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一次相続とはどのようなものか将来を見据えて考えるべきポイント

2021年11月16日

相続について悩んでいる方に向けて、一次相続とは何か、念頭においたほうが良いこといついて説明する記事です。

相続をする際には現時点での遺産分割だけでなく、税金対策やその後のことも考慮しながら行う必要があります。
そこで今回の記事では、一次相続とは何か、将来的なことも見据えながら注意点も含め解説しますので参考にしてください。

一次相続とは

一次相続とは、夫婦のどちらかが死去した場合の相続を指します。

たとえば夫婦のうち夫が死去して妻と子供が相続人となる相続は一次相続であり、いずれ、妻が死去して子供が相続人となる相続が二次相続となります。

つまり子供の立場から見て、両親から受けるそれぞれの相続のことです。

念頭においたほうが良いこと1:次に迎える相続を考慮した割合

相続で財産を取得した者は相続税を納付する義務があります。

まず、次に迎える相続のことも考えて相続割合を検討していくことが重要です。
もし最初の相続で妻が一定金額以上の財産を受け取ると、次のように2回分の相続税が課税されてしまいます。

一次相続:妻(母)が受け取った夫(父)の財産への課税
二次相続:妻(母)が受け取った夫(父)の財産を含む夫婦の財産への課税

最初の相続で妻が受け取る財産を減らし子供に相続させれば、次に迎える相続の財産も減少。
結果的に、次に迎える相続(二次相続)で発生する税金の額を減らせるのです。

一次相続でのポイントは、配偶者が相続する場合、配偶者の税額軽減の税務上の優遇規定です。これは、配偶者が取得した相続財産が配偶者の法定相続分又は1億6千万円までは相続税が減額される制度です。

ほとんどのケースで被相続人の配偶者が相続する分は1億6000万円以下ですので、この制度を利用すると一次相続税が0になったり、安くなります。基礎控除を超える場合でも財産が1億6,000万円以内であれば、配偶者がすべて相続することで相続税が0円になるため、すべて配偶者が相続するというケースも多いです。

しかし、この配偶者が死亡した場合には、配偶者が相続した財産に元々、配偶者が保有していた財産が加算され相続財産が高額になる可能性があります。また、法定相続人の数が一人減っているので基礎控除(3,000万円+法定相続人×600万円)や生命保険の非課税枠(法定相続人×500万円)が減り、二次相続税が高額になる場合があり注意が必要です。

家族の負担を減らすためにも一次相続だけでなく次に迎える二次相続も考慮したトータルの相続税を勘案して、相続税が多くならないように相続割合を決めましょう。子供が二人の場合は一次相続は法定相続人が3人、二次相続では2人になりますのでトータルで計算すると一般的に最大限配偶者控除を活用するよりも子供に多く遺す方が有利になります。

相続税のシミュレーションはできるだけ生前に行うことをおすすめします。生前に行うことで遺言書の作成や、年間110万円までの贈与や教育資金や住宅資金など贈与の特例などを活用し、他の節税対策を行うこともできます。早めに現状を把握することで、相続税を少なくできますし、手続きもスムーズに行うことができ安心です。

念頭においたほうが良いこと2:妻のその後の生活

次に迎える相続の税金対策だけでなく、妻のその後の生活について考慮することも必要です。

夫婦のうち1人が死去した後は、遺された側は、その後1人で生活を営むことになります。
1人で生活をするには生活費が必要です。
次に迎える相続で発生する税金への対策を考えることも大切ですが、子どもとしては今後も1人で生きる親の生活も考慮して相続を考えることが大切です。

相続税の計算上は夫が亡くなった時に遺産を妻が相続しない方が良いケースもありますが、年金よりも生活費の方が高く、お金を使ってしまい、もともと持っていた資産を減らす人も多いです。

家や、生活費をしっかりと確保することもふまえて協議するようにしましょう。

一次相続とは将来を見据えて決めるもの

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで一次相続とは何かがご理解いただけたと思います。実際の税金は父親と母親の財産の額によりますので、人によって一次相続と二次相続の総額は大きく異なります。

上記のとおり最初の相続では次に迎える相続や今後のことも見据える必要があります。相続税の申告や資料の作成については国税庁のサイトで検索するかセミナーなどで情報収集をして自分で行うことも可能です。しかし、実際に概要を理解して、自分で行うことは簡単ではありません。

一次相続の時点で先の二次相続まで考慮する必要があるので普段から業務として相続税を扱っている税理士に相談して最善の選択をしてください。税理士に相談することで小規模宅地の特例等、特例を適用した相続税の納税額も正確に把握することができますし、税理士に依頼して特例を活用することで、自身が計算するよりも結果的に払う相続税が減ることも多くあります。税務調査で指摘された際もしっかりと確認して対応することが可能です。

専門家である税理士に依頼すると費用がかかりますが、短い期間で確実に対応することができます。

初回の相談はサービスで無料で応じてくれるケースも多いのでまずは気軽に相談してみるとよいでしょう。相談をする際は被相続人が所有していた預金、株式、不動産、保険金等、課税対象となる財産と債務の一覧の表を持っていくとスムーズに相談することができるでしょう。期限が迫ると出来ることは少なくなってしまいますので、早めに相談するようにしましょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい