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外貨預金を相続した場合の計算方法は?

2024年03月25日

相続が発生すると、相続人はすべての財産を合計して、相続税の計算を行う必要があります。相続財産には預貯金や株式、投資信託、外貨預金、生命保険の保険金などの金融資産や不動産、金などの現物資産も含まれます。

近年は金融商品も多彩になっており、インターネットで情報を得やすくなっていますので、外貨預金など外貨建ての資産を保有する人も増えています。また、最近の円安により、預入時期によっては大きく含み益がでている状態になっている人も多いでしょう。

一方で外貨建て資産を持つことで、相続税の計算や所得税の計算が複雑になると不安になっている人も多いのではないでしょうか。

当記事では、相続発生時の外貨預金等の所得税や相続税評価の概要について解説していきます。

為替差益にかかる所得税

外貨預金は為替相場によって円換算の元本が変動します。米ドルの預金があった場合、預入時よりもドル円で円安になった時は日本円に換算すると資産が増えることになります。一方で円高になった例では為替差損が生じます。

預入時から、円安となり、評価額が値上がりした状態で売却した場合、発生した利益部分に対しては雑所得となりますので注意が必要です。

預入時から相続開始時までの利益については被相続人の利益となりますので、利益が出ている場合は被相続人の雑所得として死亡後4カ月以内に、準確定申告を行う必要があります。相続発生後に相続人が取得してから円安となった状態で円転した場合は、相続人の雑所得として税金がかかるため、確定申告が必要となります。

外貨預金の相続税評価

外貨預金も当然、相続税の課税対象となりますので、評価額を確認する必要があります。公表されている外貨と円を交換するための取引相場は以下の3つのレートがあります。

①TTS(対顧客電信売相場):金融機関が外貨を売る時の相場
②TTM(対顧客電信相場仲値):市場価格
③TTB(対顧客電信買相場):金融機関が外貨を買う時の相場

3つの価格のうち、相続税評価をする際はTTBを使います。TTBは金融機関が外貨を買う時の為替レートですので、顧客が外貨を売る時の相場ということになります。相続税評価は顧客が外貨を売却し、円を購入する際の評価額で行う必要があるので、TTBを使って計算すると覚えておくとよいでしょう。

疑問点がある場合は税理士に確認を

相続が発生したら、まずは課税の対象となる遺産を調査し、一覧にまとめるとよいでしょう。相続税の申告および納税のために、10ヶ月以内に相続発生時点の評価額を確認し税金の計算を行ったうえで、税務署に提出する必要があります。

しかし、金融機関の名義変更や不動産の登記などさまざまな手続きを行いながら、課税対象の財産の評価を行い、相続税を計算することは簡単なことではありません。誤った申告をすると税務調査を受ける可能性もあります。不動産の数が多い場合や評価の方法が分からないケース、相続税の計算をすることが難しい場合は、税務の専門家である税理士に相談するようにしましょう。

税理士に相談する際は相続税や贈与税に詳しい税理士に依頼することが重要です。普段から業務として行っており、申告実績が豊富な税理士事務所・税理士法人に依頼するようにしましょう。

また、相続発生前に相続税のシミュレーションを税理士に依頼することで、現状を把握し、節税の対策を打つことができるケースもあります。生前に相続税に強い税理士に依頼することで、相続発生後も安心して手続きを任せることができますので、まずは気軽に電話などで相談をしてみるとよいでしょう。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい