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親から子への相続で相続税は発生する?仕組みや計算方法を解説

2026年08月23日

親が亡くなり、子どもが現金や不動産などの財産を相続した場合に発生する可能性が高い税金が相続税です。
ただし、親から子へ財産を相続した人すべてに相続税が発生するわけではありません。
相続税には基礎控除があり、課税対象となる遺産の総額が一定の金額以下なら原則として相続税はかかりません。
一方、基礎控除を超える財産を取得した場合は、相続税の計算や申告、納税などの手続きが必要になることがあります。
この記事では、親から子への相続で相続税が発生する仕組みや基礎控除、税率、計算方法、生前贈与を利用した相続税対策などについて解説します。

親から子への相続でも相続税は発生する

親から子へ相続が発生した場合、相続財産の額によっては相続税がかかります。
相続税は、被相続人が死亡した際に、相続や遺贈によって財産を取得した人に対して課される税金です。
ただし、課税対象となる遺産の総額が基礎控除以下であれば、原則として相続税はかかりません。
国税庁が発表している「相続税の申告事績の概要」によると、2024年に亡くなった人のうち実際に相続税が課税された人の割合は10.4%程度です。
つまり、親の財産を相続したからといって、必ず相続税を負担するわけではありません。

相続税が発生するかどうかは、まず親が所有していた預貯金、土地、住宅などの不動産、現金、有価証券などの資産を調査し、相続財産の範囲を確認することが必要です。
借金や葬式費用などを差し引き、一定の生前贈与などを加算したうえで、課税価格を計算することが基本です。
相続財産の評価額や課税対象になる財産の範囲がわからない場合は、国税庁の情報を確認したり、税理士などの専門家に相談したりするとよいでしょう。

相続税には基礎控除がある

相続税の基礎控除額は、以下の方法で計算します。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、父親が亡くなり、法定相続人が母親と子ども2人の合計3人なら、基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」です。
課税価格の合計額が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。
一方、母親がすでに亡くなっており、相続人が子1人だけなら基礎控除額は3,600万円です。
子2人なら4,200万円、子3人なら4,800万円となります。
このように、法定相続人の数によって基礎控除の額が変わるため、親子の相続では「財産がいくらあるか」だけでなく「誰が法定相続人になるか」も重要です。
基礎控除を超えるかどうかは、相続税の申告や納付が必要になるかを判断する基本的なポイントです。
相続財産が基礎控除の範囲内だと思っていても、不動産や有価証券などの評価によっては課税対象になる可能性があるため、資産の内容を正確に確認しましょう。

親から子への相続税の計算方法

相続税は、単純に子が受け取った相続財産へ税率を掛けて計算するわけではありません。
以下の手順で相続税が課せられる額を計算します。
まず、遺産の課税価格から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を求めます。
次に、法定相続人が法定相続分に応じて財産を取得したと仮定して、それぞれの取得金額に税率を適用してください。
最後に、算出した税額を合計して相続税の総額を求め、実際に受け取った財産の割合に応じて各相続人へ振り分けます。

たとえば、課税遺産総額を法定相続分で分けた後の取得金額が1,000万円以下なら、税率は10%です。
1,000万円を超え3,000万円以下なら税率15%、控除額50万円となります。

仮に取得金額が2,000万円なら、

『2,000万円×15%-50万円=250万円』

と計算できます。

同じように、取得金額が500万円なら10%で50万円、200万円なら20万円です。
10万円の違いであっても、最終的な税額や財産の評価によって負担が変わる可能性があるため、実際の申告では正確な計算が必要です。

なお、配偶者には「配偶者の税額軽減」があり、実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として配偶者に相続税はかかりません。
そのため、配偶者と子が相続人になるケースでは、それぞれが負担する税額に大きな差が生じる場合があります。

親から子への相続で利用できる控除や特例

相続税には基礎控除以外にも、一定の要件を満たすことで利用できる控除や特例があります。
たとえば、相続人が18歳未満の未成年者なら、未成年者控除が利用可能です。
また、障害者に該当する相続人には障害者控除があります。

土地を相続する場合には、小規模宅地等の特例を利用できるケースがあります。
被相続人が住んでいた住宅の土地などについて一定の要件を満たせば、土地の評価額を大きく減額できる制度です。

ただし、控除や特例にはそれぞれ適用要件があります。
遺産分割の状況などによっては適用できない場合もあるため注意が必要です。
相続人同士で遺産分割のトラブルがある場合は弁護士、相続税の申告や税額計算については税理士など、問題の内容に応じた専門家へ相談する方法もあります。

特に相続人が2人以上いる場合は、誰がどの資産を受け取るのかを決める遺産分割が必要になるケースもあります。
遺産分割がまとまらないと、その後の相続税申告に影響する可能性もあるため、早めに対応することが大切です。

生前贈与を利用して相続税を抑える方法

親が生前のうちに子へ財産を贈与することも、相続対策の一つです。
ただし、生前贈与には贈与税がかかる可能性があるため、むやみに生前贈与すればよい、というわけではありません。

暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。
そのため、年間110万円以下の贈与なら原則として贈与税はかかりません。
ただし、相続開始前の一定期間に被相続人から受けた贈与については、相続税の課税価格に加算される場合があります。
2024年の税制改正後、暦年課税による生前贈与の加算対象期間は段階的に3年から7年へ延長されています。
また、生前贈与には相続時精算課税制度という選択肢もあります。
2024年以降は年間110万円の基礎控除が設けられ、この枠内の贈与については贈与税の申告が不要で、相続時の加算対象にもなりません。
ただし、制度の選択によって将来の相続税や贈与税が変わるため、自分の家族や資産の状況に応じて検討することが重要です。

教育資金や住宅取得等資金の贈与についても、一定の要件を満たした場合に非課税措置を利用できるケースもあります。
ただし、非課税枠だけを理由に贈与するのではなく、親自身の生活費や老後資金を確保することも大切です。
たとえば毎年100万円や400万円、800万円を贈与する場合では、贈与税の有無や税率が異なるため、確認が必要です。
節税だけを目的として多額の資金を移すのではなく、税制改正や制度の内容を確認したうえで対策しましょう。

親から子への相続税を申告する際の注意点

相続税の申告と納税の期限は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
期限までに、相続財産の調査や評価、相続人の確認、遺産分割などを進める必要があります。不動産が多い、相続人の数が多い、過去に多額の贈与を受けているといったケースでは、手続きに時間がかかることもあります。
現金や預貯金だけでなく、不動産や有価証券なども相続税の対象になるため、納税するための資金が不足する可能性にも注意しましょう。
相続税は金銭による一括納付が原則ですが、一定の要件を満たせば延納などが認められる場合があります。
納付方法や適用される要件がわからない場合は、税務署や国税庁のサイトで確認することも大切です。

申告後に税務調査が行われ、申告漏れなどが判明すれば、本来の税金に加えて別の税負担が発生する恐れもあるため、正確に申告することが重要です。
また、相続税を少なくする目的で財産を申告しなかったり、わざと低い評価額で申告することは避けましょう。
申告内容に不安がある場合は、税務署や相続税に詳しい税理士へ早めに確認・相談することが大切です。

まとめ

親から子へ財産を相続しても、必ず相続税が発生するわけではありません。
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があり、課税対象となる遺産総額が基礎控除以下なら、原則として相続税はかかりません。
基礎控除を超える場合は、相続財産の範囲や資産の内容を確認して評価し、相続税の総額や各相続人の税額を計算します。
その結果、申告や納付が必要であれば期限内に手続きを行いましょう。
控除や特例を利用できるケースもあるため、それぞれの適用要件を確認しておくこともポイントです。
親子で現金、不動産、有価証券などの資産の内容を確認し、将来の相続を見据えて早めに準備しておくことが重要です。

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