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同居をしてると相続税が安くなる?小規模宅地の特例について解説!

2024年07月06日

大切な家族が亡くなると遺された家族は悲しむ間もなく、金融機関の名義変更や不動産の登記、遺産の分割協議などさまざまな手続きや対応を進めていく必要があります。期限として非常に重要なものが相続税の申告期限です。相続税は被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内に申告をする必要があります。

相続税の計算をするために、財産の評価を行う必要がありますが、現金、預貯金、有価証券以上に評価が難しいのが土地・建物などの不動産の評価です。当記事では土地の評価や土地の評価をする際に利用できる小規模宅地の特例について解説します。

土地の評価方法

土地の原則的な評価方法は路線価×面積で行います。路線価とは各道路ごとに1㎡あたりの値段が千円単位でつけられており、相続税や贈与税の計算をする際に利用します。

売買価格の8割程度で設定されており、時価よりも少し安く評価をすることができます。路線価は国税庁のホームページで確認することができますので、ご自身の所有している不動産の路線価を確認しておくとよいでしょう(リンク)。

路線価が付されていないエリアは倍率方式で評価を行います、倍率方式とは固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率をかけわせて計算する方法です。都心部では路線価が付されているケースが多いですが、親等が先祖代々持っている田舎の山や田畑は倍率で評価をするケースもあります。

小規模宅地の特例の特定居住用宅地とは

小規模宅地の特例の中には事業用や貸付事業用の敷地について利用できる制度もありますが、今回は居住用の宅地を相続した場合の特例の適用について解説します。

特定居住用宅地の特例は、被相続人が直前まで自宅として使用していた土地について最大330㎡まで80%減額できる特例です。

アクセスが良い土地であればあるほど、土地の単価は上がっていきます。例えば、土地の価格が1億円であれば、評価額が2,000万円になりますので、非常に減額効果の大きい特例と言えるでしょう。なお、家屋については減額はありません。

特定居住用宅地の特例は財産を取得する側にも、被相続人との関係などによって親族にも要件が定められています。取得する側の要件は以下の通りです。

・配偶者
亡くなった方の配偶者が自宅用の土地を取得する場合は無条件で特例を利用することが可能です。

・同居の親族
同居の親族は被相続人が亡くなった時に被相続人と同居で一緒に暮らしていた子どもなどです。

・家なき子
家なき子とは相続開始前3年以内に自分や配偶者が持ち家を持っていない子ども等のことです。子どもに相続させる場合は持ち家を持っている子どもよりも、持ち家を持っていない子どもに相続させた方が、特例を利用できるため有利に相続することができます。

特定居住用宅地の特例を利用する際の注意点

小規模宅地の特例を利用する際にどのような点に注意をすればよいのでしょうか。次に具体的な注意点を確認しておきましょう。

相続税が0円になる場合

被相続人の財産が基礎控除以下であれば、相続税を払う必要はありません。特定居住用宅地の特例は減額の金額も大きいため、適用前は基礎控除を超える財産であっても、特例を適用することで相続税が0円になることも多くあります。

小規模宅地の特例の要件を満たし、結果的に相続税が0円になる場合でも、相続税の計算を行い申告は行う必要があります。特例を利用する場合は相続税が0円であっても申告は必要となるということは覚えておきましょう。

配偶者以外に自宅を相続させる場合

配偶者以外に自宅を相続させる際は、一緒に住んでいた同居の親族や別居していても自宅を保有していない親族に相続させた方が、節税となり相続税の計算上は有利となります。

しかし、相続税の額を減らすことを優先して、配分が不公平になると相続人間で、相続財産の配分の割合でトラブルになる事例もあります。配分でトラブルになる可能性がある状況の場合は相続が発生する前に遺言書を作成するなど事前の対策を打っておき、スムーズに財産を承継できるようにしましょう。遺言の書き方が分からない場合は弁護士や司法書士などの専門家に相談すると良いでしょう。

老人ホームに入居している場合や二世帯住宅でも利用可能

直近介護などの理由で自宅に住んでおらず、生前に老人ホームに入居していた場合や二世帯住宅でも特定居住用宅地の特例を使える場合があります。ただし、他人に賃貸用住宅として貸し出していた例では特定居住用宅地の特例の対象とはなりません。

相続税の計算は税理士に相談を

基礎控除を超える財産を保有する人が亡くなり、相続により財産を取得した者は相続税の申告義務があります。

相続税の計算は非常に複雑で特例に要件も慣れていない人にとって、判断することは簡単ではないでしょう。相続税の申告額を誤って行った場合、税務署から調査を受けて修正申告を指示される可能性もあります。

相続税の申告に不安がある時は、無理せずに税金の専門家である税理士にサポートを依頼することをおすすめします。

相続税の申告は財産の金額や内容によって異なります。税理士に依頼することを検討している場合は、財産の一覧をまとめて持っていき、どれくらいの費用がかかりそうか確認してみるとよいでしょう。初回の相談は無料で応じてくれるケースが多いので、まずはメールや電話などで気軽に相談を依頼してみることをおすすめします。

税理士を知り合いから紹介してもらうことが難しい場合は、自分でホームページなどで情報を見て探してもよいでしょう。税理士にも得意分野がありますので、相続税や相続税と関連の深い贈与税の知識や申告実績が豊富な税理士事務所・税理士法人に依頼することをおすすめします。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい