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実家を相続したらどうしたらいい?

2025年08月11日

親が亡くなると遺された子どもたちで財産の配分について検討する必要があります。財産の配分を決める際に特に困るのが実家の相続です。

実家の相続は、小説などでもテーマになるほどさまざまな事例があり揉めることも多いです。当記事では、まとまらないことが多い実家の相続についてポイントをおさえて解説します。

実家の相続手続きが完了するまでの流れ

実家の土地・建物を相続する際は法定相続人全員で、話し合いのうえ遺産分割協議書を作成し、手続きを進める必要があります。

被相続人が亡くなった後に遺産の分割については話し合いをする際は、実家の土地・建物のみについて話し合うのではなく、預貯金や株式など他の財産も含めた全財産について話し合いを行います。

全員で合意することができたら、遺産分割協議書を作成し、実際に財産を分ける手続きを進めます。預貯金は金融機関で名義変更や解約などの手続きを行い、実家などの不動産については法務局で登記を行い、名義人を変える必要があります。

トラブルになることが多い事例

実家の相続についてトラブルになることが多い事例とはどのようなケースがあるのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

評価額が大きいケース

父や母が住んでいた実家の土地の評価額が大きいケースでは、誰か一人が単独で土地・建物を引き継ぐと、財産を公平に分けられないケースがあります。

例えば、子どもが3人おり、自宅の土地が1億円、現金が2,000万円であった場合、自宅の土地を引き継いだ人に財産が偏ってしまうことになり、納得いかないという状況になる可能性が高いでしょう。また、現金を他の相続人がすべて受け取った場合は、実家の土地を相続した人はもとから保有していた財産で相続税を支払う必要がありますので、家だけでなく納税資金の確保も考える必要があります。

このようなケースでは、自宅を引き継いだ人が引き続き自分の生活などで利用する場合は、その分現金を他の相続人に支払う方法や、一度共有で相続し、売却してそれぞれで売却して得たお金を家族で分けるということが考えられます。売却した場合は、購入した時の価格がわかる場合は譲渡所得から購入時の価格を差し引くことができます。購入した時の詳細がわかる資料を確認しておきましょう。

しかし、共有後、思い出がある自宅を売りに出したくないと、意見が合わなくなる可能性もあります。相続は経済的な利益だけでなく、感情的なものが大切なこととして、売却するか残すかで結論が変わることもあるので注意が必要です。

利用する予定がなくても、家族の物語が詰まっている実家を売却することにためらう人は多いものです。相続人同士で揉めてしまい、答えが出ない場合、個別に売却することはできないため、いつまでも共有のまま保有することになります。

また、売却活動をしても商品としての価値が低い場合はすぐに売れるとは限りません。価格で折り合いがつかなければ、チラシを入れるなど売却活動を行っても、設定した価格で必ず現金化できるとはかぎらないため、希望の価格以下でしか買い付けが付かない場合は長期戦になる可能性もあります。

田舎にあり利用価値が乏しいケース

実家が過疎化の進む地方にあり売却することが難しいケースもあります。このようなケースでは、誰も相続をしたがらず、誰が取得するかで揉めるケースもあります。いっそのこと無料で譲渡しようと思っても、過疎化が進み、地域にお店も閉店しているような地域では土地の引き取り手がないことも多くあります。

このような場合でも財産の内容を一覧で表示し、法律で定められた法定相続割合を基準に誰が何を相続するか話し合いで決める必要があります。

不動産を引き継ぐことで、管理や固定資産税などの負担もかかります。その点も考慮して、各相続人の配分を決めるようにしましょう。

不明点は専門家に相談を

実家の相続についてお悩みの場合は弁護士や司法書士、税理士等、相続に詳しい、各種資格を持った専門家に相談することをおすすめします。相続についてはそれぞれの家庭の事情を抱えており、現在の税金の計算方法や法律など専門的な知識だけでなく、経験も必要となります。相続税の計算は国税庁のホームページや市販の書籍にも記載されていますが、慣れていない人にとっては本を自分で読み進めて学ぶことはできても、実際に手続きすることは難しいでしょう。

相続手続きは悲しみに暮れる中ですぐに進める必要があり、心身ともに負担がかかりますが、一部を実績のある専門家に対応のサポートを依頼することで、自身の負担を軽減することができます。専門家に依頼する場合は、財産の内容や、相続人の数や関係性を説明するとスムーズに手続きを始めることができます。

財産が基礎控除を超える場合は、相続税法に基づく相続税の申告が必要です。相続税の申告は被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内と期限が定められており、あまり時間がありませんので早めに始める必要があります。

広島相続税相談テラスでは経験豊富な税理士が多数在籍しており、必要に応じて、弁護士や司法書士、不動産の売買を行う宅地建物取引士なども紹介いたします。初回の相談はサービスで無料で対応しておりますので、電話やメールなどでお気軽にご連絡ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい