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会社を作ると相続税が安くなる?税理士が仕組みと注意点を解説!

2023年10月15日

課税対象となる相続財産が多く、相続税の負担が大きくなりそうな場合、早めに対策をすることで、大幅に納税する税額を減らすことができます。

相続税対策の一つに会社を作って、資産を分散するという方法があります。なぜ会社を作ると相続税対策になるのでしょうか。相続税対策となる理由と注意点を解説しますので参考にしてみてください。

会社を作ると相続税対策になる理由

不動産など継続的な収入がある場合、所有する人の資産がどんどん増えていき、相続税の負担が増えてしまいます。そのようなケースでは会社を作り、役員に家族を入れることで、不動産から得られる収入を次の世代に分配することができ、下の世代に資金が貯まるというメリットがあるため、有効な相続税対策になります。

従業員とは違い、役員なら時間的な拘束は必要ありませんので、他の仕事をしていても、役員とすることができます。また、所得税と法人税の税率は異なります。所得が多い場合、個人で所得税を支払うよりも法人税の方が低く抑えられるので所得税面での差額も大きなメリットとなるでしょう。

規模が大きい不動産や数が多ければ、得られる利益も大きくなるので、節税効果は大きくなります。大きな額の資産を移転するためには、長い期間かけて計画的に行うことで大きな効果を生むことができます。そのため、会社を作り、相続税対策をする際には早めに検討することが重要です。

会社を作る際の注意点

相続税対策で会社を作る際にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。期待できるメリット以上にデメリットが大きくなる可能性もありますので、必ず会社を作った方がいいというわけではありません。実行する前にデメリットや注意点についてもしっかりと内容を確認しておくことも大切です。

設立と運営に費用がかかる

会社を設立する際は会社の登記などに費用がかかります。また、継続的に経営者と運営するために会計処理などの手間がかかります。事業として運営し続ける場合、継続的に会計処理をし続けることになります。経験がなく、自分で会計の仕方がわからない場合は、一般的な中小企業と同じように経理担当を雇うことになりますが、そうなると人件費がかかってしまいます。個人の事業ではなく、会社にする分、後を受ける相続人のとって会社経営が大きな負担になるリスクもあるということを理解しておきましょう。

相続税評価や配分が複雑

法人を設立した場合、非上場の株式を、相続人が取得することになります。非上場の株式の評価は複雑で、株価を算出するのに、さまざまな資料が必要となり手間がかかります。

土地・建物を法人名義にすることで相続税の申告書を作成、提出する際は相続人の負担となるでしょう。また、遺留分を侵害し、後継者に多くの財産を遺す意向の場合、配分でも法定相続人同士でトラブルになり関係が悪化する可能性もあります。遺言書を作成するなど、後継者への承継の方法や配分の割合についても揉めないように対策をあわせて行う必要があります。

まずは現状を把握することが重要

実際に亡くなった後では節税対策をすることができませんので、生前に相続税対策について進めるすることが重要です。

相続税対策で会社を作る場合、預貯金や株式、不動産、金など、課税の対象となるすべての財産の評価額を合計し、一覧の表を作成し、現状でどれくらいの相続税がかかりそうか計算して準備する必要があります。シミュレーションをする際はどのような特例や各種控除を適用できるか、要件もあわせて確認しておくようにしましょう。

現状を把握することで、どのような対策を打てばどの程度相続税を節税できるか、状況を把握することができるので的を得た対応行うが可能です。一般的に行われている生命保険の非課税枠の利用や生前贈与で、一定の節税ができ、基礎控除の範囲に収まる場合、相続税はかからないため、手間と費用がかかる会社の設立まではしなくても良いでしょう。

また、財産の一覧を作成しておくことで、相続発生後に忙しい中で、遺産をまとめるのに役立ちますので、申告手続きもスムーズに行うことができます。

相続税対策の相談は税理士に相談を

知識がない人が国税庁のホームページなどを確認して、相続税対策を行うことは難しいものです。

相続税対策について疑問や不安な点がある場合は、税の専門家である税理士に相談し、サポートを受けるようにしましょう。税理士に相談する場合は、相続税や贈与税の申告の実績が豊富で、最新の情報を持つ税理士事務所・税理士法人に相談すると税務署から税務調査を受けても支援を受けられるので安心です。

税理士に相談する際は、報酬の金額も確認し、どの程度、実際に支払う金額を抑えることができるか、方針を定めながら現在との差額を確認してから依頼することをおすすめします。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい