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相続放棄の手続きは可能期限が3ヶ月なので注意!伸ばす方法を確認

2022年01月25日

相続放棄は手続きができる期限が定められているので、その期限内に行わなければなりません。しかし、中には相続放棄について頭になく、ギリギリになってから慌ててしまう方もいるようです。

「相続放棄の手続きができる期限について知りたい」と考えている方のため、期限の詳細と、期限を延ばすための対応についてご紹介します。相続放棄をしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

相続放棄の手続き期限

そもそも相続放棄とは何かというと、相続人の立場にある方がその権利を放棄することをいいます。この相続するものの中には、プラスのものだけでなく、借金などマイナスのものも含まれていることをおさえておかなければなりません。

もし、プラスの遺産よりも借金のほうが多い場合、すべて相続してしまうとマイナスになってしまいます。

しかし、マイナスの借金だけ受け取らない選択肢はありません。この場合はプラスもマイナスもどちらも相続しない相続放棄を行うのが一般的です。

いつでも相続放棄できるのではなく、期限は相続開始を知ってから原則3ヶ月以内となっています。この相続開始を知ってから手続き期限までの3ヶ月間は「熟慮期間」と呼ばれ、熟慮期間内に住所地の管轄の家庭裁判所へ申述書を提出し、申立てが必要です。

被相続人の財産が分からない場合は、死亡してから熟慮期間中の短い期間に財産を調査し、判断しなければいけません。特に借金が存在するかどうか知らない場合は、しっかり調査する必要があります。

熟慮期間を延ばすための申立手続き

熟慮期間中は3ヶ月間ではありますが、様々な事情により期限内に検討することが難しい人は申立てをすることにより、期限を伸長することができます。
延ばすための申立ても相続発生があったことを知った時から3ヶ月以内に行わなければなりません。うっかり期限が切れてしまった際に選択できる方法ではないので、注意が必要です。

しかし、延長の申立ては必ず承認されるものではありません。
単純承認、または限定承認、相続放棄のいずれを選択するか、決定できない場合に限られているのです。

単純承認とは、相続人が被相続人の遺産をすべて受け継ぐことをいいます。また、限定承認は、受け継ぐ遺産の範囲内で債務の負担を受け継ぐことをいいます。

申立書や必要な書類を準備する手間もあるので、できる限り熟慮期間中に相続放棄などの手続きについて検討しましょう。

相続放棄をする際の注意点

相続放棄をする際にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

次の順位の人に相続権が移る

相続放棄をすると次の順位の人に相続権が移りますので、亡くなった人に借金などがあった場合は、しっかりと他の相続人や次の順位の人にも電話などで連絡し、放棄をすることを伝える必要があります。

借金を理由に放棄をする場合は、相続権がある者に借金の返済義務がありますので、期限の後になると、他の親族にも迷惑がかかり、トラブルとなる可能性がありますので、放棄を検討している場合は、戸籍謄本で相続人を確定し状況や経過を先に説明しておくようにしましょう。

民法で定められている法的な相続の順位は配偶者は常に相続人となり、子ども、直系尊属、最後に兄弟姉妹の順で相続人となります。

全ての財産を相続することができない

相続放棄をすると初めから相続人ではなかったものとみなされ一切の相続権を失いますので相続財産の一部を相続することはできません。

相続放棄をすることで、借金を引き継ぐ必要がないというメリットはありますが、一部でも財産を相続すると全部の財産を相続する必要がありますので、どうしても相続したい土地がある場合などは放棄はしないようにしましょう。

財産を処分すると相続放棄ができない

預貯金を解約するなど財産を処分すると単純承認をしたものとみなされて相続放棄をすることができなくなりますので、債務を返済する義務が生じます。通常の相続手続きを行っていると、財産を処分することになりますので、相続放棄をする可能性がある場合は、財産を処分しないように注意して進めましょう。

遺言書がある場合も放棄は可能

土地や建物を自分が相続するように遺言書に記載されている場合でも相続放棄をすることは可能です。遺言書に書かれている財産を放棄をした人がいる場合、他の法定相続人で協議を行い財産を配分することになります。

早い段階で話を進めておいたほうが安心

いかがでしたでしょうか?相続放棄の手続きは、熟慮期間である相続開始を知ってから3ヶ月以内に行わなければなりません。お葬式などの準備もあり何かと忙しいので、ぼんやりしているとあっという間に過ぎてしまう可能性があります。早めに確認し、相続放棄をする場合は忘れることなく申請しましょう。

相続放棄をしようかどうしようか悩んでいるのであれば、税理士に相談してみるのもおすすめです。相続税関係の疑問や悩みを相談するのにも税理士が向いているので、頼ってみてはいかがでしょうか。

費用はかかりますが、制度を利用する際の資料の作成など自己で判断したり完結させることが難しいことは専門家である税理士に依頼すると安心です。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい