が見えた段階で相談するケース

預金調査や不動産の洗い出しが終わり、
「だいたいどれくらいの財産か分かってきた」段階も良いタイミングです。

この時点で税理士に相談すると、

  • 相続税がかかるかどうか

  • 申告が必要かどうか

を明確に判断してもらえます。

税がかかりそうだと分かった時点

基礎控除を超えそうだと感じたら、できるだけ早く相談すべきです。
申告直前になるほど、節税の選択肢は限られていきます。

申告期限(10か月)を意識し始めた時

相続税の申告期限は「死亡から10か月以内」です。
残り期間が少なくなってから慌てて依頼すると、費用が高くなるケースもあります。

税務署から「おたずね」が届いた時

税務署からの文書は、チェック対象に入ったサインであることもあります。
この段階では、速やかに税理士へ相談することをおすすめします。

税理士に頼むかどうかを判断する5つの基準

遺産分割と納税資金のバランスを考える必要があるか

相続税は「財産を取得した人」が納税します。
そのため、遺産分割の結果、

  • 不動産ばかり取得してしまい現金がない

  • 預貯金の取得額に対して納税額が重い

といった状態になると、納税のために新たな資金調達が必要になることもあります。

税理士が関与することで、
納税まで見据えた遺産分割を行うことが可能になります。

遺産総額が基礎控除を超えるかどうか

基礎控除
3,000万円+600万円×法定相続人の数

これを超える場合、相続税申告が必要です。

不動産が含まれているか

不動産評価は非常に専門的で、

  • 路線価

  • 補正率

  • 特例の適用可否

など、自己判断はリスクが高い分野です。

相続人の人数・関係性が複雑か

  • 再婚家庭

  • 代襲相続

  • 相続放棄者がいる

こうしたケースでは、申告内容にも影響します。

生前贈与・名義預金・名義保険があるか

これらは税務署が特に注目するポイントです。
申告漏れは追徴課税につながりやすいため、専門家の関与が重要です。

将来の税務調査リスクを避けたいか

税理士が関与した申告は、税務署側も一定の信頼を置きます。
精神的な安心感も含めて判断材料にすべきです。

税理士に頼まないで申告した場合のメリット・デメリット

自分で申告するメリット(費用・スピード)

  • 税理士費用がかからない

  • 書類が揃っていれば早く提出できる

自分で申告するリスク(計算ミス・特例漏れ)

  • 自分で相続税申告を行う場合、
    申告書の作成そのものよりも、次の点でつまずく方が多いです。

    • 遺産分割の内容と相続税額の関係が分からない

    • 各相続人の納税額を正確に把握できない

    • 預貯金の分配と納税時期のズレに対応できない

    結果として、「申告は終わったが、納税がスムーズにできない」という事態に陥ることもあります。

後から税理士に頼むとどうなるのか

修正申告や調査対応は、
最初から依頼するより手間も費用もかかるのが一般的です。

税理士に頼んだ場合のメリット・注意点

相続税額が適正に下がる可能性

評価の見直しや特例適用により、結果的に税額が下がるケースもあります。

税務調査への備えができる

調査が入っても、税理士が窓口になるため精神的負担が軽減されます。

相続人間トラブルの予防につながる

第三者が関与することで、感情的な対立を防ぎやすくなります。

「相続専門税理士」を選ぶ重要性

相続税は、法人税や所得税とは全く別分野です。
相続専門・実績重視で選ぶことが重要です。

よくある誤解:このケースでも税理士は必要?

「うちは財産が少ないから大丈夫」という誤解

不動産があるだけで、評価次第では課税対象になることがあります。

「不動産は自宅だけだから簡単」という誤解

自宅こそ、特例適用や評価調整が重要なポイントです。

「ネットやソフトで申告できるから安心」という誤解

ツールは計算補助に過ぎず、判断責任は本人にあります。

税理士に相談するベストなタイミングと相談時の準備

無料相談を活用すべきタイミング

  • 相続税がかかるか分からない

  • 自分でやるか迷っている

この段階での相談が最も効果的です。

相談前に整理しておくべき資料一覧

  • 預金通帳

  • 不動産の固定資産税評価証明書

  • 保険証券

  • 相続人関係図

初回相談で必ず確認すべきポイント

  • 税理士報酬の目安

  • 対応範囲

  • 税務調査時の対応可否

司法書士・不動産・FPと連携した方がよいケース

相続登記と相続税申告が同時に必要な場合

登記と税務を別々に考えると、手戻りが発生しがちです。

不動産売却や換価分割を検討している場合

税金・登記・売却を一体で考える必要があります。

二次相続まで見据えた対策が必要な場合

目先の税額だけでなく、将来の負担を考えることが重要です。

「早めの判断」が相続税トラブルを防ぐ

迷ったら「申告前」に相談することが重要

相続税は、事前判断が結果を大きく左右します。

相続税は「あとから修正」が難しい税金

修正は可能でも、精神的・金銭的負担は大きくなります。

税理士への依頼は「保険」と考える

費用以上の安心を得られるケースは少なくありません。

相続税申告は、単に税額を計算して申告書を作成すれば終わりではありません。
遺産分割 → 相続税額の確定 → 納税という一連の流れを、無理なくスムーズに進めることが重要です。

特に、預貯金の金額や取得配分によっては、
遺産分割の段階で判断を誤ると、後から修正が難しくなります。

その意味で、税理士への依頼は
「申告書作成の代行」ではなく、
遺産分割と納税を含めた全体設計のサポートと考えると分かりやすいでしょう。

 

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい