相続が発生し、遺言がない場合は法定相続人全員で話し合いを行い、遺産分割を行う必要があります。しかし、相続発生当初は遺言書がないと考え、すでに協議を行ったものの、実際に後から遺言書が見つかった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
当記事では遺産分割を行った後で、遺言書が見つかった場合の対処法について解説します。
遺言書に時効はない
遺産分割協議を行い、一定期間経過後に遺言書が見つかった場合、時効により遺言は無効になると考える方も多いと思いますが、遺言書に時効はありません。そのため、遺産分割が終わった後、かなり時間が経過してから遺言書が見つかっても、法定に有効な遺言であった場合は原則は遺言どおりに分けることになります。
しかし、実際に分けた遺産と遺言の内容が異なる場合、後で分けると不都合が生じる場合も多いでしょう。そのようなケースでは相続人全員で合意することができれば、遺言書の内容通りに執行せず、遺産分割協議で話し合った内容の通り分割することも可能です。
ただし、遺産分割の際に相続放棄をした人も含めて一人でも反対する者がいる場合は、原則遺言書通りに分けることになります。相続人同士でトラブルになるケースも多く、弁護士など専門家が所属する法律事務所に相談し、対応した方がよいでしょう。
また、遺言書が有効な遺言かどうかも確認する必要があります。公正証書遺言であれば、作成時点で有効なものと確定しますが、自分で作成した自筆証書遺言の場合、形式不備などにより無効となる場合があります。自筆証書遺言を発見した場合は、自分で判断するのではなく、家庭裁判所で検認を受ける必要がありますので注意しましょう。
遺言書の作成を検討されている方は費用はかかりますが、公正証書遺言を作成することをおすすめします。
複数の遺言書が見つかった場合の対応は?
複数の遺言書が見つかり、内容も異なる場合は後から見つかったものが優先されます。そのため、遺言書は日付を記載することが非常に重要で、日付がないものは無効となります。
故意に隠匿した場合、相続欠格となる可能性がある
相続人の中に遺言書が作成されていることを知っていたにもかかわらず、自分に不利になるなどの理由があり、隠匿するケースがあります。このような場合は財産を相続するにふさわしくない人として相続欠格となり、相続人としての地位を失うケースがあります。
不利な遺言であったとしても隠匿や破棄する行為は絶対に避ける必要があります。
必ず遺産分割協議が必要となるケース
生前に作成された遺言が後から見つかった場合、内容によって必ず遺産分割協議書が必要となるケースがあります。どのような事例が考えられるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
相続人が変わるケース
遺言によって相続人が変わるケースは必ず遺産分割協議が再度必要となります。相続人が変わるケースの一つは相続人の廃除です。相続人の廃除とは虐待や重大な侮辱行為などにより相続人から廃除することで、遺言書によって廃除することも可能です。遺言書により相続廃除が行われた場合、排除された人は相続人としての地位を失いますので、遺産分割協議を再度やり直す必要があります。
他にも遺言書により非嫡出子が認知されるケースがあります。認知されることで、非嫡出子が法律上の子になりますので、相続権と遺留分を持つことになります。遺言により財産を遺すということが記載されていなかったとしても遺留分を請求される可能性がありますので、再度遺産分割協議を行う必要があります。
第三者に遺贈することが記載されているケース
相続財産を第三者に遺贈することが記載されているケースでは法定相続人同士で合意をしたとしても、遺贈を受ける権利があった第三者から主張される可能性がありますので、再度遺産分割協議をやり直さないといけません。
第三者に遺贈するケースとは家族以外のお世話になった人への遺贈や学校や地方団体などへの寄付もあります。
お困りごとは専門家に相談を
遺言が後から見つかった場合の対応方法は上記に解説しましたが、財産の一覧の作成や相続が発生した時の評価、金融機関の名義変更や不動産の登記など相続手続きは慣れないことも多く、手続きの流れが分からず、何から始めていいかわからないことが多いでしょう。特に相続税の申告が必要なケースでは10ヶ月以内に申告と納税を完了させる必要があります。
相続手続きでお困りの際は弁護士、司法書士、税理士などのアドバイスを受けて、手続きを進めるようにしましょう。初回の相談は無料で応じている事務所も多くありますので、相談してみることをおすすめします。
広島相続税相談テラスでは、経験豊富な税理士が多数在籍しており、相続に関する手続きのサポートをしています。必要に応じて弁護士、司法書士を紹介し問題を解決いたします。相続手続きにお困りの方はぜひ、お気軽にお電話やメールなどでご連絡ください。
また、遺言書の作成のお手伝いをすることも可能です。遺言の作成には知識が必要で、相続発生後に効力が無効の遺言が見つかった場合、かえって遺産分割を行うことが難しいケースもあります。専門家に相談し、民法の則った遺言書を作成することで、被相続人が亡くなった後もスムーズに分割できるでしょう。