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親権者が死亡した場合はどうなる?次の親権者や必要な手続きを解説

2026年09月22日

離婚後に子どもの親権者となった父または母が死亡した場合、「誰が子どもの次の親権者になるのか」「別れた父(母)が自動的に親権者になるのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、単独親権者が亡くなったからといって、他方の親や祖父母などが自動的に親権者になるわけではありません。

親権者を他方の親に変更する場合には家庭裁判所での手続きが必要です。
また、親権を行う人がいない場合には、未成年後見人が子どもの監護や財産管理を担うことがあります。
この記事では、親権者が死亡した後の親権や未成年後見制度、親権者変更の申立てなどについて解説します。

親権者が死亡した場合、子どもの親権はどうなる?

離婚後に単独で親権を行っていた親が死亡しても、もう一方の親に親権が当然に移るわけではありません。
親権者を他方の親へ変更するためには、家庭裁判所への申立てが必要です。
裁判所では、親権者が死亡した場合などに、他方の親へ親権者を変更するための手続きができます。

ただし、2026年4月1日に改正民法が施行され、離婚後も父母双方を親権者とする共同親権を選択できるようになりました。
現在は離婚後の親権について、父母双方を親権者とする場合と、一方のみを親権者とする場合があります。
共同親権の場合は、親権を移す手続きは必要ありません。
そのため、親権者が亡くなった場合には、まず現在の親権の状況や離婚時の取り決めなどを確認することが重要です。

親権者が死亡した場合の2つの対応

単独親権者の死亡によって親権を行う人がいなくなった場合、主に「他方の親への親権者変更」と「未成年後見」の2つの方法があります。
ここでは、単独の親権者が亡くなった場合の手続きを紹介します。

他方の親への親権者変更を申し立てる

離婚後に親権者となった人が死亡し、他方の親が親権を希望する場合、家庭裁判所へ親権者変更の申立てを行います。
他方の親が希望すれば必ず親権者になれるわけではありません。
親権者の変更は、子どもの利益のために必要と認められる場合に行われます。
例えば、離婚理由がモラハラやDVだった場合は望んでも親権が認められないケースもあります。
裁判所は父母と子との関係など、さまざまな事情を考慮して判断するので、過度に心配する必要はありません。
「実の親だから当然に親権が認められる」と考えるのは短絡的です。

未成年後見人を選任する

親権を行う者がいなくなった場合、未成年後見制度によって子どもを保護する方法があります。
未成年後見人は、未成年者の監護や教育を行うほか、子どもの財産を管理する役割を担います。
例えば、親の死亡によって子どもが保険金や相続財産を取得しても、未成年者自身ですべての財産管理や法律行為を行えるわけではありません。
こうした場合に未成年後見人が必要になります。

親族を候補者として申し立てることは可能ですが、その人が必ず選任されるわけではありません。
家庭裁判所の判断によって、候補者以外の弁護士や司法書士などの専門職が未成年後見人に選任されるケースもあります。

親権者変更の手続きと流れ

死亡した親権者から他方の親へ親権を変更するには、家庭裁判所で手続きを行います。
必要な手続きの内容を事前に確認しておきましょう。

親権者変更を申し立てられる人

親権者変更を申し立てることができるのは、子またはその親族です。
家庭裁判所は、親権者を変更することが子どもの利益のために必要かという観点から判断します。
現在の生活環境や父母と子の関係など、個別の事情が考慮されます。
親権者変更を希望する場合には、死亡後の子どもの生活状況などについても整理しておくとよいでしょう。

申立先と必要書類・費用

親権者が死亡した場合の親権者変更は、家庭裁判所へ申立てを行います。
申立書のほか、事情説明書などの書類が必要となり、裁判所から追加の資料提出や事情の確認を求められる場合もあります。
具体的な必要書類や費用などは申立てをする裁判所によって確認しましょう。
手続きや書類の作成についてわからない点がある場合には、弁護士などの専門家や法律事務所へ相談する方法もあります。

家庭裁判所が親権者変更を判断するポイント

親権者変更では、単に「他方の親が親権を希望している」という事情だけで判断されるわけではありません。
家庭裁判所は、父母と子との関係や父母間の関係など、一切の事情を考慮し、変更が子どもの利益のために必要かを判断します。
そのため、離婚後に他方の親と子どもがどのような関係を築いてきたのか、今後どのような環境で監護・養育できるのかなども重要になります。
個々の事例によって事情が異なるため、親権者変更が可能か一律に判断することはできません。

未成年後見人が選任される場合

親権者の死亡によって親権を行う人がいなくなった場合には、未成年後見人が必要になることがあります。
未成年後見人は、子どもの日常生活だけでなく、財産や相続などにも関わる重要な役割を担います。

未成年後見人の役割

未成年後見人には、未成年者の監護教育や財産管理などについて、親権者と同様の権利・義務があります。
子どもの財産に関する契約などの法律行為について、未成年者を代理することも役割の一つです。

例えば、亡くなった親の財産を子どもが相続した場合には、遺産分割や財産の管理などが問題になることがあります。
また、後見人自身と未成年者との利益が相反する行為をする場合には、特別代理人の選任が必要になるケースがあります。
ちなみに、利益相反とは、一方の利益になる一方で、子どもには不利益となるような関係です。

遺言で未成年後見人を指定している場合

最後に親権を行う者は、遺言によって未成年後見人を指定できる場合があります。
遺言書ですでに未成年後見人が指定されている場合、家庭裁判所に未成年後見人選任の申立てをする必要はありません。
ただし、指定によって未成年後見人になった人は、戸籍の届出を行う必要があります。また、裁判所の監督を受ける場合もあります。
ひとり親で、自身が亡くなった後に未成年の子どもを誰が支えるのか不安がある場合は、遺言による指定についてあらかじめ情報を集めておくことも大切です。

親権者が死亡した場合は早めに必要な手続きを確認しよう

単独親権者が死亡した場合、離婚した他方の親や祖父母などの親族が自動的に次の親権者になるわけではありません。
他方の親への親権者変更や、未成年後見人による対応が必要になる可能性があります。

特に親の死亡後は、子どもの生活だけでなく、相続や財産管理などの問題も発生します。
誰が子どもを監護するのか、財産を誰が管理するのかなど、状況を整理したうえで必要な手続きを開始しましょう。
親権者変更や未成年後見人の選任について判断が難しい場合には、家庭裁判所の案内を確認するほか、親権問題に知識や経験のある弁護士・弁護士法人などへ相談する方法があります。
事情に応じた解決方法を検討し、子どもの利益を第一に対応することが重要です。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい