基礎控除を超える財産を保有する人が亡くなると、10ヶ月以内に相続税を原則、現金一括で納付する必要があります。通常は相続した資金で相続税を支払うことができるケースが多いですが、不動産など現物資産が多い場合、相続税を支払うための現金が不足し、相続人の持っていたお金で納税することがあります。
納税資金が不足する場合には銀行など金融機関で借入を受けることも可能です。当記事では銀行融資を活用するための方法や、利用にあたっての注意点について解説します。
銀行で融資を受ける方法
銀行で融資を受けるためにはまず、銀行の窓口に相談に行きましょう。融資を受けるためには土地・建物等を担保に入れる必要がありますので、権利書など土地の情報がわかる資料を持っていくようにしましょう。また、保証人も必要となります。誰を保証人とするかも検討しておきましょう。
融資の申し込みをすると銀行は審査を行います。審査の結果によって、融資可能な額や金利、期間、毎月の返済額が決まります。不動産を担保とする融資は、現状低金利ではありますが、自宅を購入する場合の住宅ローンなどに比べると高い金利水準での借り入れとなります。
銀行融資以外の方法
納税資金が不足する場合、銀行融資以外にどのような方法があるのでしょうか。銀行融資は審査を受ける必要がありますし、融資には時間がかかります。もし、融資を受けることができなかった場合、審査が終わった後に別の方法を検討しても手遅れになる場合があります。そのため、審査を受けている時に別の方法を検討する必要があります。
銀行融資以外の方法の概要やポイントを解説します。
延納
延納とは納税資金を一括で用意することができないため、納税を待ってもらう制度です。延納をする場合は管轄の税務署に延納申請書を提出する必要があります。不動産の割合が75%を超える場合は最大20年間延納することができますので、賃貸不動産を相続した場合、不動産から得た収入で分割して少しずつ税金を支払うことが可能です。
また、延納をする場合は通常の相続税に加えて利子税を請求されます。利子税は金融機関でローンを借りた場合の利率よりも高いことが多いです。
特に長期に借り入れをする場合は、利息を支払う期間も長くなりますので、可能であれば金利面でのメリットの大きい銀行融資を受けた方がよいでしょう。
物納
物納とは不動産や有価証券など現物で税金を納める方法です。物納をすることによって、現金を動かさずに税金を納めることができます。ただし、物納をする際の評価額は実際の時価よりも低く評価されることが多く、経済的にはデメリットも大きい制度です。場合によっては土地を売却し、現金化してから支払った方が有利となるでしょう。
納税資金が不足する可能性がある場合、生前の対策が重要
不動産などが多く、納税資金が不足する可能性がある場合、相続が発生する前に対策を検討する必要があるでしょう。
まず最初に行うべきことは、現状把握です。財産の一覧を作成し、相続税を計算してみましょう。かかることが想定される相続税よりも現金が少ない場合は、事前に現物資産を売却しておくことや、贈与をすることで相続を受ける者に資産を移転しておくことを検討してもよいでしょう。
また、事前に検討することで、各種特例の利用条件を確認することができます。特例を適用するためにも、事前に遺言を作成し、誰が何を相続するかを事前に指定しておくことも有効です。
事前に検討することで、本人や相続人の希望に沿った対応を時間をかけて検討することができます。事前に対策を打っておくことで、相続人の負担を大きく軽減することができます。
相続税の相談は税理士に相談を
相続税について、自分ではわからないことがある場合は税の専門家である税理士に相談するようにしましょう。税理士に相談する際は、あらかじめ財産や相続人に関する資料をまとめておくとスムーズに対応を進めることができます。
広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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