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相続税路線価とは何か、調べ方や見方のポイントをチェック

2021年10月28日

相続が発生した際、遺産の大部分を占めることになるケースが多いのが土地です。土地を取得することになった場合には、財産評価基準書によって土地の評価に用いることが定められている「相続税路線価」について押さえておかなければなりません。

「相続税を計算したいけれど相続税路線価に関してはよくわからない」と悩んでいる方のために、相続税路線価の詳細について説明していきます。

相続税路線価とは、相続税を計算する際に確認しなければならない道路の金額のことです。具体的にどのようにすれば調べられるのか、相続税路線価はどのように見れば良いのかなどに関してみていきましょう。

正しく理解できていないと、自分で想像していた価値と実際の価値が異なる事態になってしまう可能性もでてきます。ぜひ参考にしてみてください。

相続税路線価とは?

相続税路線価とは、土地の評価額を計算する際に使われる指標価格のことをいいます。

公表しているのは国税庁です。相続税法で土地の金額を評価する際に使われており、その年の1月1日時点の価格が公表されます。

尚、毎年7月上旬に公表されます。

例えば、相続した財産の中に土地がある場合、相続税路線価を確認して、価値を計算してみると良いでしょう。また、相続税路線価とは別にその年の地価として公表されている公示価格があります。相続税路線価は、その公示価格の約80%の金額となります。

なお、土地によっては道路に接していても相続税路線価が定められていない場合がありますが、その場合には、市区町村が評価している固定資産税評価額と地域ごとに定められた倍率を活用して計算することになります。

市街地の土地は基本的に定められていいますが、相続税路線価が定められているかどうか確認したい場合は国税庁のサイトや全国地価マップなどでも調べることが可能で、掲載されている倍率表を利用して計算することになります。

相続税路線価の見方

正しく理解するためにも、路線価図の見方をチェックしておきましょう。路線価図とは、道路に面している標準的な宅地に対する価格を表示したものです。

1平方メートルあたりいくらなのか価格を千円単位で表示しています。以下、注意すべきポイントなどをみていきしましょう。

路線価は売却価格の8割程度

路線価は相続税の評価を行うために設定されています。路線価は売買する際の価格より一般的に少し低い価格で設定されており、目安として8割程度に設定されているといわれています。

年度

まずは相続税路線価の年度が被相続人の相続開始日の年度(被相続人の亡くなった年)かチェックしましょう。相続税路線価は、毎年変わるものなので、最新の年度を間違えないように注意が必要になります。

毎年7月にならないと、その年度の相続税路線価が発表されないので年初にお亡くなりになった例では7月以降でなければ正確な金額が計算出来ないのです。

地図記号

続いて地図記号の確認です。相続税路線価の上部には地図記号が掲載されています。

相続した土地がどれに該当するかによって異なる「画地調整率」が定められているので、まずは地図記号を確認しましょう。

画地調整率とは、路線価から評価額を求める際にその土地の奥行きや形状などに応じた補正を行うために使われる率のことをいいます。

アルファベット記号

相続税路線価にはアルファベットの記号が書かれています。これは、借地権割合を表すものです。尚、借地権とは、地主に地代を支払って土地を借り、その土地の上に建物を建てる権利のことです。

借地権割合とは、その土地の権利のうち、どれくらいを借地が占めているのかを示したもののことをいいます。A~Gまであり、Aが90%、Bが80%、Cが70%のように10%ずつ割合が下がり、Gになると30%となります。

相続税路線価には「200D」のような形で記載されていまして、この場合は1平方メートルあたりの路線価が20万円、借地権割合は60%です。

生前に確認しておくことで相続税対策が可能

相続が発生してから親が保有していた土地の評価額を調べるために路線価を確認するという方も多いでしょう。しかし、できれば生前に自分が保有している土地の路線価を確認し、相続税のシミュレーションや特例の可否を確認しておくことをおすすめします。財産が基礎控除(3,000万+法定相続人×600万)を下回るようであれば、相続税の申告は必要ありません。

相続税がどれくらいかかりそうか確認することで資産を減らすために贈与や遺言を作成し配分を決定しておくなどの具体的な節税対策を打つことができますし、簡単にできる部分だけでも先に進めておくことで相続発生後も落ち着いて対応することが可能となります。

相続した土地を確認

いかがでしたか?今回は、相続税を正しく理解し、申告するうえで欠かせない相続税路線価はどのように見ればいいのかなどについてご紹介しました。

相続が発生したら土地だけでなく、全ての財産を一覧の表にまとめるとよいでしょう。相続財産を一覧にすることで遺産分割協議もしやすくなりますし、小規模宅地の特例等による減額についても確認することが可能です。。

上記の通り路線価は簡単に国税庁のホームページから確認ができるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。しかし、路線価の見方は複雑です。基本的には路線価方式で評価をする場合、路線価×面積で評価額を算出することができますが、実際には土地が不整系であったり、奥行があるケースや間口が狭いケース、借地権が設定されている場合や、賃貸に出しているなど土地の利用状況によって評価額が変わることもあり、難しいものです。

不動産は現金とは違い個別性が高く、同じエリアでも土地ごとに違う事情があります。所得税のように毎年申告するものとは異なり、普通は相続税の申告は何度も経験する人はいないので、慣れておらず難しくてよく理解できない場合もあるでしょう。

誤った申告をすると税務調査で指摘される可能性もありますので、費用はかかりますが相続税の計算や申告手続きについて税金のプロである税理士の力を借りてみることもおすすめします。費用はかかりますが、特例や控除などを適用することで、費用以上に節税できる場合もあります。

税理士に依頼する際は相続税や贈与税を専門にしており、普段から業務とし実績が豊富な税理士事務所・税理士法人を探すとよいでしょう。相続税の申告は相続発生から10ヶ月以内と短い期間で申告と納税を行う必要があります。財産の種類によって評価に時間がかかるケースもありますので、早めに相談するようにしましょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい