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相続税を抑える7つの控除【相次相続控除】の控除額計算と申告方法

2021年11月09日

相続税にはさまざまな税額控除が存在しますが、それぞれのケースによってどれが該当するのか、またその控除は自分に適用可能かどうかの判断が難しいもの。
今回の相次相続控除についても、その適用要件や、ひとつ前の相続で相続税を課されなかったときはどうなるのか疑問に思われることでしょう。
また、控除額の計算方法がわからなければ、課せられる相続税額への心配も出てきます。

そこで今回の記事では、連続する相続への控除を受けるための条件や申告方法、計算方法について解説します。
記事の内容を読んでいただければ、連続する相続への控除の適用基準や申告のやり方などをご理解いただけるはずです。

相続税の相次相続控除とは

相次相続控除とは、10年間で相続が連続した場合に対して税金を軽減する制度のこと[注1]。
連続して相続が発生した場合、相続税の負担が大きくなってしまうことへの配慮のために設けられました。

相続する金額や回数が多くなると課せられる税金が非常に高額になることも考えられるので、相次いで相続が発生した際にはその連続する相続を考慮した控除制度をぜひ利用してください。

相続税の相次相続控除の申告方法

相次相続控除を利用して相続税の申告をするには、相続税申告書に必要事項を記入して税務署に提出してください。

相続税申告書第7表が連続する相続への控除のための書類なので、まずは第7表を作成します。

作成したら、以前と今回の相続年月日や純資産価額、連続する相続への控除額などを算出して記入し、ひとつ前の相続税申告書控えの写しとともに提出しましょう。

ただし、相次相続控除額が相続税の金額を上回る場合は申告は不要です。
もし控除額を差し引いても相続に関する税を納める必要がある場合は、申告書を提出することで申告を行います。

相続税相次相続控除が適用される条件

相続税の相次相続控除を受けるためには、適用可能となる条件を知っておくことが大切です。

この控除を受けるためには、次の条件すべてに該当する必要があります[注1]。

【適用可能となる条件】

  • 相続の放棄をしておらず相続権があること
  • 相続が始まったときからさかのぼって10年内にひとつ前の相続が開始されたこと
  • ひとつ前の相続で相続に関する税を納めていること

控除の適用が可能となるためには、ひとつ前の相続が今回の相続が始まったときから10年前に始まっており、相続に関する税を納めたことが条件とされます。
また当然ではありますが、相続人であることも条件のひとつです。

上記3つの条件すべてに当てはまる場合は、連続する相続への控除により税金の軽減措置が受けられます。

相続税相次相続控除額の計算方法

それでは、連続する相続への控除額の計算方法について確認していきましょう[注1]。

今回の被相続人が前の相続の際に課せられた相続税額×今回の相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得したすべての人の純資産価額の合計額/(今回の被相続人が前の相続の際に取得した純資産価額今回の被相続人が前の相続の際に課せられた相続税額)[求めた割合が100/100を超えるときは、100/100とする]×今回のその相続人の純資産価額今回の相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得したすべての人の純資産価額の合計額×(10-前の相続から今回の相続までの期間)/10=各相続人の相次相続控除額

国税庁:No.4168 相次相続控除

連続する相続への控除額の計算方法は大変複雑で、ひとつ前の相続税額や取得した純資産価額、各相続間の期間も計算式に組み込むようになります。

また、相続人の中に農業相続人がいる場合は計算方法が変わるなど、税金の控除に関する計算式の中で最も複雑だと言えるでしょう。

相続税の相次相続控除を活用するなら税理士に相談を

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで相続税の相次相続控除についてご理解いただけたと思います。

相次相続控除の計算方法は非常に複雑で難しいので、控除を受ける際には専門知識を持つ税理士に相談し、正しく申告を行いましょう。

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[注1]参照:国税庁:No.4168 相次相続控除

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい