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財産が1億円あると相続税はいくらかかる?

2022年07月18日

相続が発生すると相続税の申告と納税をする必要があります。相続が発生するとどれくらいの相続税がかかるかご存じでしょうか。全く、検討もつかないという方も多いでしょう。しかし、自分が相続人となる場合はおおよその額を知っておくことをおすすめします。

今回は被相続人が保有していた財産が1億円ある人を例に計算方法とおおよその税額を案内します。

相続税の計算方法

まずはじめに相続税の計算方法について解説します。相続税の計算をする際はまず、相続税の課税の対象となる財産の総額を求めます。相続税の課税対象となる財産は、被相続人が死亡した時点で保有してた現金、預金、株、生命保険、土地、建物、金、宝石、等あらゆる資産が課税対象となります。それぞれの財産の内容ごとに評価していく必要があります。

また、相続発生前3年以内に贈与した資金も贈与税ではなく、相続税の課税対象となりますが、孫など、相続人ではなく、相続財産を受け取らない人が贈与を受けていた場合、相続税の課税対象とはなりません。

次に法定相続人の人数から基礎控除を算出します。

基礎控除の式は3,000万円+法定相続人×600万円です。

相続人が配偶者と子2人の場合、合計3人となりますので、

3,000万円+1,800万円=4,800万円となります。

なお、生命保険には非課税の枠があり、法定相続人×500万円まで非課税となります。基礎控除も生命保険の非課税枠も子どもが1人の場合よりも2人、3人といると大きな控除を受けられるということです。

遺産の総額が基礎控除の金額以下の場合、相続税はかからないため、申告は必要ありません。

次に基礎控除を差し引いた金額を法定相続人で法定の割合通り分けたものとして税額を計算します。

各人の取得する金額に対し、以下の速算表で各人の相続税額を計算し、合計します。
以下の早見表は国税庁のホームページに記載されています(国税庁HP)。

課税遺産総額が1億円の人の相続税は?

上記の表の通り、各人が取得した財産の金額によって税率が異なります。そのため、同じ1億円でも相続人の数によって実際に支払う相続税額は大きく異なります。相続人の数が多くなればなるほど相続税の納税額は小さくなります。

また、配偶者は配偶者の税額軽減という特例を適用することで、法定相続割合または1億6,000万まで非課税となります。被相続人との関係によっても相続税の納付額は大きな差が出るのです。

課税遺産総額が1億円の人の家族構成ごとの相続税額は以下の表の通りです。

<配偶者がいる場合>
配偶者のみ:0円
配偶者+子ども一人:385万円
配偶者+子ども二人:315万円
配偶者+子ども三人:262万円

<配偶者がいない場合>
子ども一人:1,220万円
子ども二人:770万円
子ども三人:630万円

遺産が1億円の方の相続税額は上記の通りです。同じ1億円でも法定相続人の人数によって控除の額や税率が異なるため、実際にかかる相続税には大きな差がでることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

逆に言うと1億円以上の財産を保有する人でも相続人との関係や人数によって財産が1億円の人よりも多くなる場合もあります。財産が2億円ある方でも、配偶者と子ども三人いるケースの相続税額は1,217万円となりますので、財産が1億円で子ども一人の場合と同水準となります。財産が同じでも相続人の状況によって納付する額は大きく異なるのです。

相続税の申告手続きをする場合は税の専門家である税理士に相談を

相続税の制度や仕組みを知って、概算の税額を確認することは大切です。しかし、実際に申告の際の手続きは細かい計算や特例を利用するための添付資料を作成する必要があります。

相続財産が基礎控除を超える場合には相続発生から10カ月以内に申告と納付を終わらせる必要があり、期限が短いため注意が必要です。亡くなってからすぐに始めても、知識がない方は財産の内容によっては評価額を算出するだけでも時間がかかりますので、期限内に終わらせることは簡単なことではありません。

遺言書がない場合、全員で話し合う遺産分割協議に時間がかかることも増えています。

また、小規模宅地の特例など、特例の活用を忘れてしまうと必要以上に納税する額が大きくなる可能性もあります。相続が発生した後は相続税の申告以外にも不動産の登記や、保険金の請求など保有する資産の種類に応じてそれぞれの対応を行う必要があります。

自分で手続きを行う自信がない方は早めに税理士に相談したほうがよいでしょう。申告を怠ったり、過少申告をすると税務調査で指摘される可能性があります。申告を依頼すると費用がかかりますが、実績のある税理士や税理士法人に早めに依頼しておけば安心ですし、負担を減らすことができるでしょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい