相続が発生すると法定相続人全員で相談のうえ遺産分割を行うことになります。しかし、親族の中には疎遠で顔も知らない相続人がいることもあるでしょう。
相続人と連絡が取れないと、不動産の登記や金融機関の名義変更などの対応を行うことができません。顔も知らない相続人がいる場合どのように対処すればよいのでしょうか。当記事では具体的な対処方法について解説します。
疎遠な相続人がいる事例の対応方法
疎遠な相続人がいる場合、どのように対応したらよいのでしょうか。生前と相続発生後に分けて解説します。
生前の対応方法
相続人同士が疎遠で連絡も取れない状況の場合は遺言書を作成し、遺産の分割方法を明確にしておくことが重要です。知らない者同士で連絡をとり、遺産分割の協議をすることは非常に困難です。生前に遺言を書いて、話し合いをしなくても相続財産をわけられるようにしておく方が良いでしょう。
ただし、相続人の中に遺留分を持つ人がいるケースでは注意が必要です。離婚した前妻との間の子と後妻との間の子がいる場合や婚外子を認知したケースでは相続人同士が知らない状態で遺留分をお互いに保有することになります。遺留分を侵害する遺言を作成したとしても相続が発生した後に遺留分を請求されると、遺言どおりにわけることができません。遺留分の計算をするためには財産の評価額を調査して一覧を作成するようにしましょう。土地・建物、株式や預貯金などの金融資産、金などの現物資産等、あらゆる財産を合計して、遺留分の金額を確認する必要があります。
不備があると遺言自体が無効となってしまう可能性もありますので、遺言の内容や書き方について不安がある場合は税理士や司法書士など専門家のサポートを受けて作成するようにしましょう。
相続発生後の対応
突然相続が発生してしまい、死後に手続きを始めることも多くあります。そのようなケースで、連絡を取れない人がいる場合、自分で調査して連絡を取る必要があります。
戸籍に記載されている情報を利用して連絡をとるようにしましょう。相続が発生すると金融機関等での手続きを行うために相続人は故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍と子どもがいない場合、兄弟がいないか確認するための父や母の戸籍、相続人の戸籍を取得することができます。
戸籍の附票には相続人の住所が記載されていますので、遺産分割協議を行うため、協力してほしい旨の手紙を送り、反応を待ってみるとよいでしょう。
手紙を送っても放置されていて、丁寧に返信をお願いしても反応がない場合は弁護士に依頼して、相続放棄をするか、遺産分割を行うか交渉を行う必要があります。それでも反応がなく、手続きを進めることが困難な場合は家庭裁判所から遺産分割の調停や審判について参加を要請することになります。
相続のお悩みは専門家に相談を
遺言書の作成や相続税の申告書の提出など、相続に関する手続きは何度も行うことではありませんので、知識や経験がないのは当然のことです。特に疎遠な相続人がいる場合、相続発生後の名義変更の手続きにかなりの労力がかかることが多いです。
相続人間で問題が生じてしまうと解決まで時間がかかることが多く、事前に準備をすることが重要です。司法書士や税理士などの専門家にサポートを依頼することで費用はかかりますが、しっかりとした対応をすることができるでしょう。
広島相続税相談テラスでは相続に関するさまざまなお悩みを解決しております。初回の相談はサービスで無料で受け付けておりますので、電話やメールなどのでお気軽にご連絡ください。