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非上場株にも相続税はかかる?評価方法や注意点を解説

2026年06月21日

家族が非上場株を保有している場合や、会社を経営していた家族から株式を相続する予定がある方の中には、非上場株を遺産として受け継ぐケースもあります。
「非上場株にも相続税はかかるのだろうか」
「取引実績がない株式の価値はどうやって決めるのか」と悩む方も珍しくありません。

非上場株は証券取引所で売買されていないため、価値がないと思われることがあります。
しかし、相続税の計算では非上場株も相続財産として扱われるため、評価額によっては高額な相続税が発生する可能性があります。

特に中小企業のオーナーや同族会社の株主の場合、想定以上の税負担が発生するケースも決して珍しくありません。
そのため、非上場株の評価方法や相続税対策について理解しておくことがトラブル防止につながります。

本記事では、非上場株と相続税の関係や評価方法、相続時の注意点について解説します。

非上場株とは?上場株との違い

非上場株とは、証券取引所に上場していない会社の株式のことです。
上場株は市場で売買されているため、株価を確認すれば相続が発生した時点での価値が分かります。
一方で、非上場株には市場価格が存在しません。

そのため、非上場株は売却しにくく、価値が分かりにくい
しかし、相続税では市場価格がないからといって価値がゼロになるわけではありません。

むしろ業績の良い会社や資産を多く保有している会社の場合、非上場株の評価額が高くなり、相続税負担が大きくなることがあります。

会社経営者や同族会社の株主は、自社株の評価額を事前に確認しておくことが大切です。

非上場株にも相続税はかかる?

結論からいうと、非上場株にも相続税はかかります。
相続税は、被相続人が保有していた財産の総額をもとに計算され、不動産や預貯金だけでなく、株式も相続財産に含まれます。

非上場株は市場で自由に売買されていないため、「価値がない株」と誤解されることがあります。
しかし、相続税の計算では会社の総資産や利益、事業内容などをもとに評価額が算定されるため、高額な評価額になるケースも珍しくありません。

特に不動産や現預金を多く保有している会社では、非上場株の評価額が高くなりやすい傾向があります。
その結果、相続税の納税資金が不足するケースもあるため注意が必要です。

非上場株の相続税評価額の計算方法

非上場株の相続税評価額は、国税庁が定める評価方法に基づいて算定されます。
会社の規模や業種、株主の立場によって評価方法が異なるため、計算は複雑になる場合があるため、まずは大まかな概要を把握しましょう。

なお、非上場株の評価方法は、会社の規模や業種、株主の立場によって適用される方式が異なります。
中小企業では類似業種比準方式と純資産価額方式を併用して計算するケースが多いですが、会社の総資産や利益状況によって株価が大きく変動するため、正確な評価額を把握するには専門家へ相談することが大切です。

類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、上場企業の株価を参考に評価額を算定する方法です。
配当金額、利益額、純資産価額などを比較しながら評価を行います。
比較対象となる上場企業のデータを利用するため、実際の市場価値に近い評価額になりやすい特徴があります。

純資産価額方式

純資産価額方式は、会社が保有する資産と負債を基準に評価額を算定する方法です。
会社が所有している土地や建物、現金、預金などの資産を時価で評価し、負債を差し引いて株価を算出します。
不動産や金融資産を多く保有している会社では評価額が高くなりやすく、相続税負担が増える要因になります。

配当還元方式

配当還元方式は、将来受け取る配当金を基準に評価する方法です。
主に少数株主が保有する株式の評価で利用されることがあります。
類似業種比準方式や純資産価額方式と比較すると評価額が低くなるケースもありますが、適用条件が決められているため注意が必要です。

非上場株の相続税が高額になりやすい理由

非上場株の相続税が高額になる理由の一つは、会社の業績や資産状況が評価額に反映されるためです。
特に利益が安定している会社や、土地・建物などの資産を多く保有している会社では、株価が想定以上に高くなることがあります。
また、非上場株は現金化しにくい資産です。
評価額は高いにもかかわらず、すぐに売却できないケースも多いため、納税資金の確保が課題になることがあります。
そのため、相続発生後に慌てないよう、事前に株価や相続税額を把握しておくことが重要です。
特に自社株を多く保有している経営者の場合、想定以上の評価額となり、納税額が大きくなることもあるため、注意が必要です。

非上場株の相続税対策

非上場株の相続税対策としては、いくつかの方法があります。
ここでは、代表的な対策を紹介します。

生前贈与を活用する

生前贈与によって計画的に株式を移転する方法です。
将来の相続財産を減らせるため、相続税対策として利用されることがあります。
ただし、贈与税の対象になる可能性があるため、税理士へ贈与の方法や額を相談しながら進めることが大切です。

事業承継税制を利用する

事業承継税制とは、一定の条件を満たした場合に相続税や贈与税の納税猶予を受けられる制度です。
後継者へ円滑に事業を引き継ぐための制度であり、中小企業の事業承継で活用されています。
適用には要件があるため、事前の確認が必要です。

納税資金を準備する

非上場株は換金しにくいため、相続税の納税資金を確保しておくことも重要です。
生命保険の活用や資金計画の見直しなどを行い、将来の税負担に備えておくと安心です。

非上場株を相続する際の注意点

非上場株を相続する際は、評価額の算定方法や納税資金の確保だけでなく、相続人同士のトラブルにも注意が必要です。
株式は会社の経営権に関わる財産であるため、複数の相続人で分割すると経営に影響を与える恐れがあります。

また、非上場株の評価には専門的な知識が必要です。
誤った評価によって税務調査の対象になるケースもあるため、税理士などの専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

非上場株の相続は税理士に相談するのがおすすめ

非上場株の相続では、評価額の計算が複雑になるケースも多いです。

特に、複数の事業を展開している会社や、不動産を多く保有している会社では、会社の規模や業種によって評価方式が異なります。
また、総資産額や利益の状況によって株価が大きく変動することもあるため、個人で正確に判定するのは難しい場合があります。

さらに、相続人が複数いる場合は、遺産分割の方法によって将来の経営や株式の保有割合に影響することがあります。少数株主が発生すると、意思決定に支障が出るケースもあるため注意が必要です。

非上場株の相続では、相続税の申告だけでなく、事業承継や将来の経営方針も含めて検討することが重要です。そのため、早い段階で税理士へ相談し、自社株の評価額や納税資金、適用できる特例制度などについて確認しておくと安心です。

特に中小企業のオーナーや同族会社の経営者は、相続発生前から対策を進めることで、相続人の負担軽減や円滑な事業承継につながる可能性があります。

非上場株の相続税に関するよくある質問

最後に、非上場株の相続税に関するよくある質問をご紹介します。

Q. 非上場株に価値がない場合でも相続税はかかりますか?

A. 会社の業績や保有資産の状況によって評価額が決まるため、価値がないと判断されるケースは多くありません。
評価額が算定されれば相続税の対象になります。

Q. 非上場株の株価はどのように確認しますか?

A. 非上場株には市場価格がないため、類似業種比準方式や純資産価額方式などを用いて株価を計算します。
正確な評価額を知りたい場合は税理士へ相談すると安心です。

Q. 相続した株式はすぐに売却できますか?

A. 非上場株は上場株と異なり買い手を見つける必要があるため、すぐに売却できないケースがあります。
そのため相続税の納税資金についても事前に検討しておくことが重要です。

Q. 大会社と中小企業では評価方法に違いがありますか?

A. はい、違いがあります。非上場株の評価方法は会社の規模によって異なり、大会社と中小企業では株価の算定方法が変わることも珍しくありません。
また、会社の利益や資産、負債の状況によって評価額が大きく変動することもあります。

Q. 非上場株の相続税対策はいつから始めるべきですか?

A. 非上場株の相続税対策は、できるだけ早い段階から検討することが重要です。
事業承継税制などの制度を活用できる場合もあるため、税理士へ相談しながら自社の状況に合った対策を進めましょう。
経営者向けの解説記事や専門家の紹介を参考にするのもおすすめです。

Q. 非上場株を相続した場合、事業承継に影響することはありますか?

A. はい。非上場株は会社の経営権に関係するため、株式の承継方法によっては事業承継に影響する可能性があります。
そのため、中小企業の経営者は生前から対策を検討しておくことが重要です。

まとめ

非上場株にも相続税はかかります。
市場価格が存在しないため価値が分かりにくい財産ですが、実際には会社の総資産や利益、負債の状況などをもとに評価額が算定されます。
そのため、上場企業とは異なる評価方法が適用されるケースもあります。
特に中小企業の経営者や同族会社の株主は、事業承継や遺産分割、納税資金の問題も含めて早めに対策を検討することが重要です。
非上場株の相続税対策を進める際は、生前から情報収集を行い、税理士などの専門家へ相談しながら、自社の状況に合った対策や方法を選びましょう。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい