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相続税に優遇が?使える特例を解説!

2023年06月19日

基礎控除(3,000万円+法定相続人×600万円)を超える財産を保有する人が亡くなった場合、相続税が発生します。相続税にはさまざまな特例があり、特例を適用することで、実際に支払う税金の額を減らすことができます。当記事では、相続に関する特例について解説します。

効果の大きい主な特例や制度

相続税には条件を満たすことで、利用できるさまざまな特例があります。特例は遺贈される財産の内容や相続人の状況に応じて、優遇措置が設けられており、相続人の負担を軽減することができます。

相続の特例は税制改正などで、条件が変わることも多く、最新の情報を得ていくことも重要となります。現在利用できる主な特例の概要や注意点について具体的に確認していきましょう。

生命保険の非課税枠

生命保険の非課税枠は法定相続人×500万円まで相続税が非課税になる制度です。相続税対策としては簡単で、確実な方法として、多くの方が利用しています。ただし、相続発生前に契約しておく必要があります。

小規模宅地の特例

小規模宅地の特例は居住用や事業用などの土地を相続する際に評価の減額をすることができる制度です。居住に用する宅地の場合、最大330㎡まで80%減額することができますので、軽減効果の大きい制度です。所有する土地の路線価が高い都心部の場合、より減額の効果が大きくなり、評価を下げることができます。

居住用宅地の特例は配偶者がいない場合、同居の親族や自宅を保有していない相続人が相続する必要がありますので、特例を利用することができる状態にしておくことも重要です。

また、亡くなる直前に、老人ホームに入所していたとしても、要介護認定を受けており、自宅を他人に貸していない場合など、要件を満たせば、特例を利用することが可能です。

配偶者控除

配偶者控除とは配偶者が財産を相続する際に、税額が控除される制度です。配偶者は被相続人とともに財産を形成している存在との考えから、大きな控除が用意されています。

配偶者が財産を相続する場合、法定相続割合または1億6,000万円までは非課税となります。配偶者控除を使うことで、自宅の土地・建物や金融資産を相続したとしても、ほとんどの場合、税額が0になり、負担を大きく軽減することができます。しかし、財産を取得した配偶者の相続が発生した時に、子供などが引き継ぎ時には相続税の総額がかえって大きくなることがあります。

夫婦の財産をどのように次の世代に引き継ぐか、シミュレーションをして検討する必要があるでしょう。

未成年者控除

未成年者控除は未成年者が相続する場合に税額軽減を受けることができる特例です。税額の軽減額は18歳-相続開始時の年齢×10万円です。

障害者控除

障害者控除は相続する人が障害者の場合、税額を軽減することができる特例です。特別障害者の場合85歳ー年齢×20万円、特別障害者以外の障害者の場合85歳-年齢×10万円の税額控除を受けることができます。

相続した空き家を売却した際に利用できる特例

相続税ではなく、相続した不動産を売却した際に利用できる特例もあります。相続した空き家が耐震基準に適合しているか更地にしている場合など、条件を満たせば、3,000万円の特別控除を受けることができます。

あわせて理解しておきたい贈与税の制度

次に贈与税についても解説しておきます。上記の相続税の特例とあわせておさえておきたいのが贈与税の制度です。相続税は人が死亡した場合にかかる税金です。贈与税は生前に贈与を行う際にかかる税金で、相続税と贈与税はお互いに補完し合うような形になっています。贈与では現金や有価証券、不動産を贈与することが可能です。

暦年贈与

もっとも一般的な贈与の形が暦年贈与です。暦年贈与では年間110万円まで非課税枠があり、毎年一定額を次の世代に贈与していくことで、相続発生時の課税対象財産を減らすことができます。

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与は教育資金に限り1,500万円まで、祖父母などから孫などへ贈与することができる制度です。教育資金として贈与された金額は信託銀行などで管理され、領収書を都度提出することで払い出しを受けることができます。

教育資金の一括贈与は暦年贈与と比べても大きな金額を贈与することができますので、節税対策としては有効ですが、法定相続分とは大きく異なる配分となる可能性があり、遺産分割の際にトラブルに発展する事例もありますので、関係が悪化しないように遺言を書いておくなど、配分の対策も必要となる場合があります。

特例の相談は税理士に相談を

相続税の申告は戸籍や印鑑証明書などさまざまな書類を集める必要があり、複雑な手続きが必要になります。

特例の条件も複雑で、制度を利用できるかどうか、判断に迷う場合もあるでしょう。また、特例を受けるために必要な書類も多くありますので、普通に申告するよりも大変な手続きとなります。。期限内に申告と納付をしないと利用できなくなる特例もあります。大切な財産をしっかりと次の世代に引き継ぐためにも早めに対応するようにしましょう。

知識がない方が申告をすると、特例の適用が漏れてしまい、高い税金を支払うことになる可能性があります。今回ご紹介した以外にも特例はあります。自分で相続税の計算や手続することが難しい場合は、専門家である税理士のサポートを受けるようにしましょう。税理士に相談する際は、相続する遺産を一覧にして持っていくとスムーズに相談することができます。不動産の評価が分からない場合は、保有する不動産の場所と面積が分かる書類と固定資産税の納税通知書を持っていくとよいでしょう。

初回の相談は無料で応じてくれるケースもあります。

広島相続税相談テラスでは、相続税で困っている・遺産分割に悩んでいる・生前贈与を検討しているあなたをサポートします。
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筆者情報

氏名:山根 謙二 (やまね けんじ)

資格:税理士(税理士登録番号92527号)
   行政書士(行政書士登録番号18342346号)
   相続手続カウンセラ-

専門分野:相続税、事業承継

出身:広島県廿日市市

趣味:ゴルフ、旅行(海の綺麗な所)

お客様に一言:相続の事なら何でもご相談下さい