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相続税を払いすぎたらどうすればいい?

2023年09月26日

相続により資産を受け継ぐ人は相続税の申告をしなければいけませんが、制度や書類の作成など非常に複雑です。相続は所得税の申告のように毎年、確定申告をして納付するものではありませんので、自分で申告を行う件数は1件や2件程度ですので、慣れずに正しい申告できないのではないかと不安になるのも無理はありません。

相続財産の計算に誤りがあり、必要以上に払い過ぎてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。当記事では相続税を払いすぎた場合の対応方法について、以下にポイントを抑えて解説します。

払い過ぎた相続税は返ってくる

結論から言うと過大に相続税を納めすぎてしまった場合、更正の請求の手続きをすることで、払い過ぎた税金は還付されます。そのため、払い過ぎた分は、申請によって取り戻すことが可能ということになります。

更正の請求で、払い過ぎた税金を返してもらうためには相続税の申告期限から5年以内、(相続発生の翌日から5年10か月以内)に行う必要があります。

更正の請求の方法は更正の請求書、評価額の根拠となる資料などを添付して税務署に提出し、税務署が内容を確認の結果、更正通知書が返送され、差額について国税還付金振込通知書に指定の口座に基づいて振り込まれて返金される流れとなっています。

税金を払いすぎる事例

税金を払いすぎる事例とはどのような理由で払いすぎるケースが多いのでしょうか。実際に払い過ぎとなる具体例について紹介します。

土地の評価の計算を誤るケース

財産の評価の複雑性は財産の内容によって大きく異なります。

不動産は個別性が高いため、評価が複雑になります。同じエリアにあっても、整形・不整系の土地、道路への面し方や奥行、上に建物が建っているかなどで評価は大きく変わってきます。また、山林などは市街地とは異なる評価方法となり、国税庁のサイトを参考にして概要を知っていたとしても、実際に評価することは難しいと感じる方も多いでしょう。相続財産の中に不動産の割合が多い場合や複雑な土地がある場合は注意が必要です。

土地の計算を誤って行って、実際よりも高い税額を払ってしまうケースは多くあります。土地の評価は現地に行って調査してみないとわからないことが多く、家族の中に土地評価に詳しい人がいない場合は税理士に相談するようにしましょう。

特例の適用が漏れるケース

相続税には財産を受ける人によって適用できるものもありますので、遺産分割の協議が行われていないと、対象となるかわからない場合もあります。代表的な配偶者控除や小規模宅地の特例の他にも多くの特例があり、要件は複雑で、正しく判断することは難しいものです。小規模宅地の特例は東京などアクセスがよく路線価の高いエリアであれば、効果も大きいため、適用漏れは絶対に避けたいところです。

特例を活用することで、税金を控除することができますが、特例を利用するためには、特例を利用できる状況であることを証明する資料などを提出する必要がありますし、特例の存在を知らなければ、利用することができません。万が一特例の適用を申請することが漏れることで、過払いとなるケースがあります。

効果の大きい特例の適用が漏れた場合、課税される税金が百万円単位で変わる可能性があります。適用漏れがあった場合、過去の資料を探して再度手続きをする必要があります。

事前の準備も重要

間違えなく、相続税を申告するためには、事前にシミュレーションを行うことや、財産を詳細に記載した一覧の表を作り、遺産の配分を決めるために遺言書を作成するなど、準備をしておくことをおすすめします。遺言を作成することで、財産の配分を話し合う時間を短縮することができますし、相続人が多数いる場合、相続人同士の関係の悪化も防ぐことができます。

不動産などは毎年評価が変わりますので、あくまで現時点での評価となりますので、完全に正確なものにする必要はありませんが、財産の概要がわかれば、相続人も財産の調査がしやすくなり、安心できるでしょう。

不動産の登記や金融機関の口座の名義変更など亡くなってからしかできないことも多くありますので、事前にできることはしておくことで、相続人の負担を大きく減らすことができます。相続税の申告は短い期間で行う必要がありますので、できるだけ負担を少なくしておくことが重要です。

誤った申告をした場合、適切な金額に訂正するためにまた最初に戻って計算をし直す必要がありますので、その分手間も増えてしまいます。

また、事前の準備をしておくことで、相続税の負担が大きなものになると感じた場合は、生命保険の非課税枠の活用や年間110万円の生前贈与を検討することもできます。このような税制上の仕組みを使った対策は相続が発生するより先に行う必要があります。

相続税の申告は相続に強い税理士に依頼を

相続税は被相続人の相続開始から10ヶ月と期限が短く、時間が無い中で申告書類の作成や納税を完了させる必要があります。まずは財産を一覧にして、一つずつ評価を行います。知識や経験がない人にとっては大変な作業となります。

税務の専門家である税理士に依頼すれば、申告の手続きはすべてお任せしても、簡単に相続税を算出できると考える方も多いでしょう。しかし、税理士の中にも法人税など別の分野の対応を専門としている人もいます。複雑な土地の評価額や特例の情報について、詳しくない場合もありますので、専門分野を問い合わせて、相続税に強い税理士に依頼することが重要です。

支払った税の額を見直して、払い過ぎたことに後で確認して気づいた場合、再計算したうえで更正の請求を行うことができますが、再度、申告手続きをする手間がかかりますので、最初から間違いなく税金を支払うほうがよいでしょう。

また、払い過ぎだけでなく、財産の評価を間違って、意図せず本来の税額よりも過少申告となってしまうケースもあります。過少申告となった場合は税務調査で指摘され、加算税を請求される可能性もありますので、注意が必要です。

自分で申告することが難しい場合、費用はかかりますが、相続税や関連の強い贈与税の申告の実績が豊富で、普段から業務として行っている税理士事務所に依頼して、期限内に確実の納税を行うようにしましょう。

初回の面談はサービスで無料で応じてくれる税理士も多いので、まずは気軽に相談して、報酬がどれくらいになるか見積もりをしてもらうようにしましょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい