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贈与税の申告漏れがあるとお尋ねがある?

2024年08月24日

相続税対策の手段として子どもに生前贈与を行っている人は多くいます。暦年贈与の場合、年間110万円までの贈与であれば、基礎控除の範囲内であり、非課税ですので贈与税の申告は必要ありません。

しかし、110万円を超える金額を親や祖父母から贈与を受けた場合、贈与税が課され、翌年の3月15日までに申告が必要です。贈与税の申告が漏れを防ぐために税務署からお尋ねが送られてくるケースがあることをご存知でしょうか。

当記事では贈与税のお尋ねや贈与税に関する税務調査について解説します。

贈与税のお尋ねとは

贈与税のお尋ねとは不動産の購入などのタイミングで、贈与を受けていないか税務署から送られてくるアンケートのような書面です。住宅など不動産購入のタイミングで贈与が行われることは多く、税務署は法務局の不動産の登記事項を把握しているため、購入者に贈与を受けていないか確認するために送付をしています。住宅購入の場合、贈与税が非課税になる制度がありますので、特例を適用している場合は、お尋ねへの返送だけでなく確定申告も必要となりますので、注意しましょう。

お尋ねには法的な拘束力はありませんので、返信しなかったとしてもペナルティはありませんが、税務署の心証は悪くなり不正を行っていることを疑われるため、税務調査を実施する対象になるきっかけになる可能性はあるでしょう。税務調査が行われると、事前に通知され、それぞれの財産状況を詳細を調べられ対応することは負担も大きいので、調査に入られる前に回答することをおすすめします。

相続発生後の税務調査

相続発生後のタイミングの税務調査で相続税・贈与税の申告漏れを調査されるケースがあります。相続発生前に課税を逃れるために多額の資金が相続人に移っているケースや現金を引き出してお金を自宅に隠しているケースなども多くあります。

このような節税目的の資金異動や税金の申告漏れを防ぐために税務署は被相続人や相続人の銀行口座の入出金記録等を確認し、税逃れを発見しようとしています。

全ての人に税務調査を行うことは税務署の負担も大きく実際には不可能です。そのため、何か理由があって税務署は調査するわけですが、税務署は過去の相続税とは異なる税金のデータも持っています。給料や不動産を売却した際の所得税、相続税、固定資産税などあらゆる税金関係のデータを確認し、預貯金、有価証券、土地・建物などの資産背景を推測することで税務調査が必要な人を割り出して徹底的に調べていきます。

税金からは避けられない仕組みとなっており、あらゆる手段で調べられますので、財産の評価額の合計は基礎控除を超える場合は、悪質な脱税行為は行わず、しっかりと申告するようにしましょう。

税金の相談は税理士に相談を

遺産相続の際に、誤って過少に申告をしてしまった場合や無申告であった場合、明らかに脱税行為があったことを指摘された場合は重加算税や無申告加算税、延滞税が課せられ、高額の税金がかかる場合があります。贈与税や相続税の申告手続きの書類の作成や税率・計算方法、特例の要件についてわからないことがある場合は税務の専門家である税理士に相談し、適切に申告書を提出するようにしましょう。

また、相続税は相続により財産を取得した人が相続発生の翌日から原則10ヶ月以内に相続人が申告と納税を完了する義務があり期限も短く、自分で申告することが難しいという人も多いでしょう。相続発生後は特に忙しい中で作業を進めるため、期間もあっという間に過ぎてしまいます。費用はかかりますが、親族が忙しくて期限に間に合わない可能性がある時は財産の評価や税額の計算について税理士にサポートを依頼し確実に申告を済ませることが大切です。

税理士に依頼する際は事前に金額を確認してから検討することをおすすめします。申告にかかる費用は財産の内容や金額によって決まることが多いので、財産をまとめて一覧にした表を作成し、持っていくとよいでしょう。初回の面談は無料で応じてくれるケースが多いです。

知り合いから紹介してもらうことが難しい場合は、ホームページで確認し、相続・贈与に関する実績が豊富で業務として普段から行っている税理士事務所・税理士法人に依頼するとよいでしょう。

筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい