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相続税の申告期限に間に合わない場合はどうする?

2023年06月19日

相続税の申告書の作成と納付は相続発生を知った日の翌日から10ヶ月以内と短い期間に対応し、完了させる必要があります。相続税の期限に間に合わない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。当記事では相続税の申告が間に合わなくなりそうな場合のデメリットと対処法を解説します。

相続税の申告が間に合わない場合のデメリット

相続税の申告に遅れてしまった場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

利用できなくなる特例がある

相続税の特例で利用できる配偶者控除や、小規模宅地の特例等は相続税の申告期限である10ヶ月以内に申告手続きを済ませることが条件となっています。特例により税額を抑えたり、財産の評価を下げることができるため、特例や控除が使えなくなると、税の負担が大きくなってしまう可能性があります。

加算税が請求される

相続が発生した後に申告期限に間に合わず、時間が過ぎてしまった場合、税務調査によって、税務署から、延滞を指摘される場合があります。税務署から無申告であることを指摘された場合は無申告加算税といわれる加算税を徴収されることになります。加算税はペナルティとして加算される追徴の税金ですので、結果的に税金の負担が大きく増えます。

特に、資産隠しなど悪質なケースでは重加算税といわれる重い税が課される可能性があります。

相続税の申告期限に間に合わない理由

期限内に申告が間に合わない人にはどのような理由があるのでしょうか。実際多い事例と対策について紹介します。

遺産分割がまとまらないケース

相続税の申告は基本的に財産の配分を決めてから行います。しかし、事前に一部の家族が贈与を受けている場合や、遺産の配分が法定相続分とは大きく異なる不公平な配分になりそうな場合など、様々な事情で相続人間で話し合いがまとまらず、遺産相続の財産配分が決まらないケースも多いので注意が必要です。

対策としては、生前であれば、遺言書を書き、誰が何を承継するか決めて、準備して、方針を定めておくことをおすすめします。事前にシミュレーションを行うことで、相続開始前にそれぞれの取得する財産に応じて、納める税金も把握することが可能ですし、スムーズに遺産を分割することができます。相続はいつ発生するかわかりませんので、早めに準備しておく方がよいでしょう。

相続発生後であれば、お互いに話し合いをするしかありませんが、協議に時間がかかりそうな場合は一旦は法定相続割合で相続税のに関する書類の提出と納税を行ってから、未分割の財産については申告後に話し合って、配分を確定させてもよいでしょう。

財産の評価が難しいケース

相続税の申告をする際は亡くなった人が保有する財産を一覧にする必要があります。

相続財産の中には複雑な評価が必要なケースがあります。例えば、不動産は宅地と建物に分けられそれぞれ評価を行います。宅地は奥行や接道の状況によって評価が異なります。他にも価値の高い絵画や骨董品がある場合、専門家の鑑定評価を受ける必要がある場合もあります。絵画や骨董品は同じ作者や年代の作品を参考に価格を決めることになりますが、時間がかかることが多いです。内容が難しい財産がある場合は早めに準備しましょう。

被相続人の保有する財産の中に、通常の財産とは異なる、評価をすることが難しい財産があった場合、時間がかかることがありますので、早めに評価額を確認して、財産の総額を確認しておくようにしましょう。

財産の調査ができないケース

相続税の申告をするためには、必ず相続人のうち誰かが代表して、相続開始時点の金融資産や土地・建物など財産の調査をする必要があります。財産の調査を行った結果、基礎控除以下であれば、相続税の申告は必要ありませんが、被相続人と相続人の関係が希薄な場合や急に死亡した場合、課税の対象となる相続財産がどれくらいあるかわからないケースもあるでしょう。財産が分からない場合、財産に関すして添付する資料を集めるだけでも時間がかかります。

相続人が少しでも申告しやすくするためには生前に財産の一覧を作っておくことが重要です。

相続人が忙しいケース

相続手続きは、葬儀や相続人を特定するための戸籍の収集など、さまざまなことを同時進行で行う必要があります。

相続手続きの中には金融機関の預貯金や株式の名義変更など平日に行う必要がある手続きが多く、土日や祝日にはできないことも多くあります。相続人である配偶者が高齢で手続きが難しく、子供は仕事で忙しいというケースも多くあり、状況によっては、思った以上に相続手続きが進まないことが多いです。子どもが仕事をしており、なかなか進まないケースでは、特例の申請や財産の記載が漏れるケースも多いので税理士に相談してスムーズに申告を進める必要があります。

もし、本来は使えるにもかかわらず特例の活用が漏れていた場合、5年以内であれば、更正を行うことで払いすぎた税金が還付される可能性があります。税負担を軽減できる特例は漏れなく適用するようにしましょう。

相続税の延長ができるケース

原則としては相続税は10ヶ月以内に申告を済ませる必要があります。ケースとしては多くはありませんが、特別な事情があれば相続税の延長が認められるケースがあります。相続税の延長ができるケースは次のようなケースです。

・相続人の認知や廃除があった場合
・災害などで申告が難しい場合
・納期直前で遺留分侵害額の請求があった場合
・納期直前に遺言が見つかった場合
・納期直前に相続人となる胎児が生まれた場合

上記のようにいずれも、特別な事情や、直前に重大な変動や知らなかった事実が発覚し、見込みどおりに10カ月以内に申告ができないケースです。このような事情がある場合は申告後修正申告するよりも延長の申請をした方がよいでしょう。

相続税の相談は税理士に相談を

相続税は税制改正も多いので、相続税の申告をするためには相続税の計算方法や特例の条件を理解しておく必要があります。国税庁のサイトでもルールを確認することはできますが、特例の適用可否の判断など難しいことも多いでしょう。

そのため、知識がなく相続税の申告書の作成を10か月以内に済ませることが難しい場合や不安に感じる方は、税の専門家である税理士に相談しサポートを受けるようにしましょう。

初回の相談は無料で応じてくれる税理士事務所や税理士法人もありますので、気軽に相談をしてみましょう。税理士に相談をする際は財産や相続人等の情報をまとめておき、質問したいこともあらかじめ整理しておくとよいでしょう。申告をする場合の料金については財産の額に応じて決まることが多いので、正式に依頼する前に概算の報酬額を確認してみるようにしましょう。メールや電話で確認することも可能です。

相続税の相談をする際は相続税や贈与税を普段から業務として行っており、実績がある税理士に依頼することをオススメします。相続税の事例を多く経験している、相続税に強い税理士は決まった手順を理解しており、特例の要件についても熟知しているため、税務署から指摘される可能性も低くなり、安心して任せることができます。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい