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タンス預金を相続税対策として活用すべきではない5つの理由

2022年01月26日

相続税対策として、少しでも財産を少なく見せたいと考える方はいるでしょう。そんな時に利用されることが多いのが、タンス預金です。自宅のタンスの中にこっそり現金をひそませておけば、絶対にバレることはないはずと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし相続税対策としてタンス預金するのはおすすめできません。

「なぜタンス預金は良くないの?」と考えている方のため、その理由をご紹介します。

この記事を読むことによって、タンスにお金を隠しておくタンス預金がいかに危険かわかるはずです。現在タンス預金をしている方や、これから行おうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

なぜ相続税対策にタンス貯金を選んではいけないのか

タンス預金はなるべくやめておいたほうが良いです。その理由として、以下の5つが挙げられます。

理由① 災害・火事等で消失する

自宅に現金を保管していた場合、どこからも補償されません。万が一、災害や火事などが起こった場合で、失ってしまう可能性があります

災害や火事は人の意思に関係なく、いつ起こるか予想できないものです。特に災害は自分の不注意で発生するものではありませんし、個人では防ぎようがないことも多いです。仮に、火に強い金庫に入れていても水害などで流されてしまえば行方不明になります。
火事についても、自分でいくら注意していても隣の家などで火事が起こった際に巻き込まれてしまうことがあります。

お金であっても燃えてしまえば価値がなくなるので、タンス預金は非常に危険です。相続税対策のつもりが大きな損をすることになってしまう可能性もあります。

理由② 盗難にあう可能性がある

実際に空き巣被害などにあい、タンス預金が奪われてしまったケースは少なくありません。防犯に力を入れることである程度防げるものの、100%ではないのでやはり危険です。

こちらも災害や火事などで消失した場合と同じく、どこからも補償してもらえませんので全額失うことになります。メディアで報道されるような大災害が起こらなかったとしても財産を失う可能性があるのです。

理由③ 税務署の調査能力が高い

タンス預金を選択する大きな理由が「銀行からお金を引き出して自宅に置いておけば税務署にバレることはないから」でしょう。しかし、日本の税務署の調査能力は非常に高く、ほとんどのケースでバレてしまいます
これは、銀行口座の入出金などが事細かにチェックされているからです。
具体的には、預金から1,000万単位のまとまったお金を引き出した場合、そのお金がどこに行ったのか怪しまれることが多いようです。

税務署が調査しているのは、被相続人となる方が亡くなったタイミングのみではありません。過去の申告内容などをもとにどの程度の資産があるのか把握しています。税務署は国税や地方税などあらゆるデータをシステムで管理していますので、被相続人のおおよその財産を推測することができます。金融機関の口座の入出金記録など取引も調べることができますので、皆さんが想像するよりも高い調査能力があると考えた方がよいでしょう。また、相続開始前に子や孫など家族の名義に移したとしても贈与税を払う必要がありますので、結局は指摘され、贈与税がかかる可能性があります。

その想定資産と照らし合わせて申告された金額が少ないと判断された場合、疑われるのは当然のことです。十分注意しましょう。特に1億円を超えるような資産家の方は目を付けられやすいので気を付けましょう。タンス預金で相続税対策をするつもりが、かえって負担が増えてしまう可能性があり、意味がありません。

理由④ 税務調査で見つかる

調査の結果怪しいと判断された場合、税務調査の対象となります。平成27年に発生した相続を中心に調べた税務調査12,576件のうち、実に10,521件で申告漏れ等が見つかったとのことです。かなりの数の人が税務調査が入ることによって指摘されていることがわかります。

税務調査が行われたうち、非違割合は83.7%にものぼります。平成28事務年度については、12,116件税務調査が行われ、9,930件で申告漏れなどがありました。こちらも非違割合は82.0%と非常に高い確率で指摘されています。実地調査が行われた場合は徹底的に調べられるので、ほとんどのケースで指摘されると思っておいたほうがよいでしょう。

税務調査に入られたうち、8割以上は実際に申告漏れ等があったことになります。怪しいと思われた場合に税務調査が行われることになるのですが、この数字からも調査能力の高さと調べる前にある程度申告漏れがあることがわかっていることが分かるでしょう。少しでも怪しい動きがあれば税務調査の対象となってしまい、不正が発見される可能性が高いです。

参考:平成29事務年度における相続税の調査の状況について

理由⑤ 相続税の追加、最悪逮捕される

タンス預金で相続税をごまかした場合、最悪のケースでは、取得した相続人が逮捕されることもあります。
「バレなければ儲けもの」と甘く考えることはできません。

勘違いしてはいけないのが、タンス預金は節税ではなく脱税です。遺産の額に応じて納税することは国民の義務ですので、税務署に隠し場所などから悪質な脱税だと判断された場合、犯罪となります。そのため、逮捕されるリスクも考えておかなければなりません。

このようなリスクを抱えてまでタンス預金をするメリットはあまりないでしょう。それよりも、法律で認められている方法で節税につなげるのがおすすめです。

また、税務調査で指摘された場合には本税の他に期限後の申告になることで加算税や重加算税、延滞税などのペナルティも支払わなければなりません。延滞税には金利もついてしまいますし、高額の納税となってしまいます。追徴課税の納税をするために修正申告の対応も必要になってきます。

タンス預金はやめておいたほうが安心

いかがだったでしょうか。タンス預金を相続税対策として活用しないほうが良い理由についてご紹介しました。節税のため何か対策をとりたいと考えているのであれば、必ず正しい方法で行うようにしましょう。タンス預金はデメリットが大きすぎます。

相続が発生したら、財産を一覧の表を作成することをおすすめします。預けている保有している不動産や銀行や証券会社などの金融機関ごとに預けている預貯金や有価証券の金額を記載し、相続人が把握できるようにしましょう。通帳などから財産を把握することで、相続人間で協議をする際のトラブル防止にもつながります。故人の財産を一覧にしておくことで、完全に財産を忘れてしまうということも防ぐことができます。

もし、タンス預金があるような場合は、きちんと相続税申告に含めたほうが安心です。それ以外の効果的な節税については税理士に相談してみてはいかがでしょうか。正しい節税についてアドバイスしてくれるでしょう。相続に関する相談は相続税の実績のある税理士に依頼するようにしましょう。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい