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勘違いを防ぐためにチェック!相続税申告書の提出先と提出方法

2021年11月21日

「相続税申告書を作成したけど提出方法がわからない」と悩んでいませんか。作成に比べると簡単ですが、基本的なポイントを理解していないと提出期限に間に合わないなど大きなトラブルに発展することがあります。提出期限に間に合わないと、がんばって作成したとしてもペナルティを課されてしまいます。作成方法だけでなく、提出方法も確認しておく必要があるといえるでしょう。

この記事では、相続税申告書の提出先と提出方法を知りたいと思っている方に向けて簡潔に解説しています。以下の情報を参考にすれば、どこにどうやって提出すればよいかが分かります。一度、目を通しておくだけで勘違いを防げる内容なので、相続税の申告が必要な方は確認しておきましょう。

相続税申告書の提出先は税務署

相続税申告書の提出先は、被相続人が最後に住んでいた場所を管轄する税務署です。相続人が住んでいる場所を管轄する税務署ではないため注意しなければなりません。ちなみに、被相続人とは、相続を行う側、つまり亡くなった人です。

注意が必要なケースとして、被相続人が老人ホームへ入居していた場合と被相続人が病院へ入院していた場合が挙げられます。老人ホームは生活の場であるため、入居者は住民票を基本的にこちらの住所地へ移しています。したがって、老人ホームがある場所を管轄する税務署へ相続税申告書を提出することになります。一方の病院は療養の場であるため、入院していても住所地を病院へ移していないケースが一般的です。したがって、病院で亡くなった場合は、被相続人が最後に暮らしていた場所を管轄する税務署へ相続税申告書を提出することになります。

被相続人が最後に生活していた場所がわからない場合は住民票の除票で確認できます。請求は、被相続人が最後に生活していた場所の市町村役場で行います。相続人が請求する場合、被相続人との関係がわかる書類を求められることがあるため事前に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

住所地を管轄する税務署の探し方

管轄する税務署がわからない場合、国税庁の公式Webサイトで検索できます。
具体的には「税務署の所在地などを知りたい方」で、郵便番号、住所を使って調べることが出来ます。これらがわからない場合は、地図や一覧から税務署を調べることも可能です。

相続税申告書の提出方法

相続税申告書の提出方法は次の2つです。

【提出方法】

  • 窓口へ持参
  • 郵送

どちらも申告期限は、相続開始を知った日(被相続人の死亡を知った日)から10カ月目です。

申告書は、原則として税務官庁に書類が到達した日です。

申告期限が近づいている場合は、できるだけ窓口へ持参しましょう。郵送すると、予想外のトラブルで申告期限に間に合わない恐れがあります。

まずは財産の調査を行う

税務申告の準備をする際に最初に行うべきことは財産の調査です。財産は現金や預貯金、生命保険、土地、建物、金などの現物資産、借入金などの債務も相続の対象ですので、被相続人が保有する財産を調べていく必要があります。財産にはそれぞれの評価方法が定められています。土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価を行います。

実際には取引のある金融機関の通帳などで残高を確認し、被相続人の財産を一覧の表に総額がわかるようにまとめていきましょう。多くの財産を持つ人は財産の調査や評価額を証明する書類を入手するのに時間がかかりますので、早めにとりかかる必要があります。

なお、相続開始前3年以内の贈与は贈与税ではなく、相続税の対象として相続財産に加算されますので、注意してください。財産に漏れがあると税務調査で指摘される可能性があるため、しっかりと資産の調査を行うことが重要です。調査の結果、財産が基礎控除の範囲内であれば、相続税申告の準備はいりません。

調査の結果、預貯金などの金融資産が少なく、不動産などの現物資産が多い場合は納税資金の確保も同時に検討する必要があります。納税は原則期限内に一括で納付をする必要があります。延納や物納という方法もありますが、利子税がかかるなどデメリットもありますので注意が必要です。

相続人が複数いる場合

相続人が複数いる場合の提出先も、被相続人が最後に住んでいた場所を管轄する税務署だけです。各相続人が別々の場所に住んでいたとしても、それぞれの場所を管轄する税務署へ提出するわけではありません。すべての相続人が、同じ税務署に相続税申告書を提出すると考えておくとよいでしょう。

相続人が複数いる場合は期限にも注意しておく必要があります。相続税の申告は分け方が決まってから行います。遺産分割協議が難航し、相続人全員の合意が得られないと手続きを進めることができません。手続きをスムーズに進めるために、生前に方針を決めるために遺言書を作成しておくことも重要です。

特例についても知っておかないと損をする

相続税には財産や相続人の状況に応じて、相続財産の評価額を減額できるものなど、さまざまな特例があり、納税の負担を減らすことができます。特例のメリットは非常に大きいので漏れが無いように適用することが大切です。

しかし、特例の適用を受けるためには、書類を添付し、申請しなければ適用できません。代表的な特例が小規模宅地の特例です。小規模宅地の特例は自宅用の宅地を相続した人が住み続ける場合などに、評価が減額される制度です。他にも配偶者が取得した財産は一定額まで非課税となるなど負担が軽減される特例などがあります。財産の種類や受け取る方の状況によって、特例の条件も異なります。

自分で申告をする場合は自分自身で特例が適用できるかどうか、制度や要件を理解し、判断する必要があるため、知識が必要です。また、特例を適用するためには相続発生から10カ月以内という期限を守る必要があります。

相続の発生後はあっという間に時間が過ぎてしまいますので、期限内に申告するためにひとつずつ順番に準備していくようにしましょう。

相続税申告書の提出でお悩みの方は税理士に相談

いかがでしたでしょうか?
今回は、相続税申告書の提出方法について解説しました。
提出先は被相続人が最後に住んでいた場所の税務署、提出方法は直接持参と郵送の2種類です。提出方法や書類の書き方でお悩みの方は、相続税の専門家で実績のある税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

税理士に申告を依頼すると費用がかかりますが、特例による税額控除で、税理士の費用以上に負担が減ることもあります。資料を収集するなど対応が難しい場合には税理士に依頼することを検討してもよいでしょう。

また、土地や建物などの評価を正しく行い、漏れが無いように申告をしないと税務調査で指摘を受ける可能性もあります。

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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい