被相続人が亡くなった際に病院に入院などで治療を受けており医療費がかかるということは多いでしょう。医療費がある場合、相続税や所得税の節税ができることをご存知でしょうか。
当記事では医療費がある場合の取り扱いや注意点について解説します。
未払いの医療費は債務として財産から差し引くことができる
被相続人が亡くなった際に病院などにかかっており、医療費が未払いの場合、未払金は相続人が負担する必要があるため、葬式代などと同じく債務としてマイナスの財産とみなすことができ、税金の計算上も未払いの額を差し引くことができます。
例えば1億円のプラスの財産があり100万円の未払いの医療費がある場合は、9,900万円の積極財産があるものとして相続税の計算を行います。
相続税の申告の際の対策として有効なことはプラスの財産とマイナスの財産をしっかりと把握することです。医療費として支払う分については領収書を残しておき、後で確認できるようにしておき申告の際に漏れないようにしましょう。
所得がある場合、医療費控除も可能
所得がある者が亡くなった場合、被相続人が死亡した翌日から4ヶ月以内に遺された家族が準確定申告を行う必要があります。
被相続人が存命で通常通り確定申告をしていた場合、入院費などで支払った金額は医療費控除の対象の範囲として所得から控除することができ、所得税の節税になります。相続が発生した場合でも医療費は生前に得た所得から控除を受けることができますので、忘れないように対応しましょう。
判断に迷う場合は税理士に相談を
医療費の中にも差額のベット代の費用等、病院に支払う費用のなかでも医療費に含められる部分と含められない部分があります。
基準があいまいなものもありますので、判断に迷う場合もあるでしょう。相続財産が基礎控除を超える場合、相続税の申告は相続開始から10ヶ月と短い期間で対応する義務がありますので、知識がない人や忙しい人などが自分で期限内に行うことが難しいという事例も多くあります。
誤った税額で申告の手続きと納税をした場合、税務署から税務調査で指摘され、加算税を請求される可能性がありますので判断に迷う場合は自分で判断せず、申告書を提出する前に税務の専門家である税理士に相談し、サポートを依頼するようにしましょう。
税理士に書類の作成も依頼する場合は、不動産の評価や生命保険の死亡保険金の非課税枠の利用、小規模宅地の特例の適用などもスムーズに行ってくれるため、相続や贈与など事業・財産の承継を専門に扱っている税理士事務所・税理士法人に依頼することをおすすめします。まずは相談したい内容を電話やメールなどでお伝えし、費用等について確認するとよいでしょう。