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失敗しない税理士選び!相続税の申告で依頼するべき税理士の見分け方とは

2023年08月01日

被相続人の財産が基礎控除内なら、相続税の申告は必要ありません。一方で基礎控除を超える財産を持っている場合の申告は、必ず被相続人が死亡してから10ヶ月以内に行う必要があります。遺産相続をした場合の相続税は自身で申告書を提出し、支払うことも可能ですが、自分で申告することが難しい場合は税理士に任せるほうがよいでしょう。

ただし、税理士資格をもっている人ならだれでもいいわけではありません。どのような税理士に依頼するとよいか選び方がわからないという方も多いでしょう。そのような方向けに、当記事では税理士に依頼するべきケースや、相続税の申告で依頼する際に見分けるポイントを解説します。

税理士に依頼するべきケース

税理士に依頼し、申告を任せるべきケースとはどのようなケースなのでしょうか。税理士に依頼するべき事例について案内します。

財産が多いケース

被相続人の保有していた相続財産が1億円を超える資産家の場合、納税額も大きくなりますので、税務署から調査を受けるリスクが高く、しっかりと申告を行う必要があります。財産が多いケースや全体が分からない場合は相続人の負担も大きなものになります。

税理士に依頼することで、税務調査を受けた際に、しっかりと対応できるというメリットがあります。もし、税務調査が行われ指摘を受けてしまった場合、追徴で加算税を課されることになります。税務調査が入った際に資料を提示して、税務署に説明するなどサポートを受ける必要があるでしょう。

逆に財産の総額から債務を差し引いて基礎控除以下の場合、申告を行いませんので、専門家である税理士に相談する必要はありません。

財産の評価が難しいケース

1億円超の財産があっても預貯金中心の場合はとても評価がしやすいため、比較的迅速に手続きを進めることができます。

評価額の算定が難しい財産を保有しているケースも税理士に依頼するほうがよいでしょう。具体的には、不動産の数が多い場合や複雑な形状の土地や非上場の法人の株式、評価額がわからない美術品や骨董品を保有している場合などがあてはまります。

評価が難しい財産の場合、事情を考慮して原則的な評価額よりも低くできることもありますが、制度を知っておかなければ必要以上に高い税額を支払うことになるケースも多いです。実際に評価が難しい財産がある場合は、税務のプロである税理士のアドバイスを受けるようにしましょう。

相続人が忙しいケース

相続人が仕事などで忙しいケースは税理士に申告を依頼する方がよいでしょう。相続税の申告は10ヶ月以内に行う必要があります。期限が短く、登記や名義変更等の手続きも同時進行で進めているとあっという間に時間が過ぎてしまい、自分で対応できないケースも少なくありません。

また、相続発生後は相続税の申告以外にも金融機関の手続きや不動産の登記などさまざまな業務を同時進行で進めていきます。平日しかできないことも多く、仕事で難しい場合は無理せず税理士に依頼しましょう。

遺産分割に時間がかかりそうなケース

相続税はもらえる財産に応じて計算を行いますので、遺言もなく遺産分割の協議が完了しないと正確に相続税を算出することはできません。そのため、先に誰が何をどのような割合で相続するか配分の方針を、相続人全員で決めた上で手続きを進める必要があります。

相続開始後の時間がない中で、知識がない人が手続きの詳細まで理解して申告をすることは簡単なことではありません。

既に遺言が作成されている場合や相続人が1人の場合は、分割の協議をする必要はありません。しかし、遺言がなく複数の相続人がいる場合で、全国に分かれている場合など、遺産分割の話し合いに不安がある案件は、税理士に依頼したほうがよいでしょう。

依頼するべき税理士の見分け方4選

税理士に依頼するとしても、どこの事務所に相談したらわからないという方も多いでしょう。税理士に関する情報収集を行った際に、どのような点で見分けていけばよいのでしょうか。良い税理士の探し方のポイントやその理由、注意点を具体的に解説しますので、参考にしてください。

①相続税・贈与税を専門にしている

税理士試験に合格をして、資格を保有している税理士といってもすべての税務に強いわけではありません。税理士であれば、当然相続税も詳しいだろうと考える人もいますが、法人税や所得税など別の分野の税金を専門にしている税理士もいます。

相続税や贈与税、資産承継の分野を専門にしており、数多くの申告の実績があり、経験豊富な税理士事務所や税理士法人に依頼するほうが節税にもつながりますし、安心して任せることができます。

各事務所の事例や実績についてはホームページ等でも確認することができますので、インターネットで家の近くや職場からアクセスのよい税理士を検索してみましょう。相続に強い税理士であれば、相続関連の書籍の執筆やメディアでの解説している場合もあります。

実績があり、信頼のできる税理士であれば流れを理解しており適切に対処することができますので、安心して手続きを進めることができます。また、申告を頻繁に行っている税理士の場合、不動産の登記などを司法書士に依頼する場合や、争いに発展した場合に弁護士に依頼する場合など、他の士業に依頼する部分がある場合や相続で取得した不動産の売却を希望する場合でも、依頼する人を探すネットワークがあり、スムーズに対応することができます。

相続税や贈与税の申告をする際には、金融資産や不動産の評価だけでなく、小規模宅地の特例や配偶者の控除など各種特例の適用の可否も判断する必要があります。

特に東京や神奈川、千葉、埼玉など評価が高い首都圏エリアの土地の場合、土地の価格が高い分、小規模宅地の特例を利用できるかどうかで大きく税額が異なりますので、適用できるかどうかは非常に重要です。

税制改正も頻繁にあり、2024年にも贈与税の大幅な改正がされています。相続税や贈与税の申告が得意で、最新の情報を持つ税理士に依頼することで、確実に有利な特例を適用することができます。

②報酬が明確に提示されている

相続税の申告の際の報酬は財産の額や、保有する不動産の件数や内容によって決められていることが多いです。選ぶ時点ではすべての財産の評価を終わっていないケースも多いと思いますが、正式に契約する前に納得できる報酬体系や報酬の計算方法を明確に説明してくれるかは大切な要素の一つです。

一般的に相続税の申告の相場は財産額の1%程度と言われており、適正な価格となっているか確認しておきましょう。基本料金として、最低金額を設定している税理士も多いです。

同じ財産額でも財産の内容によって報酬も異なります。たとえば、評価が難しい宅地が多数ある場合など、財産の内容が複雑な場合は、添付する書面も多く必要ですので、報酬が高くなるケースもありますし、預金のみの場合は比較的評価が簡単ですので、安くなるケースもあります。

あいまいな料金体系の場合、後で思わず高額の報酬を請求される可能性もありますので注意が必要です。しっかりと報酬の算定基準が定められているかチェックし、できるだけ安い報酬で引き受けてくれる税理士に依頼するようにしましょう。

③初回の相談に無料で応じてくれる

相続税の申告の相談をする際に法定相続人の状況や財産の大まかな内容がわからなければ、どれくらいの期間と費用がかかるかわかりません。初回の相談はサービスで無料に応じてくれる税理士に相談をしないと、依頼しないにもかかわらず費用を払う必要があるというケースもあります。

そのため、初回の一般的な相談や、預貯金や自宅不動産などトータルの相続財産の概要を提供したところで見積もりの作成には無料で応じてくれる税理士を利用するようにしましょう。初回の面談の際に財産の一覧や相続人関係図を事前に作っておくと、状況が伝わりやすくなりますのでスムーズに見積もりの作成をお願いすることが可能です。メールや電話で必要な書類を事前に確認してみてもよいでしょう。

初回の相談に無料に応じてくれるかは税理士事務所のサイトで確認し、不明点はできるだけ、質問して、解消してから契約するようにしましょう。

④次の相続税対策のアドバイスをしてくれる

優良な税理士は今回の相続税の申告だけでなく、次の相続のアドバイスもしてくれます。特に配偶者が財産を引き継ぐ場合は近い将来、その後に二次相続が発生する確率が高いため、早急に税額を軽減するために対策が必要なケースが多いです。

資産承継にノウハウのある税理士であれば、現時点の財産額を伝えることで、次の相続が発生した際のシミュレーションを行うことができます。

生命保険の非課税枠の活用や年間110万円の贈与などで課税対象となる遺産を減らす対策は生前にしか行うことができません。相続発生後に特例等を活用して土地の評価を減額するだけでなく、生前対策も行うことで、大きく相続税を納付する金額を減らすことができます。

また、被相続人が亡くなった後に遺された家族で争いになりそうなケースでは遺言書の作成を提案するケースもあります。可能な範囲で生前に準備を行うことで、あらゆるトラブルを回避したり解決することが可能です。相続に強い税理士は遺言に関する詳しい知識を有していますので、記載の方法や注意点もアドバイスしてくれるでしょう。

相続税のお悩みは税理士に相談を

ここまで解説した通り、相続税は課税の制度が非常に複雑で、丁寧に対応する必要がある、本当に大変な作業です。相続税は所得税の確定申告と違い、通常は何度も行うわけではありませんので、慣れていない方も多いでしょう。

もちろん、必ずしも税理士に支援を依頼する必要があるわけではありません。

しかし、相続人のうち誰かが代表となって進めていく必要がありますし、手続きに慣れていない人であれば、税理士に依頼することで、大きく手間を減らすことができ、ストレスを抱えることなく申告をすることができます。

また、結果的に納税する金額を減らすことができる場合もあります。また、税務調査で財産の漏れや計算ミス、特例の適用判断の誤りを見つけられ、加算税が生じる可能性も低くなります。相続は専門性の高い業務ですので、税理士であればだれでもいいわけではありません。初回の相談を無料に応じてくれる税理士に気軽に相談してみることをおすすめします。

ホームページの掲載状況を確認し、相続に強い税理士が在籍している、税理士事務所を探してみるとよいでしょう。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい