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山林を相続したらどうしたらいい?税理士が評価方法を解説!

2023年10月07日

相続する相続財産の中には預貯金や自宅の不動産だけでなく、先祖代々引き継いできた山林などを承継する場合があります。

山林などの土地についても、課税の対象となります。山林はどのように評価を行えばよいのでしょうか。今回は山林の相続税評価の計算方法や相続する際の重要な注意点について解説しますので参考にしてください。

山林とは

山林とは法的に「耕作の方法によらないで竹木の生息する土地」と定められています。一般的にイメージする草木の生えている山や原野と考えて良いでしょう。

対象となる不動産の登記簿で山林か否か確認することができます。登記簿には、地積や所有者等の内容、権利関係も記載されています。

山林の分類

山林にも分類があり、具体的には純山林、中間山林、市街地山林の3つの種類に区分することができます。

それぞれの計算方法について解説します。

純山林と中間山林は倍率方式で計算することができます。倍率方式とは固定資産税評価額に国税庁の定める倍率をかけあわせて計算する方法です。各地域の倍率については国税庁のホームページで確認することができます(リンク)。

市街地山林とは、東京などアクセスのよい市街化区域にある山林のことで、比準方式または倍率方式で評価を行います。比準方式とは宅地としての評価を基準として、現況から宅地に転用する際にかかる費用を控除して相続税評価の計算を行う方法です。

例えば、1平方メール当たりの路線価が15万円、造成費用が10万円の場合、評価額である15万円から造成費用の10万円を差し引いた金額×面積で価額を算出します。傾斜地などは造成費用も高くなりますので、その分相続を受ける相続人の税負担も小さくなる仕組みになっています。

また、山林の中には保安林として都道府県知事に指定されていることがあります。保安林は森林を維持し、災害を防ぐたことを目的として、立木の伐採が制限されており、相続税評価の価格も一定額が控除されます。

山林を相続する際の注意点

山林を相続する際はどのような点に注意すればよいのでしょうか。次に山林を相続する際の注意点について具体的に確認しておきましょう。

誰が相続するか揉める可能性がある

住宅などで利用できる価値の高い土地とは異なり、山林や農地の中には利用や売買されることがすくない状況のため、売却することが難しいでしょう。固定資産税がかかる場合はその支払いによる毎年の維持費や、管理などの対応だけが残る、活用できない負の財産となっている土地も多くあります。規模が大きい場合は取得した相続人の負担も相応に大きな負担となります。

そのようなケースでは、遺産分割の協議の際に誰がどのような割合で相続するか揉める可能性があります。相続人が複数いて、調整が整わず揉める事例も多くあります。

トラブルを防止するために、揉める可能性がある場合は元気な内に遺言を作成するなど対策を打っておく方がよいでしょう。場合によっては物納に利用することができる場合や、寄付をできる場合がありますので、不要な不動産がある場合は事前に確認しておくようにしましょう。

所在が分からないことも多い

山林を保有している方の中には所在や詳しい位置に関する記憶があいまいで、ご自身でもどこに保有しているかわからず特定できないというケースも多いです。近隣との境目もわからないというケースも多いでしょう。

森林を持っているということはわかっても場所などを調査して詳しくわからないと評価ができませんので、固定資産税の納税通知書は登記簿を確認しておくようにしましょう。

登記がされていないケースも多い

親等が亡くなった際に、山林を引き継ぐものと思っていたら、祖父母の代から登記がされていないということもよくあります。登記が祖父のままになっている場合は法定相続人である、祖父の子全員に署名捺印してもらわなければ、登記をすることができません。

今まで、法律的に相続登記の義務はありませんでしたが、所有者を明確化するために法制度の改正により登記が義務化されています。今後は基本的に未登記で放置することは認められませんので、不動産を相続で受けた場合は、確実に相続登記を完了させるようにしましょう。登記の方法が分からない場合は、司法書士に依頼して届出することも可能です。

相続税の相談は税理士に相談を

被相続人の財産が基礎控除以下であれば、相続税の心配はありませんが、相続税がかかる場合は、申告書の作成など対応が必要となります。

相続税の計算をする際は、相続発生時点の財産の一覧の表を作成し、財産ごとに評価を行う必要があります。特例などもあるため、自分で評価や特例の適用可否を判断することが難しいという方も多いでしょう。相続税は相続発生から10ヵ月以内と期間も短いため、知識がなく平日は仕事で忙しくしている人は自分で申告することが難しい場合も多いでしょう。

期限内に自分で申告することが困難な場合は、相続税を専門としている税理士事務所・税理士法人に相談するようにしましょう。税務の専門家である税理士に申告を依頼すれば、税務署の税務調査がきても安心です。

初回の相談はサービスで無料で応じてくれるケースも多いので、まずは気軽に相談してみてもよいでしょう。実際に申告を依頼する場合は財産の額に応じて報酬を決める税理士がほとんどです。所有する財産が多ければ多いほど、高い費用がかかりますので、正式に依頼する前に見積もりを確認するようにしましょう。

税理士に依頼することで、特例を使用でき、節税につながるケースもあります。

 

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい