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相続税がかからない人・かかる人の違いをわかりやすく解説

2026年02月11日

相続が発生し、財産を引き継ぐと相続税がかかる場合があります。しかし、どのような場合に相続税がかかるかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

当記事では相続税の概要やどのような場合に相続税がかかるかを解説していきます。

目次

そもそも相続税が「かかる・かからない」は何で決まる?

相続税がかかるかどうかは、亡くなった人(被相続人)の財産状況によって決まります。
重要なのは「相続した人が誰か」よりも、相続財産の中身と総額です。

多くの方が「うちは普通の家庭だから」「そんなにお金は残っていないから」と考えがちですが、
実際には思わぬ財産評価や見落としによって、相続税が発生するケースも少なくありません。

相続税は全員が払う税金ではない

まず大前提として、相続税は全員が支払う税金ではありません。

日本では、相続財産の合計額が「基礎控除」という非課税枠を超えた場合にのみ、相続税が課税されます。
そのため、

  • 相続税が一切かからない人

  • 申告は必要だが税額はゼロの人

  • 実際に税金を支払う必要がある人

に分かれます。

「相続が発生=相続税が必ずかかる」というわけではない点は、まず押さえておきましょう。

判断基準は「財産の内容」と「合計額」

相続税の判断で最も重要なのは、次の2点です。

財産の内容

  • 現金・預貯金

  • 土地・建物などの不動産

  • 株式・投資信託

  • 生命保険金・死亡退職金

  • 生前贈与された財産

財産の合計額

これらを相続税評価額で合算し、
基礎控除額を超えるかどうかで、相続税がかかるかが決まります。

相続税がかからない人の共通点

基礎控除の範囲内に収まっている

相続税には3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数という基礎控除があります。

この範囲内に相続財産の合計が収まっていれば、原則として相続税はかかりません。

法定相続人の人数が多い

法定相続人が多いほど、基礎控除額は増えます。
同じ財産額でも、

  • 相続人が1人の場合

  • 相続人が配偶者+子2人の場合

では、相続税がかかるかどうかの結果が変わることがあります。

配偶者が相続しているケース

配偶者には配偶者の税額軽減という非常に大きな特例があります。

配偶者が相続する財産が1億6,000万円まで、または法定相続分までであれば、相続税はかかりません。そのため、配偶者が中心となって相続する場合、相続税がかからないケースは多くあります。

ただし、注意点としては特例を適用することで相続税が0円になる場合でも、基礎控除を超えている場合は申告が必要となります。あくまで特例を利用することで控除されているということを理解しておかないと申告漏れとなってしまいます。

控除や特例を正しく使えている

相続税には、基礎控除以外にもさまざまな控除・特例があります。

  • 配偶者控除

  • 小規模宅地等の特例

  • 未成年者控除

  • 障害者控除

これらを正しく使えるかどうかで、相続税の有無が大きく変わります。

相続税がかかる人の典型的なパターン

不動産の評価額が高い

自宅や土地は、現金よりも評価が分かりにくいため注意が必要です。

  • 地価が高い地域

  • 土地の面積が広い

  • 収益物件を所有している

こうした場合、想像以上に評価額が高くなり、相続税が発生することがあります。

現金・預貯金が多い

現金や預貯金は、額面通りに評価されるため、節税の余地が少ない財産です。

「現金しかないから安心」と思っていると、
合計額がそのまま課税対象となり、相続税が発生することがあります。

生命保険や死亡退職金を見落としている

生命保険金や死亡退職金には非課税枠がありますが、
非課税枠を超えた部分は相続税の対象になります。

また、そもそも相続財産に含まれること自体を知らず、
計算から漏れているケースも少なくありません。

生前贈与の影響を受けている

亡くなる前に行われた暦年贈与による生前贈与は、相続発生前7年以内のものが相続財産に加算されることになります。

「贈与していたから相続税は減るはず」と思っていたのに、結果的に相続税が増えてしまうこともあります。

一方で相続時精算課税制度を選択している場合、7年間の繰り戻しはありません。双方の制度の違いを理解して自分に合った方法を選択する必要があります。

「非課税だと思っていたのに課税された」よくある勘違い

自宅は非課税だと思っていた

自宅そのものが非課税になるわけではありません。保有する土地、建物は相続税の対象になります。

ただし、自宅の評価を減額できる小規模宅地の特例を活用できる可能性があります。小規模宅地の特例は配偶者や同居をしている親族、持ち家がない親族が引き継いだ際に、自宅の土地を最大330㎡まで80%減額できる制度です。

非常に効果の大きい特例ですので、利用できるかどうかは必ず確認するようにしましょう。また、小規模宅地の特例を利用することで、相続税が0円になる場合でも相続税の申告は必要となりますので注意しましょう。

現金が少ないから安心していた

現金が少なくても、不動産や他の財産を合算すると基礎控除を超えることがあります。特に現金が少ない場合は注意が必要です。その理由は不動産など現金化しにくい財産を引き継いで多額の相続税がかかる場合は、納税する資金が不足する可能性があるからです。

評価の高い不動産を持っているケースで現金が少ない場合は、生命保険の活用や土地の売却なども検討する必要が

名義が自分じゃないから関係ないと思っていた

名義と実質の所有者が異なる場合、相続税の対象になることがあります。

申告しなくていいと思い込んでいた

相続税がゼロでも、申告しなければ特例や控除が使えないケースがあります。

「非課税=何もしなくていい」とは限りません。

相続税がかからなくても注意が必要なケース

「相続税がかからない」と分かった瞬間に、そこで考えるのをやめてしまう方は少なくありません。
しかし実際には、相続税が非課税でも注意すべきポイントがいくつもあります。

ここを見落とすと、

  • 後から税務署から指摘を受ける

  • 相続人同士でトラブルになる

  • 次の相続(二次相続)で大きな税負担が発生する

といった問題につながる可能性があります。

相続税は非課税でも申告が必要な場合

相続税がゼロになるケースでも、申告が必要になることがあります

代表的なのが、次のような場合です。

  • 配偶者の税額軽減を使う場合

  • 小規模宅地等の特例を使う場合

これらの特例は、申告書を提出しなければ適用されません
「非課税だから申告不要」と思い込んで何もしないと、本来使えるはずの特例が使えず、後から不利になることもあります。

将来トラブルになりやすい遺産分割の問題

相続税がかからない場合でも、遺産分割の内容は非常に重要です。

  • 分け方を曖昧にしたまま放置している

  • 名義変更をしていない

  • とりあえず誰かが管理している

こうした状態は、将来、

  • 相続人同士の意見対立

  • 不動産の売却や活用ができない

  • 次の相続で話がさらに複雑になる

といったトラブルの原因になりやすくなります。

二次相続で一気に税負担が増える可能性

一次相続(最初の相続)では非課税でも、二次相続で相続税が発生するケースは非常に多いです。

例えば、

  • 一次相続では配偶者が多く相続し、税額はゼロ

  • その後、配偶者が亡くなり、子どもだけが相続人になる

この場合、

  • 配偶者控除が使えない

  • 基礎控除額が減る

といった理由で、二次相続では相続税が一気に発生することがあります。

相続税がかかるかどうかを自分で確認する方法

相続財産の一覧を作成する

まずは、相続財産を漏れなく書き出すことが重要です。

  • 現金・預貯金

  • 不動産

  • 株式・投資信託

  • 生命保険金

  • 借入金などの債務

「これも相続財産になるの?」と思うものも、念のため含めて整理します。

おおよその評価額を把握する

次に、それぞれの財産について、おおよその評価額を確認します。

  • 預貯金:残高そのまま

  • 不動産:路線価や固定資産税評価額

  • 有価証券:相続発生日の時価

完璧な金額でなくても、「だいたいこのくらい」という把握で十分です。

基礎控除額と照らし合わせる

整理した財産の合計額を、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比較します。

  • 明らかに下回っている → 相続税はかからない可能性が高い

  • 近い・超えていそう → 注意が必要

この段階で迷いが出たら、次のステップが重要です。

判断に迷ったら専門家に相談すべき理由

税額がゼロでも確認しておく価値がある

相続税がかからないケースほど、
「念のための確認」が後々の安心につながります。

  • 申告が必要な特例を使っていないか

  • 評価の見落としがないか

をチェックするだけでも、大きな意味があります。

後から修正・追徴されるリスクを防ぐ

相続後に税務署から指摘を受けると、

  • 修正申告

  • 追加納税

  • 延滞税・加算税

が発生する可能性があります。

事前に専門家の確認を受けておくことで、
こうしたリスクを大幅に減らすことができます。

相続人全員が安心できる状態を作るため

相続は「税金の問題」だけではありません。

  • 誰が何を相続するのか

  • 将来どう扱うのか

  • 次の相続で困らないか

まで整理しておくことで、
相続人全員が安心できる状態を作ることができます。

相続税と各種制度・手続き、保険金・贈与の取り扱いについて

相続税の制度では、単に財産を取得するだけではなく、どのような種類の資産をどのくらいの割合で取得したのか、またどの制度や条件が適用されるかによって、税額の金額や申告の手続きが異なります。ここでは「相続に伴う取得」と「関連する税の種類」に関して、国税庁の制度・式・参考例も含めて整理しておきましょう。

1. 死亡保険金の取り扱いと非課税の範囲

死亡保険金は、被相続人が保険料を負担していた場合には相続税の対象となる資産として扱われます。

このとき、保険金の受取人が法定相続人である場合、一定額までは非課税の範囲(500万円×法定相続人の数)として扱われます。

例) 法定相続人が3人の場合
非課税限度額=500万円×3人=1,500万円
この限度額以内であれば、死亡保険金は相続税の対象外として扱われる可能性があります。

ただし、契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合には、死亡保険金は「贈与を受けたもの」とみなされ、相続税ではなく贈与税の対象になることもありますので注意が必要です。

2. 生前贈与と相続税・贈与税の扱い

相続直前の生前贈与も、相続税の計算では一定の期間内に贈与された財産は「みなし相続財産」として相続税の対象になります。

また、生前贈与によって取得した財産は、相続税だけでなく贈与税の対象となり、別途税率や申告手続きが異なるケースもあります。

3. 遺産の合計額と基礎控除の判定式

相続税が実際に発生するかどうかは、次の計算式で判断します。

課税財産の合計額(=相続等により取得した資産の額)
- 基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
= 課税対象となる遺産の額

この式で算出した金額が0円以下であれば相続税はかからないという条件になっています。

4. 法人や事業承継との関係

不動産だけでなく、被相続人が法人の事業用資産や株式を保有している場合、それらも相続税の対象となります。例えば、不動産を事業用として利用・賃貸していたケースや、法人の出資持分を取得した場合、それぞれの評価額に応じて税率や税額が課されます。
この場合には、税務署への申告手続きだけでなく、**特例制度(事業承継税制など)**の利用可否も検討が必要になります。

5. 各種税率と税負担の理解

相続税は累進課税制度となっており、遺産の総額が大きくなるほど税率が高くなる仕組みになっています。例えば、評価額が高い資産を多く取得した場合、10%から55%を超える税率が適用されることもあります。

6. 手続き期限と注意点

相続税の申告・納付には期限が設けられており、通常、相続開始(被相続人が亡くなった日)の10か月以内に申告・納税を完了する必要があります。期限を過ぎると延滞税や加算税が発生し、税務署から対応を求められますので注意しましょう。

まとめ|「かからないはず」で終わらせないことが大切

相続税は早めに整理するほどリスクが減る

相続税がかからない場合でも、
早めに整理・確認しておくことで、

  • 税務リスク

  • 家族間トラブル

  • 将来の相続負担

を防ぐことができます。

非課税でも準備しておくことが家族の安心につながる

「相続税がかからないから何もしなくていい」ではなく、
かからないからこそ、落ち着いて準備できるとも言えます。

少しでも不安があれば、
早めに専門家に相談し、家族が安心できる相続を目指しましょう。

広島相続税相談テラスでは、初回の相談無料でさまざまなご相談に対応しております。相続に関してお悩みがある場合はお気軽にご相談ください。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい