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相続税の脱税はなぜバレる?

2023年10月07日

基礎控除を超える財産を保有する人が亡くなると、法定相続人は相続税の申告を行う必要があります。しかし、被相続人の財産を税務署が知っているはずはないだろうから申告をしなくてもバレないと考える人もいるようです。

税務署はどのような方法で被相続人の財産の情報を得て調査をしているのでしょうか。当記事では相続税の税務調査についてポイントを抑えて解説します。

税務署はシステム化が進んでいる

最近の税務調査ではシステム化が進んでおり、システムを利用することで書類に記載されているものを調べるのが中心の時代に比べて労力は少なく、その分対応できる範囲が広くなっていますので、多くの人の脱税を摘発できる運営になっています。

税務署は国税総合管理システム(KSK)を使い、相続税が適切に申告されているか確認しています。KSKでは死亡した人が過去に承継した相続財産や過去に支払った所得税、贈与税などの情報を確認することができます。たとえば、長期間、数千万円の収入があり、毎年多くの所得税を支払っていた人が、亡くなったにもかかわらず相続税の申告がなかった場合、税務署は怪しいと感じるでしょう。

税務調査の実施において、相続税や所得税と連携できるシステムの存在は非常に大きいものといえるでしょう。

そのため、過去に、東京の一等地など価値の高い土地や建物などの不動産を相続しているにもかかわらず、相続税の申告書が提出されなかった場合や納付された税額が少なかった場合、申告漏れの可能性が高いと判断し、調査を行いますので、指摘を受ける人は多くなっています。

また、税務調査では金融機関の取引記録を調べる権限も有していますので、過去の振込や現金出金の記録から、脱税が判明する可能性もあります。

脱税を行った場合のペナルティは?

脱税を行った場合、本来の税金に加え、加算税を支払う必要があります。加算税は本来の税金よりも多く支払われる税金で、罰金のようなものと考えるとよいでしょう。

加算税は過少申告加算税と無申告加算税に分かれており、平成28年の税制改正で一部厳罰化されています。延滞した期間によって税率は異なりますが、修正申告を行う必要があるうえに、状況により通常よりも高い税金を課されます。

加算税の税率は下記の通りです(国税庁HPから抜粋)。

また、財産の隠ぺいや偽装など、法律を知っていて明らかに意図的で、かなり悪質なケースでは重加算税といわれる最大40%と上記よりもさらに重い税率で税金がかかることになります。追加で納税する額が多額になるだけでなく、刑事罰や懲役刑の対象となる可能性もあります。事実、脱税を摘発されて、懲役刑などの刑事罰を受けている人もいるので、絶対に脱税は行わないようにしましょう。

相続税に時効はある?

相続税の時効は原則5年。悪質な所得隠しがあった場合は7年に延長されます。税務調査でチェックされる場合は時効の前に行われます。前述の通り、税務調査がシステム化されたことで、摘発される割合が多くなっており、税務調査を免れる可能性は低いと考えたほうがよいでしょう。時効があるから大丈夫と考えず、偽りがないよう、正しく申告するようにしましょう。

バレる可能性が高い脱税行為

脱税行為として多くの人が行っている手口について紹介します。これらはばれる可能性が高い違法行為です。税務調査を免れる可能性は低いので絶対に真似しないようにしてください。

評価額を誤って申告する

悪意が無くても評価額を誤って申告することで結果的に脱税となってしまうケースは多くあります。課税の対象となる不動産など、内容が複雑な場合は評価を誤って過少申告とならないように注意が必要です。

悪意がなく誤った計算をしたことが理由で過少申告になったとしても、加算税は課される可能性があります。評価がいくらかわからない場合は税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

家族名義の口座に預金を預けている

子供や孫などの口座に預けているものの、預貯金をしている銀行の通帳や印鑑を被相続人が管理しているケースなどは名義預金として、指摘され、相続税の対象となる可能性があります。年間110万円の範囲で生前贈与をしているつもりでも、名義人本人が管理していなければ贈与はなかったと扱われるケースも多くあります。

贈与契約書を作成していても実質的な管理の状況などによって、名義預金と認定される可能性が生じますので、注意が必要です。

現金を自宅に隠している

現金をいわゆるタンス預金として自宅や貸金庫などに隠しており、申告漏れとなるケースも多くあります。現金を自宅で保管しているケースでも税務調査で発見される可能性があります。

そもそも大きな金額を自宅に保管することは防犯上もよくありません。

脱税ではなく正しく節税を

相続税の脱税は違法です。遺産を隠すようなことをして、税務調査が来るのではないかと、不安になるのではなく、正しく節税をするようにしましょう。節税対策の検討をする際はまず、預金や株式、不動産などの財産を一覧化し、どれくらいの相続税がかかりそうか、現時点でシミュレーションをして事前にどれくらいの額を納めることになるのかを把握することが重要です。

生前であれば、合法的な制度を利用して、生命保険の非課税枠の活用や生前贈与、不動産を活用した相続税対策など、重い税負担を回避するためにあらゆる対策を検討することができます。

相続税のお悩みは税理士に相談を

基礎控除を超える資産家が亡くなった場合、親族は相続税の申告をする義務を負います。

相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月以内と短く、相続発生後すぐに申告手続きを行う必要があります。相続発生後は葬儀や銀行など金融機関の名義変更、保険金の請求などで忙しくあっという間に時間は過ぎてしまうでしょう。

知識がなく、相続税法を理解していなければ、悪意が無くても脱税になる可能性があります。特例や控除の適用可否や財産の評価などを期限内に行うことは簡単ではありませんので、判断に迷う場合は、専門家である税理士に相談するようにしましょう。税理士にも専門分野がありますので、自身の知り合いに税理士がおらず、紹介してもらうことが難しい場合は、税理士法人のサイトなどで遺産相続に強い、実績のある税理士に依頼すると安心です。

実際に申告のサポートを依頼する場合は費用がかかります。見積もりを確認してから正式に依頼することをおすすめします。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい