「令和3年の税制改正で相続税申告書の何が変わったの?」などの疑問を抱いていませんか。重要な変更点なので、気になる方は多いでしょう。最初に結論を示すと、税務署へ提出す書類への押印は基本的に不要になりました。相続税申告書も、基本的に押印不要になっています。しかし、すべての書類が対象ではありません。
この記事では、令和3年の税制改正で相続税申告書の何が変わったかを解説しています。さらに、引き続き押印が必要な書類についても紹介しています。相続税申告書の作成を控えている方は確認しておきましょう。
令和3年の税制改正による相続税申告書の変化
令和3年の税制改正で、相続税申告書への押印が不要になりました。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、押印のために外出することは控えるほうがよいと考えられるようになったからです。令和3年4月1日以降に提出する相続税申告書は基本的に押印不要です。
国税庁公式サイトの書類は変更済み
以上の変更に合わせて、国税庁公式サイトからダウンロードできる書類の様式も変更されています。具体的には、押印欄がない様式のものに変更されているのです。
書類が必要な方は、新しい様式のものをダウンロードするとよいでしょう。
押印欄のある書類も使用可能
古い様式(押印欄がある)の書類も、これまで通り使用できます。税務署の窓口では、古い様式の書類もしばらくは配布などすることになっています。押印欄が印刷されていても、押印する必要はありません。
押印しても問題はない
押印欄のない書類、押印欄のある書類に任意で押印しても問題はありません。例えば、習慣で間違えて押印したとしても、そのまま書類を提出できます。押印の有無で、何かが変わることはありません。
引き続き押印の必要な書類
令和3年の税制改正で税務署に提出する書類の多くは押印不要になりました。しかし、すべての書類が押印不要になったわけではありません。相続関係の書類では、特例の適用を受けるため提出する遺産分割協議書は押印が必要です。
具体的には、相続人全員の押印がある遺産分割協議書の写しと使用した印鑑の印鑑証明書の提出を求められます。
遺産分割協議書は、相続税申告書でなく、相続税申告書に添付する書類です。相続税申告書の提出が不要な方でも、遺言書がないと必ず作成しないといけない書類です。民法上の書類です。
対象となる特例のなかで多くの方に関係すると考えられるのは、「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」です。それぞれの特例を簡単に説明すると以下のようになります。
- 配偶者の税額軽減:配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分相当額以下であれば相続税はかからない
- 小規模宅地等の特例:一定の要件を満たす宅地は、通常の評価額から一定の評価減を受けられる
以上の特例などを適用する場合、押印した遺産分割協議書の写しと印鑑証明書が必要になります。この他に住民票などが必要になるケースがあります。
税務署に提出するすべての書類が押印不要になったわけではない点に注意が必要です。
相続税申告書は押印の必要性を確認
いかがでしたでしょうか?今回は、令和3年の税制改正による相続税申告書の変化を解説しました。税務署に提出する書類は基本的に押印不要になりましたが、すべての書類が対象になっているわけではありません。相続税関係では、特例を適用するため添付する遺産分割協議書には押印が必要です。押印の必要性を確認したうえで、書類を作成しましょう。
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